美容師は本名を名乗るべき?現場での偽名(あだ名・通り名)の使われ方の動向

「スタイリストとして本名以外を名乗ってもいいかな」

「読みづらい名前だから略したり下の名前だけでもいいかな」

「先輩スタイリストの通り名に憧れていて、自分も名乗りたい!」

 

美容師として働く中で、名乗る名前を本名にするか、あだ名・通り名にするか迷っている方は少なくないかと思います。

今回は、サロンにおけるあだ名・通り名についての使われ方について、30名のサロンスタッフにアンケートをとり動向をまとめてみました。

美容室で偽名(あだ名・通り名)が使われている理由はポジティブなものが多い

 

今回アンケートを行なった美容師さんの多くは、あだ名に対してポジティブな考え方でした。

 

  • ・「名字が難しく読み違われやすいから呼びやすいように」
  • ・「田中、鈴木、伊藤などサロンの同じ苗字のスタッフが多いから」
  • ・「女性は結婚すると名字が変わる可能性があるから」
  • ・「スタイリストとしてイメージを作りたいから」
  • ・「あだ名の方が自分らしく感じるから」

 

コミュニケーションを取りやすいように積極的に考えているほか、今後のキャリアもしっかり見据えてあだ名を選択されていました。

 

プライバシー保護の観点から本名を避けているケースもある

 

ポジティブな意見だけではなく現代の闇を感じるような理由も聞かれました。

  • ・「地元すぎるのでSNSなどネットで探されるのが嫌だから」

 

ここ2〜3年でSNSなどよるトラブルが原因で本名を使いたくないという方が増えている傾向にあります。

例えば、Facebookで検索されて、個人的に友達申請が送られてくるなど。

 

実際に危害が加えられたわけではないものの監視されているようで気が休まりませんよね。

できる限り、そう言ったトラブルから身を守るために、本名以外の選択肢も視野に入れておくのが大切です。

 

サロンスタッフがあだ名・通り名を名乗る3つのきっかけ

 

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サロンスタッフがあだ名や通り名を名乗り始めるきっかけは次の3つが多いようです。

  1. 1.サロン全体で使うことになっている
  2. 2.本人の希望
  3. 3.オーナー・幹部の提案で使い始める

それぞれどういったきっかけか見てみましょう。

 

1.サロン全体で使うことになっている

 

サロンの組織風土として、あだ名で呼び合っているので、働き始めるのと同時に自分もあだ名を名乗るようになった、というパターンは少なくないようです。

一緒に働いている仲間として親しみを持ち、オーナーや幹部など上の立場の人にも話しかけやすくする取り組みの一環かもしれませんね。

 

2.本人の希望

 

本人の希望で本名ではなく、あだ名や通り名を使いたいというケースです。

今後のキャリアを考えた時のイメージづくりや、プライバシー保護の観点から希望される方もいらっしゃるようです。

 

3.オーナー・幹部の提案で使い始める

 

オーナーや幹部など周囲からの提案であだ名を使い始めるケースも。

例えば、少し印象の薄いおとなしめのスタッフさんがいたとして、「あだ名」で呼ばれることによってスタッフ同士やお客様とのコミュニケーションが活発になる可能性があります。

 

美容師のあだ名・通り名の付け方

 

名付け

 

あだ名は名前を省略したりカタカナ、ひらがな、ローマ字で表記して呼ばれやすくしている方が多いようです。

【例】

・由香里→ユカリ

・涼介→RYO

・大隈(おおくま)→くま

など…

 

また、本名とはかけ離れているけれど、周囲から呼ばれている愛称・通り名などをそのまま使うケースもあります。

 

【例】

・「ジョニー」などいつの間にか定着した外国人風の名前

・「くまもん」など似ているキャラクターの名前

など…

 

ただ、あまりにも派手な名前やフランクな名前にすると、オーナーや幹部になった時に「改名しようかな…」と迷う可能性が…。

数年後の自分を想像して考えておくのも大切かもしれませんね。

 

実際にスタッフがあだ名・通り名を使ってみて良かったところ

 

働く中で実際にあだ名や通り名を使って良かったところを聞くと、次のような回答が多かったです。

 

  • 【1】お客様に親近感を持ってもらえる。
  • 【2】思い描いていた美容師像に近づいている感じがする
  • 【3】理由を聞かれて話すことが会話のきっかけになる
  • 【4】仕事モードに切り替えられる

それぞれどんな場面だったのでしょうか?

 

【1】お客様に親近感を持ってもらえる

 

あだ名を使い始めたことによって、お客様とのコミュニケーションが円滑になることが多いようです。

毎回のカウンセリングや施術中に、気軽に希望を言ってもらえたり、些細なことでも話しかけてもらえたりすると嬉しいですね。

 

たくさん会話をする中で、細かな要望や、仕上がりの希望を上手に聞き出せるようになると、美容師としてのレベルアップを感じられるかもしれません。

 

【2】思い描いていた美容師像に近づいている感じがする

 

全国的にも有名な人気スタイリストや講師の中には通り名を持っている方も多く、そういった先輩たちに憧れて、美容業界に入ったという方も少なくはないかと思います。

実際に美容室で働き、本名ではない「通り名」を使うことで、自分の思い描いていた美容師像に一歩近づけたと実感できる方も多いようです。

 

【3】理由を聞かれて話すことが会話のきっかけになる

 

あだ名を使っていることによって、お客様や新しいスタッフから「あだ名の由来は?」という質問をされる機会が増えるでしょう。

印象に残る答えを用意しておくと覚えてもらいやすいですよ。

 

それを狙ってあだ名をつけるケースもあるほどですので、会話下手で悩んでいる場合は、あだ名を考えてみてもいいかもしれませんね。

 

【4】仕事モードに切り替えられる

 

本名と使い分けることによって仕事モードと切り替えるという方もいらっしゃいました。

あだなや通り名を使っているときは、いい意味で「美容師である自分」を演じられるとのこと。

あだ名は、オンオフをしっかり切り替えたいという方にもおすすめです。

 

あだ名・通り名のデメリットは?

 

逆にあだ名にデメリットがあるかどうかという点では、「お客様やスタッフとの距離感が近づきすぎる」という意見がありました。

 

オーナーや幹部の声が多く、例えば…

  • ・「仲良くなりすぎて、問題があっても指摘しづらい」
  • ・「親しみやすさを持ってもらうのはいいけれど、お客様や先輩に対する対応がフランクすぎて不安」

など。

 

前者は上の立場としての気の持ちようかもしれませんし、後者はマナーはマナーとして教育していくという取り組みをしていくのがいいのではないでしょうか。

オーナー幹部以外のスタッフも、あだ名呼びでくだけた雰囲気になったからと言って最低限のマナーは守るように心がけましょう。

 

今後もあだ名・通り名を使うスタッフ・サロンは増える可能性大

 

美容師の偽名(あだ名・通り名)について紹介しましたがいかがでしたか?

本名以外を使うのはどうかな…とためらわれていた方も、前向きに考えてみてくださいね。

 

特に女性スタッフさんが下の名前やあだ名を活用して、結婚や出産してからでも働いてもらえるようにしていきたいと考えているサロンが多いので、今後もあだ名の利用場面は増えていくと考えられます。

それ以外のサロンでも、スタッフの置かれる環境に合わせて本名、あだ名や通り名(下の名前含む)を名乗らせていきたいと考えているところは多くみられます。

 

また、個人情報保護の観点でも、本名を言ってしまうと簡単にネットで調べられてしまうので、リスクマネージメントとしてもあだ名を一考する余地はあるかもしれません。

まだあだ名がないという方は、いつ聞かれてもいいように、サロン用のあだ名を用意しておくのはいかがでしょうか?