美容師の転職事情 | 他業種への転職はうまくいくのか?

 

近年、「離職率の高さ」「人手不足」が話題にのぼることが多いですが、それは美容師の業界においても例外ではありません。

 

  • ・サロン内での上下関係にストレスを感じる
  • ・給与面に不安がある
  • ・肉体的にハードな日々がツラい …etc

 

上記のような理由で、サロン就職後すぐに退職・転職をする美容師が、決して少なくはないのです。

 

 

ちなみに、美容学校を卒業して、美容師として働き出した人のうち、半数近くの美容師が1年以内に離職・8割以上の美容師が3年以内に離職すると言われています。

 

⇒ 美容師が離職に至るまでの理由について詳しく知りたい人はコチラ
※「美容師を辞める7つの理由」のコラムにリンクしています。

 

 

今回は、「美容師から他業種へ転職するのはどうだろうか?」と考える美容師に向け、美容師としての経験が活かせる業種、そして他業種へ転職してみた美容師が感じたことなどの、情報をまとめました。

美容師として働いた経験を活かすことができる他業種

  • 【1】美容師の資格を得るために、毛髪に関する勉強をしている
  • 【2】ファッションへの興味が高く、流行に敏感
  • 【3】お客様からニーズを聞き出す能力が高い
  • 【4】おもてなしが丁寧

 

美容師として勤務経験を持つ人には、大きく分けて上記4つのアドバンテージがあります。

 

カットやカラーなど、美容師ならではのテクニカルな部分を活かせる他の仕事は、正直なところほとんど無いのですが、それ以外の知識・経験は、他業種でも非常に役立ちます。

 

 

以下では、美容師としての経験が有利に働くとされる、転職先の例を挙げてみました。

 

 

【1】美容師の資格を活かせる他業種

 

  • ・増毛(育毛)サロン
  • ・ウィッグ開発販売業界

 

「髪の専門家」である美容師の国家資格所有者が、その専門知識を活かせる仕事に、増毛サロン・育毛サロン・ウィッグの業界があります。

 

 

【2】美容師のサロン勤務経験を活かせる他業種

 

美容ディーラー イメージ

 

  • ・美容ディーラー
  • ・アパレル業界
  • ・化粧品業界 …etc

 

美容師として、サロン勤務経験があるということは、やはりファッションに詳しく、流行を早く取り入れることも得意であるはずです。

 

それらの才能をおおいに活かせる仕事は、アパレル業界や化粧品業界など、数多くあります。

 

 

また、サロンの事情を実体験的に知っているという点からみて、サロンで使用する商品を開発・企画・販売する美容ディーラーとしても、活躍が期待されそうです。

 

 

【3】お客様のニーズを聞き出す力を活かせる他業種

 

  • ・ウェディングプランナー
  • ・ショップ店員 …etc

 

美容師は、お客様に丁寧なヒアリング(カウンセリング)を行い、お客さんが持っている「なりたい髪型」のイメージを再現することが仕事です。

 

このヒアリングを毎日、それもたくさんの人に行っているので、お客様のニーズをうまく聞き出す能力が、自然と秀でてくるでしょう。

 

 

そのため、お客様の「なりたい」を叶えるプランニング関係の仕事、あるいは「ほしい」を叶えるショップ店員の仕事は、元・美容師と相性がいいと考えられます。

 

 

【4】丁寧なおもてなしをする力が活かせる他業種

 

ホテル勤務イメージ

 

  • ・飲食業
  • ・ホテル業
  • ・介護福祉業 …etc

 

美容師の仕事は、他の仕事と比較しても、かなりハイレベルな接客スキルを要されます。

 

1人のお客様につく時間が長く、その間に何度も細かな気配り、おもてなしが必要です。「段差にお気を付けください」、「お手洗いは大丈夫ですか?」など、常にお声がけをしてきたことでしょう。

 

 

また、さらに接客力の高い美容師であれば、”1人1人のお客様と、どの程度まで距離を詰めてもいいのか”、常に考えているはずです。

 

そうして培われた1人1人のお客様との距離の取り方や、ささいな仕草からちょっとした要望を見抜く力は、ホテル業や介護福祉業などの、丁寧なおもてなしや気配りが要される現場で、十分に活かせるはずです。

 

美容師から転職し、他業種で働きはじめて良かったこと

 

  • ・連休を取りやすくなった
  • ・自分の時間が増えた
  • ・腰痛や手荒れが治った
  • ・給料が上がった …etc

 

美容師から他業種への転職で、よく目立っていたポジティブな意見は、“時間に余裕が生まれる”ことに関するものです。

 

あとは、給与と時間の両方に余裕が生まれて新しいことにチャレンジできるといった、ライフ・ワーク・バランスの向上度にも喜びを感じている人が多い印象でした。

 

美容師から転職し、他業種で働きはじめて大変だったこと

 

  • ・パソコンスキルがなく、覚えるまでが大変だった
  • ・毎日が少し退屈に感じた
  • ・好きなファッションを楽しめない …etc

 

先述した、「美容師から他業種に転職して良かったこと」に比べ、大変だったことについては、意見が多様化している傾向が見られました。

 

とにもかくにも、他業種に転職したところで万事がうまくいくということは、そう無いようです。

 

 

「美容師の仕事がキツいから…」という理由で、他の業種に転職した人の中には、新しい仕事でもそれなりに大変なことはあることに気付き、「今よりも楽をしたいという気持ちで、転職をするのは間違いだったかも…」と振り返る人も、いらっしゃるようでした。

 

環境が理由の転職なら「サロン替え」を視野に入れる

 

サロンイメージ

 

先に述べたように、「今よりも楽をしたいという気持ちで転職したけど、新しい職場は新しい職場で大変なことはたくさんあった」と、かつての転職活動を振り返る人がいるということは、やりたいことが決まっているわけではないのに、「とにかく今の環境から離れたい」という一心で他業種への転職をしても、失敗するかもしれないことを示しています。

 

(上記は美容業界に限らず、同じことが言えると思います。)

 

 

「今のサロンの環境がとてもツラい、早く辞めたい…」と悩んでいると、そのことで頭がいっぱいで、考え方の幅が狭くなりがちです。

 

もしも、‟今のサロンの環境が苦痛である”なら、美容師の仕事そのものを辞めるのではなく、働くサロンを変えることを考えてみてもいいかもしれません。

 

 

例えば、美容業界と同じく離職率が高い介護業界で、「介護士の仕事を辞めようと思ったけど、試しに1度働く施設を変えてみたら、その環境が自分にすごく合っていた。結局介護士の仕事は辞めずに長く続けることができている」という話を聞くことがあります。

 

上記と同じように、美容師の仕事も、‟サロンを変えたら苦痛に感じることが減り、辞める気持ちがひとまず無くなる”可能性があります。

 

 

「もう美容師を辞めるしかない…」と考える前に、少しだけ立ち止まってみてください。新たな選択肢が、見えてくるかもしれません。

 

 

【POINT】サロン替えをする時の注意点

 

自分がこれまでよりも活き活きと、楽しく働くためのサロンを見つけるためには、「これまでの環境で何が問題であったのか」、そして「それを解決するためにはどういう労働環境に身を置く必要があるのか」を、明確化しておかなくてはいけません。

 

いわゆる“転職のミスマッチ”は、雇う側にとっても雇われる側にとっても、まったく良いことがありません。自分の希望にできるだけ符合するサロンを、時間をかけて選びましょう。

 

これは、全業種の転職活動に共通していることです。

 

美容師の経験は多くの他業種で活かせる!しかし万事が解決するわけではない

 

転職ポジティブイメージ

 

  • ・美容師の経験は多くの仕事で強みになる
  • ・特に高い接客力やニーズを聞き出す能力は重宝される
  • ・しかしサロンワーク時代とのギャップに戸惑う人もいる
  • ・サロンワーク時代には想像しきれなかった新たな悩みができることもある
  • ・他業種への転職をするにサロン替えをすることも1つの手段

 

以上、美容師から他業種への転職について、いろいろとお伝えしてきました。

 

 

「美容師としての経歴は、転職に圧倒的不利なのでは…?」と思う人がいたら、決してそうではないのだとお伝えしたいです。

 

しかし、そんなことは言われずとも分かっているかもしれませんが、「転職すれば、悩む必要がなくなる」というわけではありません

 

 

確かに美容師の仕事はハードかもしれませんが、どんな仕事にも大変なこと、または悩みとして出てくることが、必ずあるはずなのです。

 

新たな悩みが出てくるたびに転職を繰り返していれば、次に採用される確率がどんどん下がっていきます。

 

(※理由はもちろん、採用担当者に「すぐに辞めるかも?」と思われるからで、美容業界出身であるかどうかに限った話ではありません。)

 

 

そのため、逃げるように転職をするのではなく、自分の中で「新しい環境で何をしたいのか?」を明確にしたうえで、転職する業種を決めることが大事です。

 

もしも、「美容師以外にやりたい仕事があるわけではないけど、今の環境がツラい」というのが、転職の第一理由であるなら、美容師の仕事そのものを辞めることを決めるのは尚早かもしれません。

 

「自分の理想に近い働き方ができるサロンは、他にないだろうか?」と調べ出すことからはじめてみましょう。

 

 

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