手荒れに悩んだ3人の美容師がしていた手荒れ対策と予防
今現在、スタイリストを目指してアシスタントをしている方の多くは、手荒れで悩んでおられるのではないでしょうか?
どんなクリームを塗っても手荒れが改善されず、スタイリストになる前に手荒れにより辞めざるおえなくなった方もおられます。
今ほんとうに、手荒れで悩んでいる方が、少しでも楽になるのであればと思って、実際にアシスタント事態に手荒れに悩んでいた3名のスタイリストの実体験をいただいたので、あなたの手荒れを良くするための参考にしていただければと思います。
美容師の手荒れの原因と症状
シャンプー前にはプロテクトクリームを塗り、乾燥する前にハンドクリームをしっかりと塗るケアが手荒れ対策には大切ですが、どれだけケアをしても悪くなる一方の方もおられます。
最悪の場合、蕁麻疹のようになり、ドクターストップにかかって美容師を続けられない方もいるようです。
手荒れの原因はシャンプーやカラー剤だけではなく、様々な理由が折り重なってなっているため、原因を特定するのは難しいですが、美容師の代表的な手荒れの原因は下記の5つと言われています。
◆ シャンプーやカラー剤の薬品
◆ 水を多く使うことによる乾燥
◆ 食生活
◆ 睡眠不足
◆ 寝ている間に爪でかいている
もちろん、他にもたくさんの原因があると言われています。
手荒れをしないと言われているシャンプーでも荒れている方もいるため、確実にこれが原因です!と、言えるようなものではありませんが、まずはこの5つを見直してみることにより、手荒れが改善する可能性はあります。
手荒れの5段階の症状ステージ
手荒れは一気にガサガサになって割れるわけではなく、徐々に悪くなってくることは既にご存知かとお思いますが、その状態を簡単に整理してみました。
<状態1>
指先にわずかなカサツキを感じ始めて違和感を感じる。
(手荒れと思わず放置することが多い。)
<状態2>
かさつきが手全体に広がりだす。
(指紋が薄くなったり、ひび割れが発生する。)
<状態3>
手の皮膚が硬くなってごわついてくる。また、ひび割れが悪化して少し出血する。
(この状態になったら病院に行った方が良い。)
<状態4>
乾燥が進んで赤く腫れあがる、かゆみがでてひび割れから出血する箇所が多くなる。
(水疱が目立ち始めるので、すぐにでも病院に行く必要がある。)
<状態5>
手が荒れて痛みを激しく感じる、大きく水膨れし、生活に支障をきたす可能性が有ります。
さすがに、状態4以降は、アシスタントしての仕事をするどころじゃないと思います。
もし今こんな状態になっている方がお読みであれば、すぐに病院へ行かれることをお勧めいたします。 また、手荒れがひどくなると、肘や全身にまで行く場合もあるので注意が必要です。
具体的な手荒れの予防方法
美容師ならではの予防方法もあれば、一般的な予防方法を5つお伝えいたします。
① シャンプー前にプロテクトクリーム、薄手のグローブを付ける
② 食生活に気を配る
(偏食が多い業界なので、コンビニ弁当の食べ過ぎには注意が必要)
③ 睡眠をしっかりと取り、疲れをできる限り残さないようにする
④ ケアをおこたらない
(ハンドクリームをしっかりと付ける)
⑤ 爪を短くしておく
(寝ている間に掻いてしまう恐れもあるため)
これらの予防方法は、いたって変わったとこのない、誰でもできる予防方法です。
ただ、アシスタント時代はただでさえ忙しく、家に帰るのも遅くなりがちなので、生活習慣は悪くなりやすいので、どうしようもないこともあるかもしれませんが、できる限り意識をしてみてください。
また、精神的にきつくなってきた時に手荒れが出てきたという方もおられるので、精神的に楽に仕事ができるような方法を探すのも大切かもしれません。
実際に手荒れで悩んでいた美容師の手荒れ対策体験談
ここから、実際にアシスタント時代に手荒れで悩まれていた3名に伺った内容をお伝えしたいと思います。
この3名には、どんな時に手荒れがひどくなり、どんな状態だったのか?どのように手荒れを抑えたのか?ということを具体的に教えていただきました。
1人目:お箸が握れないほど手荒れが酷かった
サロン名:GRID
スタイリスト名:北村 芳樹
>>何が要因で手荒れが酷くなったのか?
1日OPENからシャンプーばかりだったアシスタント初期の頃が、一番手荒れが酷かった様に思う。(1日平均 20~30人くらい) 環境や美容師の手にも優しいシャンプーを使用していたが、そんなシャンプーにも合う・合わないがありました。
>>手荒れが酷くなった時はどんな状態だったのか?
手荒れが酷く、箸がひび割れの為、握れない状態で手が腫れていました。更に、かゆいので掻いてしまい悪化してしまったこともあります。
>>何をしたら手荒れが抑えられたのか?
ハンドクリームでは足りずに、ワセリンを大量に使用しました。 また、病院でステロイドを処方してもらい、ステロイドを就寝時に塗布し手袋をしていました。
>>手荒れ対策に役立ったアイテムは?
・ハンドクリーム
ハンドクリームは乾燥させないために利用していた。やっぱり保湿命です。
・プロテクトクリーム
ワセリンを就寝時に使用し手袋をしていました。多少のひび割れであれば多量に塗布すれば朝には改善されていたと思います。
・ゴム手袋
ジアミンアレルギーもある為、カラーのお流しの時は必ず手袋をしていました。 また、手荒れが酷くなる冬場は、カラーに関係なく手袋を着用していました。
・ステロイド
手荒れが酷く、ひび割れやかゆくなった時に使用していました。
これが一番効果が見られたような気がします。
ただ、手荒れの改善した時は使用しないことを薦めます。
理由は手の皮膚が薄くなる為です。
2人目:手荒れが酷くなり化膿して全てのものに直接触るのが困難だった
サロン名:FIT HAIR
地域:神戸市垂水区
スタイリスト名:石川 春奈
>>何が要因で手荒れが酷くなったのか?
シャンプーに入る機会がアシスタント時代は多くあり、手が濡れた状態でドライヤーを何度も使用し極度な乾燥をしていた。
また、乾燥した状態でのカラー施術が原因と思われる。 更に、カラーの成分が身体に合っていない可能性もありました。
ケアとしては、ハンドクリームを頻繁に使用する。就寝時には手にラップをし、乾燥を防いでいました。
>>手荒れが酷くなった時はどんな状態だったのか?
薬剤全てがしみる → 洗う → かゆくなる の繰り返しで、手荒れが酷くなり化膿したために、お客様のコートをお預かり出来ないこともありました。
また、全てのものに直接触れることが困難な状態の時もありました。
>>何をしたら手荒れが抑えられたのか?
病院に通院しステロイドを処方してもらい、1日に3回うすく塗布していました。
ステロイドの効力時間が短い為ワセリンを多量に使用し、綿の手袋を1日つけていました。手袋を毎日交換し、100組以上持っていました。
>>手荒れ対策に役立ったアイテムは?
・ハンドクリーム
日々のケアに利用し、軽めの乾燥とカサツキに有効でした。
・綿の手袋
毎日交換して利用していた。
・ステロイド
一時的なかゆみを抑える為に利用し、急なかゆみにも有効でした。
3人目:一度くっついた皮膚がすぐにパックリ割れていた
サロン名:Mars HOM
地域:兵庫県宝塚市旭町2-3-18-104
スタイリスト名:石田 悠起
>>何が要因で手荒れが酷くなったのか?
1年目~2年目まで、シャンプーに入る頻度が多かったため、一番手荒れがひどかったです。
この時はひび割れを繰り返していました。 2年目からは、カラー塗布が多いためか、手荒れをしている時はかゆみがありました。
また、終日シャンプーの為、ヒビ割れで痛い。
>>手荒れが酷くなった時はどんな状態だったのか?
パックリひび割れしていました。また、かゆみがあり痛いがかくと悪化するので、我慢をしていました。
ヒビ割れの為、何かを握ると(パーからグーしたら)一度くっついた皮膚がすぐ割れる。
>>何をしたら手荒れが抑えられたのか?
就寝時ヒビケア軟膏を手に塗布して、布手袋をし就寝するとパックリ割れたひび割れがくっつく。
ひどい場合はヒビケアFT軟膏かかと用と常にVaselineを使用していましたが、皮膚が硬くなります。また、ベビーワセリンも使用していましたが、そんなに硬くならないです。
最近はBAND AIDキズパワーパッドを利用しています。お肌に近くて温度も感覚もわかってお客様にも違和感がないのと、傷口だけに働いてそこだけ治してくれます。
シャンプー時はお客様に気持ちのいいシャンプーが伝えれないので手袋はしないです。
また、生活習慣をかえなければと思っていたが・・・なかなかできなかったけど、ビタミンCの錠剤は飲んでいました。
>>手荒れ対策に役立ったアイテムは?
・ハンドクリーム
ハンドクリームも使用していた。
・プロテクトクリーム
ヒビケア軟膏、ヒビケアFT軟膏
・布手袋
就寝時にヒビケア軟膏塗布して、布手袋。
手荒れ対策と予防でしておいたほうが良さそうなこと
3名の手荒れ対策や予防方法は、少しづつ違いがありましたが、共通しているところもありました。
特に3人に共通していた「就寝時はハンドクリームなどを塗り手袋をして寝ること」「ひどい時はステロイドを使用していたこと」は、予防と手荒れになった際の対策には必須と言えるのではないでしょうか。
なかなか普通の職業で、ここまでひどい手荒れをすることがないですが、アシスタント時代を乗り越えれば手荒れが楽になっている方が多いので、適切な手荒れ対策と予防を心がけ、生活習慣が乱れないようにすることで、多少は楽に手荒れと付き合いが出来るかもしれません。
是非ご参考にしてください。