美容室における顧客滞在時間の理想と現実|回転率UPにつながるサロンスタッフの時短術
サロンの売り上げを伸ばしたい、お客様を増やしたいと思った時に回転率を気にされる方は少なくないでしょう。
回転率を上げより多くのお客様に施術するためには、1人あたりの滞在時間を減らす必要がありますよね。
とはいえ、今の状態からどんな風に改善していけばよいでしょうか。
この記事では美容室の滞在時間についての認識や、実際にサロンスタッフが取り組んでいる時短術などを紹介します。
サロンの回転率アップやお客様の滞在時間に疑問を持たれている方はぜひご覧ください。
美容室における顧客1人あたりの滞在時間〜理想と現実のギャップ〜
まずは、美容室の滞在時間についてどう考えられているのか、お客様目線、サロンや美容師さん目線それぞれの理想と、現実にかかっている時間について紹介します。
お客様にとっての理想の滞在時間
一般的に女性のお客様が美容室に行くとなると、多くの方が「60分〜90分くらいで終わって欲しいな」という理想を持たれているようです。
参考:理美容ニュース(外部サイト)
もちろん、メニューや髪の長さによって時間が変わったり、混雑具合で長くなったりすることはご存知と思われますし、中には「美容室でゆっくり過ごす時間が好き」という方もいらっしゃるかと思います。
ただ、やはり1日のうちそんなに長い時間美容室に滞在したいという人は少ないみたいですね。
サロン目線での理想の滞在時間
サロン目線では、理想的な滞在時間は90〜120分(JOBOON調査)とのことで、お客様の理想よりは長めに考えられているようでした。
メニューごとに見てみると次の通りです。
- 【カット】約50分
- 【カット+カラー】約100分
- 【カット+カラー+トリートメント】約120分
現実の滞在時間はお客様の理想より長くなっていることが多い
現実の滞在時間はお客様の理想より長く、平均100分ほどかかってしまっているようです。
サロンの理想からすると妥当な時間かもしれませんが、ご自身のサロンではいかがでしょうか?
「なんとなく長すぎるかな」と思っていた方も、「時短していきたいけど何から始めていいか…」と思っていた方も、ぜひこれを機に、どれくらいの時間がかかっているのか調べてみてくださいね。
お客様にとってもサロンにとっても滞在時間の短縮はメリット大
さてここで本題の時短について説明していきます。
滞在時間は、少ないほうがお客様にとってもサロンにとってもメリットが大きいです。
その理由はというと…
お客様は長時間拘束されたくない
先述の通り、お客様は長時間拘束を良く思わない傾向にあり、できるだけ早く施術が終わって欲しいと思っています。
もちろん、手早くても「手を抜いているな」「急かされている」と思われるような対応はNGですが、待ち時間が長くなったり、施術がモタついたりしているとストレスになる可能性があります。
サロンにとっての時短のメリット
また、サロンにとっても時短は大きなメリットとなり得ます。
例えば…
- ・回転率が上がって売り上げに直結する
- ・SNSやブログ更新の時間に充てられる
- ・最後まで焦らずいい仕事ができる
ここまで読んで、すでに「時短しないという選択肢はない!」という気持ちの方も多いと思います。
次の章から具体的な方法を紹介していきます。
施術の時間が予定より延長してしまう主な理由と防止策
時短の具体的な方策として、まずは「予定外に時間が延長してしまう原因」を潰していきましょう。
サロンスタッフに調査したところ、主に次のような理由で予定外の延長が起きているようです。
- 【1】カウンセリングに時間がかかる
- 【2】施術トラブル
- 【3】会話が盛り上がって長引く
それぞれの原因と、防止策について紹介していきます。
【1】カウンセリングに時間がかかる
【防止策】できるだけ事前にメニュー確認・オンラインでカウンセリング
当日にメニューに迷ったり、カウンセリングで時間がかかったりして時間が延びてしまう…
「来るお客様や希望メニューによって変わるから仕方ない」と思われているかもしれませんが、事前にできることは少なくありません。
例えば、電話予約の際に「メニューはどうされますか?」と確認するほか、オンラインでの予約の場合は事前カウンセリング機能があるサービスもあるので利用してみてはいかがでしょうか。
とはいえ、「メニューまだ決めてないです・相談したいです」というお客様もいらっしゃいますし、新規のお客様の場合は直接髪質を見てカウンセリングが必要なケースもあります。
その場合は長め、30分〜40分ほど時間がかかると見積もり、時間がかかる旨を伝えておきましょう。
悩まれることが多いお客様はカルテで管理しておくのも一つの手です。
【2】トラブル
【防止策】カウンセリングでイメージのすり合わせをしっかり行う
カットやカラー、パーマの仕上がりがイメージと違う・オーダーと違うなどのトラブルが起こることも…。
スタッフも「お客さんが言った通りにしたのにな」というケースも少なくないかと思います。
ただ、この場合も【1】でカウンセリングをしっかり行い、長さやカラー、ウェーブの出方などのイメージを雑誌などを見ながらすり合わせておきましょう。
完璧なイメージ通りにならないことを理解していただくことも大切です。
この場合は、カウンセリングが長引いたとしても、後々施術トラブルが起きるよりも手間が少なくなると考えられますので、わかりづらいオーダーはきちんと確認しておくことがおすすめです。
こちらも、お客様ごとに好みや悩まれるポイントをカルテで管理しておくといいですね。
【3】会話が盛り上がって長引く
【防止策】時計などで時間を意識・スタッフ同士の声かけ
お話が盛り上がって施術以上に時間が長引いてしまうというケースも。
サロンの雰囲気を気に入って来てくださるお客様の中には、スタッフと趣味がバッチリ合うという方もいらっしゃいます。
そう言った場合、意気投合して話が盛り上がり、つい時間を忘れてしまう…ということも。
プロとしてはどうかなというところですが、サロンの規則や混雑具合、次の予約の時間などを意識して施術を行うのが良いかと思います。
また、お客様の都合もありますので「この後、予定はありますか」など気にすることも重要です。
なかなか自分で切り上げにくいという場合は、あらかじめ時間になったら他のスタッフに声をかけてもらうように伝えておくのも一つの手です。
美容室の滞在時間を短縮するための時短ポイント
予定外の延長を防ぐ方法以外にも、施術中の時短ポイントをサロンスタッフからいくつか聞き出しましたので紹介します。
- 【1】施術時間の短縮
- 【2】人数の配分を最適化する
- 【3】ドライカットをする
【1】施術時間の短縮
まずは技術の向上や時間意識による施術時間の短縮です。
「いや当たり前だろう!できるならやってる!」と思われるかもしれません。
しかし、次のような時短を意識した取り組みを中心に行うと自然と手が早くなっていくのではないでしょうか。
- ・見えるところに時計を置く
- ・時短のためのスタッフ研修
- ・何に時間がかかっているか見直してみる
また、美容師さんの中には「時間がかかっても満足のいく施術がしたい」という方もいらっしゃるかと思います。
サロンの方針やお客様の希望にもよりますが、「自己満足になっていないか」「時短できる工程がないか」見直してみることも重要です。
【2】人数の配分を最適化する
お客様1人あたりに付くスタッフの数の工夫も一つの手です。
サロンによって「全工程1人でやる方が早い」「工程によっては複数人でやる方が早い」など方針が分かれるようですが、一度見直して見てはいかがでしょうか?
例えば「混雑していないときは複数人でやる」「カラーやブローだけは複数人でやる」などのルールを作るのもいいですね。
【3】ドライカットをする
時短のため、カットカラーのときに、先にドライカットしてしまうというサロンも少なくないようです。
カット前のシャンプーとカラー後のシャンプーの2度手間になるところを、髪が乾いた状態でカットしてしまうことで短縮することができます。
滞在時間が長くなってもお客様に快適に過ごしてもらう方法
ここまで紹介しましたが、どうしても時間がかかってしまうこともあると思います。
そう言った場合、お客様の退屈やストレスを軽減するために次のような取り組みをしているサロンが多いです。
- ・読み終わった雑誌は他のものに取り替える
- ・飲み物を出す
- ・キャンディなどのお菓子を出す
筆者は以前とある美容室でカラーの待ち時間に「自由に使っていいですよ〜」と、数10種類のネイルポリッシュを差し出されたことがあり驚きました。
ただ、こういった工夫にもコストがかかりますので、やはり時短は重要という認識を持って常々行動されることがおすすめです。
サロンスタッフ全員で時短意識を持つことが重要
美容室の滞在時間短縮について紹介しましたがいかがでしたか?
今回紹介した内容は、複数人で回しているサロンのうちの1人だけが実践してもなかなかうまくいきません。
サロンスタッフ全員が時短意識を持って、改善に取り組むことが重要です。
まずは、今かかっている時間を見直して、時短のメリットを皆で共有するところから始めてみてはいかがでしょうか。