美容師の9割以上が「店販が苦手」と回答。即成果を出せる売り方のコツ8選

「店販のノルマが達成できない」
「お客様に商品を押し売りするのが辛い」

 

そんな「店販に苦労した経験」のある美容師数は全体の9割以上を占めるなど(当社調査より)、多くの美容師が「店頭販売」に苦手意識を抱えています。

 

この記事では「なぜ店販に苦手意識があるのか」の理由に加え、「すぐに実践できる店販の攻略方法」について30名の現役美容師にアンケート調査を実施しました。

【この記事を読めば】
・他の美容師がなぜ「店販」が辛い・苦手なのかがわかる。
「店販」に前向きに取り組める8つのコツがわかる。

美容師の95%以上が「店販で苦戦した経験アリ」と回答

美容師の仕事自体にやりがいを感じる一方、「店販だけは得意じゃない」という方は多いです。

 

「店販」で過去に苦労された経験・辛かった経験は ありますか?

 

実際、JOBOONにて現役美容師30名にアンケート調査を実施したところ、回答者の96%以上「過去に店販で苦労した経験がある」と答えています。

 

具体的に「店販」のどういった点に苦労した、あるいは難しさを感じられたのでしょうか?「苦労した経験がある」と回答された美容師さんに聞いてみました。

 

店販で「苦労した経験がある」と回答した美容師の理由

「自分の担当でもないのに……」(男性  23歳)
アシスタント3年目の美容師です。店販のノルマがあるため商品を売るしかないのですが、自分の担当でないお客さんにゴリ押しでものを買ってもらうのが辛いです。自分のせいで失客してしまうのでは?と最近いつも悩んでいます。
「一生懸命、説明したものの」(女性  25歳)
頑張って商品の良さを提案してお客さんが納得してくれても、一度話を持って帰られてしまう。後日「前回、お話しした商品ですが……」と話しを振って、ネットで安く購入されていることが多々ある。
「お客さんからの質問に答えられない」(男性  28歳)
商品知識が浅く未熟だった頃は、お客様から質問を受けた時にきちんと答えられず、会話が続かなかったことが何度もある。当時の沈黙や微妙な空気が流れた瞬間の怖さは、今でも忘れられない。
「 士気が上がらない」(女性 24歳)
そのときは上司からただただ強要されて、ノルマがあるから無理やり商品を勧めるという感じでした。店全体で「やらされ感」があり、士気もあがらず、本当に苦痛でした。
「本業へ集中できない」(男性  22歳)
店販でお客さんに商品の話をするのが苦手すぎて、対応中もそのことばかり頭をよぎってしまう。ふつうのお客さんとの会話が上の空になったり、適当な相槌でごまかしてしまうことがあり辛かった。
「過去のトラウマが恐い」(女性  28歳)
40代くらいの女性のお客様にアシスタントで入った時、髪のボリュームについて悩んでるお客さんだったので、合いそうな商品をどんどん提案した。
そのときは納得した感じで勧めたうちのいくつかを購入して帰ってくださったが、後日電話でクレームが入り「気乗りしなかったのに無理やり売られた」というような内容を言われた。
それ以来、商品を勧めるのが恐くなり、本当にお客さんにいいと思ったものでも自信をもって提案するのが難しい。
「売らないと買取になる」(男性  22歳)
以前、所属していたサロンでは、毎月決められたノルマ分を売らないと、商品の購入を強要されていた(商品を実際に使って、良さを体験する必要があるからとのこと)。給与は当時手取り13万ほどで買取が辛かったが、お客さんに押し売りみたいになるのも嫌で板挟みだった。

まとめると
お客様に嫌がられるのが辛い
切り出し方・説明がうまくできず不安
失客につながるのが恐い
ノルマを課せられる・給与から引かれるのが辛い

 

など、主にメンタル面の理由から「店販」に苦手意識がある、あるいは辛い経験をされた美容師さんが多いことがわかりました。

 

このような苦労を乗り越え、活き活き店販に臨むためには、どのようなコツや心構えがあるのでしょうか?次章で見てきましょう。

「店販」で即実践できる売り方のコツ8選

3名のスタイリスト

 

「店販は苦手だけれど、どうしても避けては通れない

 

そんなあなたのために、現役美容師30名が実践している「店販」のコツの中からこれは効果がありそう!と感じたもの8つをピックアップしました。

 

現在、店販に苦戦されている方に是非ご覧ください。

 

1.「営業」ではなく「商品説明」と捉える

僕は「売らなきゃ」と思うと営業っぽい話し方になってしまうので、最初は「商品の良さをお客さんにわかりやすく説明するだけ」と決めて、商品の魅力を上手く伝えることだけに集中してました。
自然と商品に詳しくなるし、本当に「髪を良くしたい」と思ってる方は自分から「それってお店で買えるんですか?」とか聞いてくださるので、そこから提案に繋げるようにしてました。(男性  26歳)

「ものを売る」ではなく「良さを伝えるだけ」と割り切れば、気持ちに余裕をもって臨めそうです。とくに「お客さんに商品説明が上手くできない」「トークが不自然になる」ことに悩んでいる方におすすめの方法です。

2.自分が実際に使用し良いものだけ勧める

自分が実際に使ってみて「良かったと感じたこと」をリアルに伝えるようにしてます。短期的だと効果がわからないので、商品を絞ってしばらくは継続して使用します。(女性 32歳)

自ら商品を使ってみることで、うわべの知識でなくリアルな使用感や良かったポイントを伝えられるようになります。

 

お客さんからの質問にも適格に返答できるため、より自信をもって店販に臨めるでしょう。

 

3.実際に効果を体感してもらう

言葉だけで説明するのでなく、実際に商品をその場で手に取っていただき、香りやテクスチャを体感してもらうよう心掛けています。
(女性  29歳)

使い心地や効果を体験してもらうことで、お客さんにも商品の良さをより感じてもらいやすくなります。

 

シャンプーやヘアオイルであれば、実際に施術で使用して「今日使わせていただいた商品なんですが……」と提案に繋げる方法もあります。

 

4.不正流通が起こりづらい商品を取り扱う

Amazonやネット通販で買われない様、なるべく不正に流通しづらい、サロン専売のアイテムだけを販売するようにしている。
(男性 37歳)

主にオーナーさんや店長さんの改善ポイントとなりますが、ネットで出回りづらい商品を厳選するという方法もあります。

 

「限られたサロンでしか購入できない」ことを売りにすることで、お客さんへの購入を促しやすくなります。

 

5.「単発」より「継続」が大事なことを理解してもらう

「髪質改善には、月に1度の美容室より毎日のホームケアが一番大事」であることをまず理解してもらい、お客様の課題に合った商品を提案する。
(男性 28歳)

サロンで良いカラー剤やトリートメントを利用されるのに、自宅では市販品のシャンプーやトリートメントを使われているお客さんは多いですよね。

 

毎日使うものを改善するのが、最も効果が高い」ことをそもそも知らない方も少なくないため、まずは前提の認識をすり合わせることで、スムーズに商品の提案へと繋げることができます。

 

6.新商品のPOPや新聞発行に力を入れる

 
自ら発信するのが苦手なので、POPを作成し、きっかけを作って店販を勧めている
(女性 26歳)
毎月店内のPOPを変える、あるいはキャンペーン情報を入れた新聞を定期的に配布するなど、販売に繋がりやすくなる仕組みづくりを続けています。
(男性 31歳)

「トークは苦手」と割り切り、店内のPOPやチラシ作りを強化することで、物を売りやすくするという方法もあります。

 

お客さんが思わず目に留めて「試してみたい」と興味をそそられるような、魅力的な文章やインパクトのある装飾・写真などを工夫することが求められます。

 

7.お客さんの価値観・予算感に応じて売り分ける

「ある程度、ヘアケアにお金をかけて当然と思ってる」方、あるいは「平均予算の高めな方」には、本当に必要と感じた商品をしっかり提案するようにする。
逆に「想定予算の低い方」「髪にあまりお金をかけたくない方」に対しては、提案しても響きづらい。無理せず継続してもらうために、比較的安い物を紹介するか、あまり強く勧めすぎない。
(女性   27歳)

お客さんに応じて、提案を使い分けるという方法です。

 

美容師としても「お客さんに無理をさせない」「情報を欲している人に必要な提案をしている」と納得感があるため、罪悪感をもつことなく店販に臨みやすくなります。

 

8.商品を使った、別のお客さんの感想を伝える

説得力を増すために、実際に商品を使って効果のあった、別のお客さんのことを詳しくお話しします。できれば同年代くらいで、同じお悩みをもっている方。
「自分も同じように問題が解決されるかも」とお客さんも納得して、商品に興味を持っていただきやすくなる。
(女性 30歳)

サービスや商品の購入時に多くの人が「口コミ」をチェックするのと同じで、他の利用者の感想は、意思決定に大きな影響を与えます。

 

とくに「自分と似た境遇の人」の前向きな声があれば、お客さんも安心して購入に臨みやすくなります。

 

あまりに「店販」のノルマが厳しい場合、今の環境を疑ってみる。

店販を取り入れるサロンは一般的ですが

 

あまりに厳しいノルマが課せられる
・ノルマ未達成は給与から天引きされる
・店舗からの強要が辛すぎて本業に集中できない

 

こんなサロンは、あなたが美容師を続けていく上で精神衛生的によくないでしょう。

 

「ほかのスタッフもやっているから仕方ない」ではなく、今のサロン環境を一度疑ってみても良いかもしれません。
JOBOONでは「スタッフ定着率の高いサロン」「アシスタント給17万円以上」など、労働環境の条件からサロンの求人情報を検索できます。

 

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まとめ

シャンプートリートメント

 

今回は「店販が苦手」という美容師さん向けに、苦労している背景や「店販」を攻略するためのコツなどをご紹介しました。

 

記事内容をまとめると

 

・美容師の9割以上が、過去「店販」で苦労した経験がある。
・苦労した理由としては「提案を嫌がられるのが辛い」「うまく説明できない」「ノルマが辛い」などがある。

 

また「店販で実践できる8つのコツ」としては

1.「営業」ではなく「商品説明」と考える
2.実際に使用し、良いものだけ勧める
3.実際に効果を体感してもらう
4.不正流通が起こりづらい商品を取り扱う
5.「単発」より「継続」が大事なことを理解してもらう
6.新商品のPOPや新聞発行に力を入れる
7.お客さんの価値観・予算感に応じて売り分ける
8.商品を使った、別のお客さんの感想を伝える

といった方法をご紹介しました。参考になるものはありましたか?

 

「店販」への心理ハードルを下げることで、活き活きと業務へ臨むことができます。また店販に自信を持つことは、リピーターの獲得や店舗からの信頼をあげることにも繋がります。

 

まずは出来ることから、自分なりに無理のない(そしてお客様にもメリットのある)店販の方法を模索してみてください。

 

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