美容師45人に聞いたサロンから独立して良かったコトと大変なコト
美容師として叶えたい夢の1つに、“今のサロンから独立して、自分のサロンを開く”ということが挙げられると思います。
独立のタイミングや資金など、具体的に考えなくてはいけないことも多いですが、「実際に独立してみてどうだったのか?」というリアルな経験談を聞きたい方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、独立経験がある美容師45名にインタビューを行い、サロンから独立してみて良かったことや、逆に大変だったことについて、集まった意見をまとめてみました。
オーナーのほとんどが「独立して良かった」と感じている
先述しましたが、今回インタビューを行ったのは計45名のサロンオーナーです。
そのうち全員が、「独立して良かったか?」との質問に「はい」と回答しています。
そして、その理由として最も多く挙げられたのは、「自分好みの空間を作ることができたから」という理由でした。
サロンのいちスタイリストとして働いている場合、自分なりに美容師としての目標を持ちながら働くとしても、サロンの”色”まで変えることはできません。
独立しないで美容師として活躍する場合、自分の意見を押し通すのではなく、サロンに協調し貢献することが大切です。
そのため、自分流でターゲットを絞り込んだり、サロン内装に自分だけのこだわりや流行を取り入れたりすることは難しいです。
しかし、独立して自分のサロンを開くことができれば、自分のこだわりを自由に反映させることが可能になります。
“自分が働きたいと思うサロンで、自分が思い描いていた美容師になる”という夢をかなえられることが、独立してよかったと感じる1番の理由なのだと思われます。
自分のサロンを開いたおかげで経験できた、嬉しかったこと
- ・収入が増えた
- ・自分のこだわりのメニュー展開ができた
- ・自分のペースで仕事できるようになった
- ・1人1人のお客様と深く関われるようになった
- ・制限なく好きな講習を受けられるようになった
- ・制限なく好きな商品を使えるようになった
- ・お客様から温かい言葉をもらってサロンと自分が必要とされていることを感じた
- ・前のサロンからお客様がついてきてくれた
- ・親が自分を認めてくれるようになった
- ・美容師の仕事にやりがいを持てるようになった
- ・自分の世界観を表現できた
- ・気持ちが楽になった …etc
「独立してサロンを開いて良かった」と考える美容師に、具体的にどんな出来事が嬉しかったのか、さらに聞いてみたところ、実に様々な意見が集まりました。
自分のやりたいようにやって、お客様にも満足してもらえる喜びは、何事にも代えがたいもののようでした。
また、自分で開いたサロンだからこそ、新規のお客様がリピーターになってくれた時の達成感が強く、「大変だけど、これからも頑張っていこう!」というモチベーションに十分つながっていることが分かりました。
サロンから独立して大変だったこと
- ・3人のオーナーで独立したため意見を統一するのが大変
- ・人手が足りず風邪でも休めなかった
- ・集客
- ・スタッフの求人
- ・スタッフの育成
- ・経営管理 …etc
もちろん、サロンから独立して自分だけのサロンを開業することは、楽しいこと・嬉しいことばかりではありません。
いざ自分のサロンを開業したら、いちスタイリストとしての勤務時代ではなかったような、苦労と向き合わなくてはいけないのです。
開業から最初の3年目くらいまでは、「こんなにやることが多いとは思わなかった…!」とあくせくされるオーナーさんも珍しくなく、自由と引きかえに伴う責任も重たく感じられます。
人手が少なく経営に慣れていない間は労働時間が伸びがちで、さらにオーナーならではのストレスも抱えるため、「無理をして体調を崩してしまったことがある」と回答した人もいました。
独立すると大変なこととして、特に多く挙げられたのは、スタッフの求人と経営管理についてでした。スタッフの給与・待遇について、頭を悩ませることが多いようです。
求人広告を出してもスタッフが集まらなくて大変
個人で開業しているサロンは、そうでないサロンと比べて、新規スタッフが集まりにくい傾向があります。
雇用条件や将来性を踏まえたうえで、大手サロンと比較された場合、いくら雰囲気がいいサロンであったとしても、負けてしまうことが多いと言います。
求人広告を出しているけど求人がこない、だから人手不足になってしまう、そしてハードワークになってしまうという一連の悩みは、なかなか辛いとのことでした。
顧客管理や経営管理など事務作業が大変
「人から絶対独立してもやっていけると言われ、自分でもそれなりに自信を持っていたのに、いざ独立してみたら想定以上に大変だったのは、”顧客管理”や”経営管理”の全部」との意見が挙がりました。
いちスタイリストとして勤務していたころは、自分の仕事の範疇になかったことを、独立したらまるごと担わなくてはいけなくなるので、慣れるまでは本当に大変だそうです。
独立して自分でサロンを開業するからには、自分が全責任を持って資金繰りを行い、サロンを維持していかなくてはいけません。
慎重に行動する美容師さんは、財務処理の勉強を開業前にみっちり仕上げておいたり、他のサロンオーナーとのネットワークを持って情報を収集したりと、やるべきことをとことんやってから、開業に踏み切るようです。
独立する前に違うサロンに転職してみる美容師も多い
独立とサロン開業について美容師にインタビューを取り行うなか、意外にも多かった意見が、「サロンから独立する前に、別のサロンに転職した経験がある」というものでした。
この結果は、今の環境を変えたい、美容師として充実した毎日を送りたいと思った時、サロンからの独立が唯一の選択肢ではないということを示しています。
むしろ、さらなるスキルアップを目指したり、今までの自分とは違う仕事の仕方を知るためには、すぐに独立を考えるのではなく1度違うサロンへ身を置いてみることが、遠回りなようでいて良い道すじであるのではないでしょうか。
その証として、「違うサロンに転職して身を置くことで、前のサロンのいい所と悪い所を自分なりに分析でき、独立してどんな美容室を作るべきかを考えるいいキッカケになった」との意見が出ています。
また、しっかりと資金を貯めてから、独立してサロンを開業したい”慎重派”の人も、給与のいいサロンへ転職して数年勤務することがあります。
まとめ
以上、独立して自分のサロンを開いている美容師45名から集めた、独立して良かったことと大変だったことの意見をまとめました。
独立を後悔している美容師はほとんどいませんでしたが、「自由に個性を発揮できることと引きかえに、背負う責任が大きく、その分やるべきことも多いので、いわゆる”見切り発車”で独立してしまうと苦労をする」という結論にまとまりました。
この記事を読んでくださった方が、近い将来本当にサロンを独立するのかは分かりませんし、必ずしも「独立するべき!」とすすめることはしません。
自分が納得いくまで考えたうえで、独立してサロンの開業をすることを決めたのなら、これまでにはなかった自由の代わりに大きな責任もあることも覚悟して、頑張りましょう。
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