スタイリストになれず不安……現役美容師60名の悩みや練習時間、先輩美容師のアドバイスなどを紹介
「自分はいつまでアシスタントなんだろう」と、スタイリストになれないことを不安に感じている美容師さんへ。
実はアナタが思っている以上に「スタイリストになれない」と悩んでいるアシスタントさんは数多くいらっしゃいます。
今回は「スタイリストになれない」というテーマにて、不安を感じるアシスタントさんの本音やアシスタント歴の平均年数、先輩スタイリストの声などをご紹介いたします！
6割以上のアシスタントは「スタイリストになれないこと」を不安視している
「いつスタイリストとしてデビューできるんだろう」
「美容師として、独り立ちできるんだろうか？」
そんな不安を抱きながら、日々の業務をこなすアシスタントは少なくありません。今回JOBOONでは「スタイリストになるまでの不安調査」というテーマで、合計60名のスタイリストにアンケート調査を実施しました。
「アシスタント時代、スタイリストになれるかを不安に感じていましたか？」という質問に対し、全体の64.3％が「不安だった」「どちらかと言えば不安だった」と回答。
多くの美容師は最初からスタイリストになれることを確信しているわけではなく、不安と葛藤しながら毎日のレッスンや接客をこなしていることがわかります。
アシスタント歴が長いほど、強い不安がある
続けて先ほどのアンケートの回答を分析したところ、「不安だった」「どちらかと言えば不安だった」と答えたスタイリストほど、アシスタント歴が長めの傾向にあることがわかりました。
【平均アシスタント歴の比較】
「a.不安だった」と回答した人の平均アシスタント歴 … 4.28年
「b.どちらかといえば不安だった」と回答した人の平均アシスタント歴 … 4.13年
「c.どちらかといえば不安はなかった」と回答した人の平均アシスタント歴 … 3.29年
「d. まったく不安ではなかった」と回答した人の平均アシスタント歴 … 3.72年
アシスタント時代が長引けば長引くほど、自ずと「スタイリストになれるのか」という不安も大きくなる傾向がわかります。
スタイリストになれず悩んでいるアシスタントの、リアルな声
スタイリストになれず悩みを抱えているアシスタントの皆さんは、一体どんなことに不安を抱いているのでしょうか？リアルな声を見ていきましょう。
経験5年目のアシスタントで、今の店舗には勤めて3年目となります。
最近コロナの影響でモデルを探すのが難しく、レッスンが減ってしまったことを店長に「やる気が無い」と言われてしまい、営業中目も合わせてもらえないように。大好きだった美容師の仕事も楽しいと思えなくなってしまいました。
デビューしたい気持ちはありますが、このままどう頑張ればいいのか、今の店でデビューしても楽しくやっていけるのか分かりません。。
（24歳女性 美容師アシスタント5年目 Yahoo知恵袋より）
今働いているサロンは2店舗目で、経歴は5年目です。
あと半年ほどでスタイリストデビューできるのでは、と思っていますが今のサロンで頑張れる気がしません。。
スタイリストになってから今のサロンを辞めるべきか、まだスタイリストになってない状態で他のサロンに移籍しデビューを目指すべきかで悩んでいます。
（28歳男性 美容師アシスタント5年目 Yahoo知恵袋より）
経験5年目のアシスタントです。元職場の同期・後輩もすでにスタイリストデビューしているのに、私はいまだにスタイリストデビューしていません。
今の店長には「俺が立派なスタイリストにしてやる」と言われ、店長のスキルを盗みたい、店長の下でずっと働きたい！って気持ちで前の職場を辞めました。しかし店まで変えたのに、店長は営業が終わると同時にさっさと帰ってしまい、今はディーラの月1の講習が唯一の勉強場所です。
年齢も25になり、結婚も……と考えると不安で仕方ないです。お店を変えようか、美容師をやめようかですごく悩んでいます。
（25歳男性 美容師アシスタント5年目 Yahoo知恵袋より）
みんなスタイリストになるまで何年かかってるの？
「アシスタントからスタイリストになるまで」の期間は、店舗の環境や教育体制によっても大きく異なります。しかし「皆、どのくらいでスタイリストデビューしているのか」は気になりますよね。
スタイリストになるまで、何年かかりましたか？
１年～１年半 2名
２年～２年半 10名
３年～３年半 19名
４年～４年半 13名
５年～５年半 10名
６年以上 2名
８年以上 1名
JOBOONのアンケート調査によると、スタイリストになるまでに要する最も一般的な年数は「3年〜3年半」で、全体の3割以上を占める結果となりました。
次点で多かったのが「4年～4年半」で約22％、その次に同率で「2年～2年半」「5年～5年半」の期間を要したという回答が続きます。
スタイリストになるまで3年～4年を要するのは一般的なことであり、5年以上アシスタントであることも、決して珍しくないことがわかります。
アシスタント時代、1日平均どのくらい練習してましたか？
1時間以上～2時間未満 30名
2時間以上～3時間未満 14名
3時間以上～4時間未満 3名
4時間以上 0名
今の先輩スタイリストは、アシスタント時代1日平均どのくらい練習していたのでしょうか？調査によると、多くが平均1〜2時間程の練習をこなしていたことがわかります。
現時点で「スタイリストになれるかが不安」というアシスタントの方は、ぜひ上記の数字と自身の練習時間を照らし合わせてみてください。もし練習量が平均値と比べ遜色ないのであれば、それほど大きな不安を感じる必要はないのかもしれません。
先輩美容師に聞く「スタイリストになって良かったな」と感じる瞬間
現在美容師として働く先輩スタイリスト60名に、「スタイリストになって良かったと感じる瞬間」をお聞きしました。もしアナタが「アシスタントとして仕事を続けていくこと」に不安を感じている・あるいは離職を考えているなら、ぜひ以下の内容を読んでみてください。
１. お客様に喜んでもらえる機会が増えた
最も多かったのが「お客様に喜んでもらえる機会が増えた」という意見。
スタイリストになれば「カウンセリング」「施術」「提案」と、お客様に提供できるサービスの数や質が増えるため、自ずと「喜んでいただける」機会が多くなります。
アナタの腕や接客に魅力を感じ、「指名」してくれるお客様が増えれば嬉しいですよね。
２．給料がアップした
スタイリストになれば、アシスタント時代から給料も大きく上がります。
歩合制の店舗も多いため、やればやるほどモチベーションアップに繋がります。
３．責任感が増してやりがいが増えた
スタイリストになり自分のお客様がつくことで、より責任感が増し、やりがいが増えたという声も多く見られました。技術が身に付けば自ずとお客様も増え、店舗で責任のある立場に就くこともあるでしょう。
現在、日々の雑務や掃除・つらい練習に耐える日々を送っていたとしても、数年後には全く異なる景色を見ているかもしれません。
４．シャンプーが減って手荒れが解消した
シャンプーをする機会が減ることで、手荒れが解消した！という方もいらっしゃいました。
「美」を扱う仕事だからこそ、できれば美しい手を保ちたいところ。いまは手荒れで悩んでいるアシスタントさんも、数年後には手のお手入れやお洒落を存分に楽しめているかもしれませんね。
「スタイリストを目指すアシスタントへ」先輩スタイリストが伝えたいこと
現役で活躍するスタイリストも、アシスタント時代に多くの苦労を乗り越え、いまの姿があります。先輩スタイリストに聞いた「いま不安を抱えているアシスタントに伝えたいこと」をご紹介します。
「立場関係なく、自信をもってサービスを提供してほしい」
「アシスタント期間が長いのが悪い、デビューが早いのが良い」ということはないです。アシスタントの立場にもやりがいやお客様を喜ばせられるチャンスは沢山あります。「下積み」という言葉ではなく、自信を持ってお客様1人1人に接客して欲しい。
「いま辛くても、努力がいつか実る日がきます」
自分はアシスタント歴が長く、同期に比べてスタイリストデビューもかなり遅い方でした（約6年近くかかりました）。「自分は美容師に向いてないんじゃないか」と悩んだり、落ち込んだことも数え切れないほどありましたが、いまスタイリストになって思うのは「努力の積み重ねは裏切らない」ということ。
美容師は努力すればする程、絶対に成功する・上達できる仕事だと思います。諦めずにがんばってほしいです。
「とにかく先輩・同期かまわず技術を盗みまくりましょう」
上司、先輩がお客様とどんなトークをしているか。カウンセリングから施術中のトーク、提案までひたすら聞く。そしてカットやカラーなどの技術もとにかく見る、調べる、やってみる。接客でも施術でも、わからないことは聞く！周囲の環境をフルに活用していきましょう！
「環境を変えるのも1つの手です。僕はそうでした」
スタイリストに早く昇格できない理由が、自身の実力だけでない場合もある。自分の店は新人を育成する体制が不十分な上、人数不足で店舗が回らなくなるという理由で昇格の機会がまわってきませんでした。
アシスタント3年半で違う店に転職する、というのは勇気のいる決断でしたが、次のサロンでは着実に段階を踏んで無事スタイリストに昇格できました。もし明らかに環境に要因があるなら、飛び出してみるもの1つの手だと思います。
まとめ
今回は「スタイリストになれない」不安を抱えるアシスタントの皆さんにスポットをあて、皆さんの本音やスタイリストデビューまでの平均期間、先輩スタイリストからのエールなどをご紹介しました。
半数以上のアシスタントがデビューへの悩みを抱えながら、スタイリストになるという目標を叶えています。「辛いのは自分だけではないこと」・「諦めなければ、いつかスタイリストへの道を掴めること」などが、本記事を通して多くのアシスタントさんに伝われば幸いです。
また美容師さんのお役立ちメディア「JOBOON」では「2年でスタイリストデビュー可能」など、こだわり条件によるサロン求人を多数掲載しています。ぜひそちらも見てみてくださいね。