美容師は人見知りを克服しなくていい?指名の獲得方法や失敗談を57名に調査

 

世間には「人としゃべるのが得意」と認知されがちな美容師という職業。実際には「私、人見知りなんです」という方も多くいらっしゃいます。


美容師のお役立ちサイト「JOBOON」では、合計57名の現役美容師さんに協力いただき「人見知り」に関する調査を実施。「美容師の活躍と人見知りは関係あるのか?」「人見知りでも指名を獲得する方法」など、役立つ情報をご紹介します!

 

【こんな方に読んでほしい】

  • ・人見知りに悩んでいる現役美容師さん
  • ・人見知りだけど美容師を目指している方
  • ・人見知りな後輩指導に悩むスタイリストさん

 

「自分は人見知り」だと思う美容師は、全体の約60%!

Q.  自分は「人見知り」だと思いますか?

 

自分は「人見知り」だと思いますか?

 

(JOBOON調べ)

 

 

そう思う 26.3%
どちらかといえば、そう思う 33.3%
どちらかといえば、そう思わない 28%
思わない 12.2%

 

 

57名の美容師さんに「自分は人見知りだと思いますか?」というアンケートを実施したところ、「そう思う」「どちらかといえば思う」という回答が全体の59.6%(34名)との結果になりました。

 

「おしゃべり上手」というイメージのある美容師ですが、実は約6割の方が「自身には人見知りの要素がある」と捉えていることがわかります。

 

 

 

美容師が人見知りで仕事中におかした失敗エピソード


Q.「人見知り」が原因で仕事中に困った経験はありますか?

 

「人見知り」が原因で仕事中に困った?

 

(JOBOON調べ)

 

 

ある 88.3%
ない 11.7%

 

 

「自分は人見知りだと思う」と回答した34名のうち、約88%の方が「人見知りで困った経験がある」と回答しています。実際にどのようなエピソードがあったのでしょうか?

 

 

■お客さんとの会話が続かない 

 

「とくに初対面のお客さんとの会話が続きません。なんの話題を振ったら良いかわからないし、沈黙ができるとひたすら焦ってしまいます。特にシャンプー時の無言の時間は地獄です。隣の美容師がお客さんと盛り上がっていると、余計にいたたまれません。」

 

「お客さんとの会話。話題を掘り下げて続けることが本当に苦手。『こいつ美容師なのに会話が下手くそだな』と思われているのではないかと、勝手に不安になる。」

 

 

■お客さんへの説明がうまくできない

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「初めて来店された方に、自己紹介やメニューの内容を説明するのがすごく苦手。『この2つのトリートメントで、どんな効果の違いがあるんですか?』と聞かれても、お客さんに見せているメニュー表を、ただ読み上げるだけになってしまい説得力がない。」

 

「語彙力が無さ過ぎて、お客さんに施術内容をうまく説明できません。本来『お客さんの髪質は〇〇なので、こういった施術にしますね』『パーマはこういったリスクが考えられるので、〇〇のトリートメントを使いますね』などの説明が必要な場合も、ボンヤリした説明で終わってしまいます。コミュニケーションも下手なので、お客さんもあまり理解できていないまま、施術を進めてしまっていると思います。」

 

■社内でのコミュニケーションが上手く行かない

 

「目上の人と話すのが苦手なので、上司とのコミュニケーションに苦労しました。無茶振りで『何か話してよ』と振られると、いつも頭が真っ白になってしまい辛かったです。」

 

「人見知りなので自分から話しかけられず、職場の先輩との距離感がなかなか縮まらなかった。入社当時は同期が仲良く話しているのを見て、嫉妬や焦りの気持ちがあった。」

 

 

■社内や学校でしかられた

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「引っ込み思案でお客様と会話ができず、朝礼時の『今日の目標』として『お客様やスタッフと積極的に会話をしなさい』と言い渡されました。恥ずかしかったし、その時は本当に職場を辞めてしまいたいと思いました。」

 

「現場実習でお客様と全く喋れず、後ろから先生に『しゃべってこい!』とよく突(つつ)かれていた。そう言われると、なおさら意識して喋れなくなってしまった。」

 

 

■クレームに繋がった!

 

「もともと笑顔や愛想良く振る舞うのが得意ではなく、過去に一度『担当したアシスタントが不愛想すぎて不快だった』とクレームをもらった経験がある。あまりにショックで、それ以降は気をつけている。」

 

 

 

美容師は人見知りでも活躍できる?現役スタイリストに調査

 

Q. 美容師さんは「人見知り」だと活躍に苦労すると思いますか?

 

Q. 美容師は「人見知り」だと、活躍に苦労する?

 

(JOBOON調べ)

 

 

そう思う 14.2%
どちらかといえば、そう思う 23.2%
どちらかといえば、そう思わない 39.2%
そう思わない 23.2%

 


先ほど「自分は人見知りだと思う」と回答した34名に「人見知りだと美容師として活躍するのに苦労するか?」と質問したところ、全体の62.4%「そう思わない」「どちらかといえば、そう思わない」と回答しました。

 

人見知りと自覚のある美容師のうち、6割以上が「美容師としての活躍に『人見知り』はあまり関係がない」と、捉えていることがわかります。

 

 

 

「人見知りは関係ない」と回答した理由(62.4%)

 

■ そのうち慣れる / 案外なんとかなる

 

・そのうち慣れていくし、お客様の笑顔が見られることで「人見知り」も気にならなくなっていきます。
・慣れと教育で改善出来るから。
・人より時間はかかるかもしれないが、接客を繰り返すうち慣れてくるので問題ない。
・案外、自身のまわりの美容師には人見知りが多い。特に問題もなく業務の遂行ができているので大丈夫。
・当時は自分も大変だったけど、今は乗り越えてこれているから。

 

 

■ 努力で克服できる

 

本人の努力次第
・努力をすれば克服できたから。
・努力と意識で何とかできる。自分がそうだったから。
・人見知りは自信がないだけ。努力と経験を積めば何の問題もない。

 

 

■「仕事モード」として割り切れる

 

・仕事とプライベートのメリハリがつく。仕事にプロ意識が生まれるので逆に良いと思う。
・仕事だと割り切り、お客様を大切に思って接していれば大丈夫。「喋りのうまさ」云々ではなく、誠意は伝わると思うから。
・美容師としての仕事が好みであれば、人見知りでも割り切れるから。

 

 

■会話以外の分野で、勝負できる

・結局は「技術」だから。

・それが全てではなく、何よりもお客様をキレイにすることが大事だから。

・技術に自信があれば必要ではないと思います。
・技術があって、マニュアル通りにでも提案ができれば何とかなります。

他で挽回出来るところがたくさんあるので。


 

■むしろ「人見知り」の方が、相手の気持ちが理解できる

 

・人見知りの人の方が、より相手の気持ちを考えて行動するようになると思うから。

・人見知りだと、自然に「言葉を選んで会話する能力」が身に着くと思うので前向きに捉えて欲しい。

 

 

 

→ 「人見知りは美容師としての活躍に関係ない」という回答の半数以上が「慣れればどうにかなるから」「努力次第で克服できるから」という意見でした。他の職業より密に接するお客様の数も多い美容師。「業務の中で自然と慣れていく」あるいは「努力せざるを得ない状況になる」という方が多いようです。

また「むしろ仕事とプライベートを区別できて良い」「よりお客様の気持ちが理解できる」など、人見知りであることを肯定的に捉える意見も多数見られました。

 

 

 

「人見知りは関係ある」と回答した理由(37.6%)

 

 

■お客様へのカウンセリングや説明に支障がでる

 

・今は美容師にもカウンセリングやお客様への悩み事のヒアリングが必要とされてきている。だからこそ「コミュニケーション」はすごく求められる能力だと思います。

・コミュニケーションが特に大事。カウンセリングをするのにも話さないといけないから。

・コミュニケーションが取れないと、お客様のお悩みを聞けないから。

・施術やメニューの説明時、伝えたい事が伝えられないから。

 

■お客さんと盛り上がれない

 

・人見知りの美容師より話し上手な美容師の方が、お客様の緊張がほぐれて良いと思う。
・特に新規のお客様の場合、会話が成り立たない!

・会話が盛り上がらず、お客様にも気まずい思いをさせてしまうから。

■相手の気持がわかるので、会話に困る / ストレスになる

 

・「人見知り」は他人の気持ちがわかるからこそ、会話内容や言葉選びで悩んでしまうから。
・美容師側が必要以上に気を使ってしまうから。精神の消耗が激しい。

・お客様に人見知りだとバレないか気にしてしまい、ストレスになる。

 

 

 

→ 「人見知りは美容師の業務に(マイナスの)影響がある」という回答としては、お客さんへのカウンセリングやヒアリング、提案や営業などの「必要な業務に支障をきたす」という理由が最多でした。

 

また「余計なストレスが増える」「精神的なダメージがある」など、自分自身への負荷が大きいことも理由にあがりました。

 

 

 

美容師が人見知りでも「指名獲得」するための具体的な方法

カラーリング

 

「人見知り」の自覚があると、本来は高い施術能力や気遣い力を持っていながらも、努力が指名に繋がらないという美容室さんも多いかもしれません。そんな皆さんのために「人見知りでも指名を獲得する方法」について、現役スタイリストにお聞きしました。

 

 

1.お客様の話をしっかり「聞く」

 


★ お客様の会話をさえぎらず、最後まで聞く。
★ お客様が話されているときは、相槌や最後まで聞くことを意識してます。
★ 一方的に喋りすぎない、お客様をの意見を否定しない事を徹底する。

 

 

人見知り美容師が「指名獲得」のために意識している事の1つ目は「お客様のお話を遮らず、最後までしっかり聞くこと」です。美容師が自分の話をよく聞いて共感してくれれば、お客様も自然と気持ちよくなってしまうでしょう。

 

またお客様に積極的に喋ってもらえば、自身が話し下手であっても場を盛り上げられるというメリットもあります。ただ「へぇ」という受け答えをするのではなく「それは面白いですね!」「知らなかったなあ」など、様々な相槌を取り入れながら「聞き上手」を目指しましょう。


 

 

2.お客様の情報を「覚える」

 

★ 顔と名前はもちろん、前の髪型やカラーを覚えるようにすること。

★ 顧客を下の名前に「さん付け」で呼ぶようにしている。前回の会話内容をカルテに記入し情報を把握している。

 


2つ目の方法は「お客様に関する情報を記憶すること」です。美容師が自分との会話内容や好みを把握していれば、お客様は「うれしい」「この美容師さんは信頼できる」とプラスの感情を抱きます。

 

反対に以前の会話内容を繰り返したり、同じ説明を何度もさせてしまうと「私に興味ないんだな」「いい加減な人だな」とガッカリさせてしまうので要注意。接客後はお客様との会話内容や好みをメモし、次回の来店時に見直すなどの工夫をすると良いでしょう。

 

 

 

3.「言葉遣い」や「態度」に気をつける

 

★ 姿勢を正し、言葉遣いに気をつけた接客を心がける。
★ お店では方言が出ないよう意識。人によっては不快に思われるので。
★ 親しいスタッフ同士でも敬語で話す。お客様から見れば美容師は同じだから。

 

 

3つ目の方法は「言葉遣いや態度、姿勢に気をつける」ことです。特に初めて来店されるお客様の場合、自然と以前のスタイリストと比較されてしまうため注意が必要です。

 

またいくら親しい間柄でも「お客様」である以上、節度のある対応を心がけましょう。接客時の姿勢は伸びているか、言葉遣いが乱暴でないか、接客態度はスマートで気遣いがあるかなど、案外お客様はよく観察しているものです。

 

 

 

4.どうすれお客様が「居心地よいか」を考える

 

★ 心地よく思ってもらえる接客をする。要望に応えるのはもちろん、待ち時間や店内にいる間の心の動きを出来るだけ汲み取り、接客に活かしている。
★ その人が話したい気分なのか、静かにしたい気分なのかを見極める。

★ 相手の気持ちを読み取りながら接客、会話をするようにしている。

 


4つ目の方法は「お客様にとって最適な過ごし方を考慮する」ことです。訪れる方がすべて「おしゃべりを楽しみたい」とは限りません。静かに雑誌を読んで過ごしたい方、自宅ケアについてアドバイスを聞きたい方、疲れているので睡眠をとりたい方など、要望はお客様によって様々です。

 

初めて来店される方の場合、最初から希望を汲み取るのは難しいでしょう。また指名獲得のため「自分をアピールしたい」思いもあるかもしれません。しかし希望通りの施術が受けられ、かつ居心地よく過ごせたなら、お客様は自然とあなたを指名するでしょう。

 

 

お客様の性格や気分に合わせて、最も「心地よい」過ごし方はなにか、追求することを意識してみてください。

 

 

 

5.あえてお客様との「距離」を縮めすぎない

 

★ 必要以上に馴れ馴れしく接しない。
★ プライベートな質問は、こちらからしないように意識している。
★ 中の良いお客様でも、適度な距離感を保つ。

 

5つ目の方法は「適切な距離感を保つ」ことです。接客業だからと、むやみにお客様との距離を縮めればいい訳ではありません。中にはプライベートに干渉されたくない方も大勢いるでしょう。

 

美容師はお客様の髪を美しく施術する、美容のプロです。いま自身のコミュニケーション能力に悩んでいるなら、まずは「技術」や「的確なアドバイス」「専門性」といった観点から、慕われる美容師を目指してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

まとめ 

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今回は「美容師 ✕ 人見知り」というテーマで、現役美容師の皆さんに様々なアンケートを行いました。いかがでしたか?

「人見知り」を抱える美容師さん多くは経験を重ねる中で、自然とコンプレックスを解消していることがわかりました。あるいは自分なりに努力や工夫をして「人見知り」ながらも活躍しているスタイリストさんも、大勢いらっしゃいます。

 

もし現在「人見知り」に悩んでいたとしても、諦めずに仕事を継続することで、いつか美容師としてお客様に笑顔を届けることができるかもしれません。今回の先輩方の声やアドバイスが、少しでも参考になれば幸いです。

 


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