美容師のリアルな転職の失敗理由とエピソード│成功するために必要な考え方とは?
・美容師の仕事が辛くて、異業種へ転職したい
・美容師の仕事はやりがいがあるが、今のサロンに不満があり転職したい
・一度は美容師の職を離れたが、もう一度現場に戻りたい
JOBOONではこれまで多くの美容師さんより、過去の転職で「失敗した」「後悔した」という声をお聞きしてきました。
今回の記事では美容師さんにお聞きした「リアルな転職の失敗例やエピソード」に加え、失敗しないために実行したい考え方についてお話しします。
美容師の転職に失敗・後悔している人は少なくない
美容師で転職に悩んでいる方、失敗した経験のある方は少なくありません。「再就職できない」「一度、美容師を辞めたことを後悔している」など内容は様々ですが、転職・離職の多い業界だからこそ、多くの方がお仕事事情で悩んでいる実態があります。
愛知県の田舎に住む30歳、経験6年目の美容師です。先月、5年勤めたサロンを退職しました。理由は店舗にアシスタントが定着せず、自分が常に一番下の状態で、アシスタント業務全般をやる風潮になっていたからです。自分の成長のために辞めました。しかしいざ店を辞めて転職活動をしてみると、どこの店も若いスタッフや女性スタッフが必要らしく、再就職先見つかりません。自分も女性客の経験が少ないので、胸を張って『スタイリストです』と言えません。。男性メインの理容への道も考えましたが、やはり美容師として活動したい思いがあります。どうすればいいでしょうか?
専門学校卒業後、アシスタントとして美容室に就職しましたが、半年足らずで辞めてしまいました。現在は全く違う職種の、契約社員として働いております。辞めた理由としてはすごく好きだった髪の事が毎日仕事として扱う事により嫌になってしまい、またその美容室のオーナーもかなり癖が強く、自分が目指したかったスタイルなどが合わなかったりなどした為です。先日美容室でお客として行ったのですが、やはり頑張っている美容師さんの姿を見てカッコイイ、自分ももう一度挑戦したいと思いました。自分の答えがなかなか見つけ出せず苦労しています。どうすればいいでしょうか?
美容師の転職の失敗でありがちな3つのパターン
美容師の転職の失敗でありがちなパターンとして、以下3つが考えられます。
- 1.ネガティブな理由だけ転職を決める
- 2.自分のプライドが邪魔をして、新しい環境に馴染めない
- 3.目的が不明確な状態で転職し、次の職場でも迷子になる
以下それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.ネガティブな理由だけで転職する
ネガティブな理由だけで転職を決めるときは、要注意です。
「人間関係の悪さ」や「低賃金」「労働環境」といったネガティブな理由で転職する場合、一時的にその問題からは逃れられるものの、ほとんどが次の職場で「違う種類の問題」に悩まされるリスクがあるためです。
経験5年目、スタイリストのA子さんの月給は17万円。「給料が少ないから」という理由から転職を決意する。「給料の高さ」のみに条件を絞って就職先を探し、いまより月5万も給与の高い、街中のサロンへと転職。しかし、給与が高い分客の出入りが激しく、毎日23時まで残業は当たり前。以前のようにお客さんとコミュニケーションをとることも難しく、業務過多で精神・身体的にもボロボロの状態。転職から3ヶ月だが、すでに次の転職を考え始めている。
このように1つの課題だけを解消するために転職すると、他の条件への考慮が疎かになりがちです。転職時は広い視野をもって、条件を多角的に検討しなければなりません。
2.自身のプライドが邪魔をして、新しい環境へ馴染めない
転職前にある程度のキャリアを築いている美容師に、多く見られる失敗例です。
・これまで培った手法やノウハウが転職先で通用しない
・「新人」と同様に扱われる
・以前とまったく違うルールが強要される
などの壁にぶつかることは、美容師業界の転職において少なくありません。
自身のプライドを抑えて、環境に馴染もうとする「精神力の強さ」や「柔軟性」があれば問題ありませんが、慣れるまでは大きなストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。
3.目的が不明確な状態で転職するため、次の職場でも迷子になる
仮に転職先が想定と違った場合も、目的さえハッキリしていれば、失敗に早期に気づき対処することができます。
一方で「なんとなく合わない」を理由に転職する場合、次の職場に求めるものがわからず、また「何となく合わない」という負のループを繰り返すこととなります。
・独立を見据えているので、より新規客にあたりやすい店舗で働きたい
・じっくり接客したいので、地域密着の落ち着いたサロンで働きたい
・人間関係を改善したいので、知り合いが経営する、風通しの良い店へ転職する
・美容は好きだが接客は苦手なので、化粧品メーカーに転職する
など、目的から逆算して、転職先を判断する視点を忘れないようにしましょう。
美容師のリアルな失敗談・成功談を紹介(同業種・異業種)
ここからは、美容師のリアルな転職失敗談・成功談を紹介していきます。
同業種・異業種それぞれ紹介するので、あなた自身と照らし合わせながら読んでみてください。
失敗事例①「経験6年目、都心のサロンへ武者修行で転職したら予想以上に過酷だった」
美容師歴6年目 26歳 男性
私は経験6年目の美容師で、京都の小さな地域密着店舗でスタイリストを務めていました。職場に大きな不満はありませんでしたが、スタイリストとして更なるキャリアアップを図るため、より繁華街に近く若いお客さんが多い大手チェーンの美容室へ転職しました。
そのサロンを選んだ理由ですが、大手コンクールにも毎年出ている有名サロンで、今後のキャリアを考えると、とても魅力的に思えたからです。当時は独立するには何よりも経験を積まなくてはいけない、と焦っていたように思います。
転職後は2年ほど在籍したものの、結局地元に戻り別の地域密着の個人店に落ち着きました。せっかく転職したのに2年でやめてしまった原因は「サロン独自の文化・社風」に、最後まで馴染めなかったことです。
「新人からアシスタント、スタイリストまでを自社一貫で育てる」という文化が確立されており、中途で入ったにも関わらず、過去の実績が評価されない日々。美容師としてある程度の技術はあると自負していたのですが、実際に働いてみると、技術だけではどうにもならないことを痛感しました。
いまの小規模サロンには3〜4年ほど在籍しており、もうすぐ独立しようと思っています。
ある程度経験を積んでからの転職では、社風の違いに戸惑いを感じることが多く、続けていくにはそれなりの覚悟が必要だということを実感しました。
失敗事例②「12年勤めた美容室を離職。経験を活かし美容品のディーラーになったものの『思ってたのと違う』」
美容師歴12年目 33歳 男性
美容師の経歴は12年あり、3店舗ほど姉妹店を経営するグループの1つの店長を務めていました。 決して職場に不満があったわけではないのですが「店長の次のキャリアが思いがけない」という漠然とした将来への不安があり、思い切って異業種への転職を決意しました。
美容師時代の知見を活かすために、美容サロンの商品を扱うディーラーへと転職。初めは適職かと思ったのですが、結局は2年ほどでやめてしまい、現在は美容師の業務委託として働いています。
辞めてしまった理由ですが、ディーラーの「こちらから働きかけて物を売る」という営業スタイルが、僕には肌に合いませんでした。提案して顧客に断られる、ときには嫌な顔をされる営業職より、お客さんが自ら望んで足を運んでくれる「美容師」の方が、自分も生き生きと働けている実感がありました。
異業種へ転職する場合、全く異なる世界に飛び込むので、現場の働き方をリアルにイメージすることが大切です。僕にとっては異業種の大変さだけでなく、美容師の良さを再確認するよい経験だったと感じます。
成功事例「美容師から美容品メーカーへ転身。『結果的には美容師より向いていた』」
美容師歴4年目 24歳 男性
美容師歴は四年のカラーリストです。美容関連の仕事は好きですが、「接客よりも美容商品に関わる仕事がしたい」という思いが強く、思い切って美容品のメーカーへ転職しました。
すると運良く美容の知識・経験が買われ、2年目から美容のインストラクターを任せてもらえることに。いまではインストラクターを取りまとめる「教育部長」へ就任し、やりがいをもって働けています。
美容師からメーカーへの就職は簡単ではありませんが、就職が決まればスタイリストの現場経験や知識をそのまま活かせるため、即戦力として重宝されることも多いです。僕自身は「美容師」の経験を積んでから、今の職場へ就職して本当に良かったなと思っています。
美容師が転職に失敗しないために、必ず考えるべき2つのこと
最後に美容師が転職に失敗しないために、必ず考えるべき2つのことについて紹介していきます。
- 自分の理想に近づく為、その職場は適切か?
- 譲れないネガティブな条件を、転職先は補っているか?
良い転職先を見つけるのは難しいですが、上記2つの考えを持っておけば、少なくとも大きな後悔を感じるリスクは減らせるはずです。
1.自分の理想に近づく為、その職場は適切か?
1つ目の判断軸は「転職をすることで、あなたの理想に近づけるのか?」です。
例えば「美容師として将来的に独立したい」であれば、よりスキルが磨ける、独立のサポートを行っている職場が理想のはず。しかし「給料が低い」という目前の課題に目が眩み、給料を軸に転職してしまうと、結果的に「独立」という夢から遠ざかってしまうかもしれません。
まずは「あなたの理想のゴール」を決め、そこにたどり着くためには?という視点から、転職先を検討することが重要です。
2.譲れないネガティブな条件を、転職先は補っているか?
2つ目の判断軸は「転職先は、あなたの『絶対に譲れないネガティブな条件』を補っているか?」です。
例えば「給料アップ・内装が綺麗・週休2日」など好条件が揃いながら「通勤に1時間半かかる」という、1つの条件だけネガティブな職場に、無理をして転職したらどうなるでしょうか。仮にあなたが朝が苦手なタイプであれば、結局朝の通勤が苦痛で、転職を繰り返してしまうでしょう。
どれだけ好条件でも一番大事なのは「この条件じゃないと続けられない」という軸を明確にすること。そして転職先が、その譲れない条件をきちんと補っているかです。
ある程度他の条件を犠牲にしても、譲れない条件を満たすことで「意外と働きやすい」「仕事が続けられると」いったケースは少なくありません。
まとめ
今回は「美容師の転職」というテーマで、失敗事例や失敗しないための考え方などをご紹介しました。
「精神的に辛いな」「肉体的にもたないな」という感情でサロンを辞めてしまうのは、決して悪いことではありません。ただし離職・転職を決意する際には「自分は将来どうなりたいのか?」「どんな職場なら無理なく働けるか」などを言語化し、しっかりと希望にあった転職先を選ぶようにしましょう。
あなたの転職がうまくいくことを、心より応援しています。
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