【美容師管理職10名に聞いた】新人研修は何をする?気を付けるポイントもご紹介

「新人の美容師にどのような研修をすれば良いかわからない」
「他の美容室で実施されている新人研修の内容を知りたい」

 

とお悩みの方へ。

 

多くの美容室では新人の美容師さんに研修を行います。

 

主な内容は接客技術に関することで、新人美容師さんのレベルアップを図り、美容室の品質を保つことが主な目的です。

 

今回のアンケートでは、管理職やオーナー層のベテラン美容師さんから研修に関する回答をいただきました。

 

今の研修内容、さらにベテラン美容師さんが新人時代に受けた研修もご紹介しますので、ぜひ美容室の新人研修にお役立てください。

 

今回は、以下10人の現役美容師さんにアンケートをお願いしました。

 

・40歳 男性 20年目 経営者
・40歳 男性 28年目 店長
・58歳 男性 40年目 オーナー
・47歳 男性 25年目 オーナー
・40歳 男性 20年目 オーナー
・40歳 女性 18年目 店長
・45歳 男性 23年目 経営者
・45歳 男性 25年目 オーナー
・41歳 男性 21年目 ディレクター
・42歳 男性 22年目 マネージャー

美容師の新人研修の内容とその目的について

【美容師管理職10名に聞いた】新人研修は何をする?気を付けるポイントもご紹介

 

まずは新人研修で行った内容と、その目的についてのアンケート結果をご紹介します。

 

①接客に関する研修

美容師さんの接客に関する新人研修では、マナーや社会人としての心得、電話対応といった研修が多いという結果になりました。

 

マナー研修

● 接客や接遇、マナーについてメーカーからの研修を行っています。複数店舗があるので、ローテーションで入店してもらい研修しています。
● マナー研修を重点的に行っています。美容師はサービス業ですので、社会人としての基本的な接客や言葉遣いなどを研修しています。

電話対応や敬語の研修

● 電話対応は細かく研修しており、特に言葉遣いは徹底しています。老若男女と幅広く会話できるようになれば、サロンワークに役立つためです。

新人美容師さんに対する研修として最も多い内容は、接客に関するものでした。

 

アンケート回答にもあったように美容師はサービス業なので、技術だけでお客様がついてくれるわけではありません。

 

接客業としてレベルの高い接遇やマナーを身につければ、大きな武器になります。

 

また最近は若い世代を中心に電話を苦手とする方が増えています。

 

ヘアサロンでは電話による問い合わせ・予約も多いので、ぜひ新人研修で電話対応に慣れてほしいものです。

 

②技術に関する研修

技術に関する研修では、カットやカラー、メーカー研修という回答が多く集まりました。

 

カットやカラーの研修

● 早くスタイリストデビューをしてカットに入ってほしいので、研修ではカットを重点的に行います。

メーカーからの研修

● 幹部スタイリストに技術研修を任せています。オーナーである自身は、将来の目標やキャリアアップについて新人美容師と個人面談しています。
● 店内研修ではシャンプーやワインディングを行い、メーカーからはカラーやストレートといった基本技術、ディーラーからは毛髪理論の研修を行います。

パーマ液・カラー剤といったヘアサロンで使う薬剤の知識を深めるメーカー研修は、多くの美容室で行っています。

 

店内とメーカーのような外部の研修を使い分け、接客・技術の両方で新人研修を行うサロンも多いようです。

 

③その他の新人研修の内容

マナーや技術に関する研修以外では、フリーレッスンやヘアサロン独自のキャリアプランによる研修が多いようです。

 

フリーレッスン

● 複数の店舗があるので、毎週水曜日は予約を切ってAM9時~11時の営業時間内で合同レッスンを行っています。営業時間後はフリーレッスンを行っており、店長がアドバイスします。

自社作成のキャリアプランに沿ったレッスン

● 自社で作成しているキャリアプランに沿ったレッスンを実施しています。
毎年メーカー様とディーラー様と打ち合わせして決定しており、助成金を申請しています。

 

1年目(15名)に関してはメーカー、ディーラー様の講習を20日間(4~10月)
座学→社会人としての心得、接客全般、販売スキル(4日間×6時間)
技術講習→シャンプー、カラー、パーマ、ストレート、トリートメント、スパ(16日間×6時間)

 

入社後2か月間全店10店舗に研修として配属して、その後希望点をふまえ最終的な配属先を決定します。配属後はキャリアプランに沿って各店にてレッスンします。

 

今年は人手不足もあり早く技術に入ってほしいため、店内ではパーマは最後にして、カラーに特化してレッスン実施。

新人美容師さんの技術研修は、カットやカラーを重視する傾向に変化しています。

 

以前新人研修ではワインディングを強化する傾向が強く、ワインディング1,000本巻きといった研修もあったようです。

 

しかし時勢柄プラスにならないと廃止するサロンが多く、さらに人材不足の影響もあり、即戦力として働ける人材に育てる傾向に変化しています。

 

新人美容師を研修する際に気を付けること

【美容師管理職10名に聞いた】新人研修は何をする?気を付けるポイントもご紹介

 

ベテラン美容師さん達が新人研修を行う際は、以下の点に気を付けています。

 

①感情的・高圧的な印象を与えないよう気を付ける
②1人ずつ長い目で丁寧に育てる
③コンプライアンスを順守する
④その他の新人研修で気を付けること

 

それぞれについて、順番に解説します。

 

①感情的・高圧的な印象を与えないよう気を付ける

● 感情的に怒らず、叱ることにしています。
● 上からではなく同じ目線から指導するように心がけていますが、難しいです。パワハラ、セクハラにならないよう気を付けています。
● 高圧的にならないことと、否定しないことに気を付けています。注意する前に必ず質問するようにしています。

②1人ずつ長い目で丁寧に育てる

● 期間が長くなっても、一人前になるまで育てるようにしています。
● 一人ひとりのスタッフに合わせた指導を行っています。

③コンプライアンスを順守する

● 研修は基本的に営業時間内で実施するようにして、営業時間外のレッスンはできるだけ少なくしています。
● 休日や勤務時間は労働基準法に基づいて取るようにしています。

④その他の新人研修で気を付けること

● モチベーションを下げさせないよう気を付けています。本人の現在の立ち位置とスタイリストまでの過程を明確にして、日々意識してもらうようにしています。
● 練習のための練習にならないよう、実践をイメージするように研修しています。
● 相手の立場に立って考えるようにしています。

ベテラン美容師さんたちが新人研修で気を付けていることについて、感情的・高圧的にならないことという回答が最多でした。

 

美容業界は厳しいイメージがありますが、昨今ではその風潮が変わり、若手スタッフに必要以上に厳しくしないよう気を付ける傾向があります。

 

以前は早朝・深夜の研修もあったようですが、今では美容業界も労働基準法を順守しており、特に法人サロンでは当たり前に徹底されています。

 

美容師の世界は先輩が厳しい、休みや休憩時間がないというイメージがありましたが、美容師がより働きやすいよう変わり始めているようです。

 

現役美容師さんが実際に役立ったと感じた新人研修

【美容師管理職10名に聞いた】新人研修は何をする?気を付けるポイントもご紹介

 

最後に、現役のベテラン美容師さんが過去に受けた新人研修で「役立った」と感じた内容をご紹介します。

 

メーカーやディーラー主催の研修

● メーカーやディーラー主催の異業種セミナーをよく受講しており、今になっても高い目標設定に向けて頑張ることができていると思います。自分も高い目標を持つ経営者になりたい、ならなければと思ってサロンのビジョンに向かい頑張っています。
● メーカー主催の新人合宿に参加したことです。当時はかなり厳しい印象だったので、今の時代に合うかは疑問です。

新人を想いやってくれる研修

● 自分を想いやってくれる先輩のアドバイスは素直に聞けましたが、そうではない人からは伝わりませんでした。

昔だからできた厳しい研修

● 昔は寝る間も惜しんでレッスンしていましたが、今は時代が違うので行っていません。
● 厳しく指導していただき当時は大変でしたが、今振り返るとその指導があったから今があると思っています。
● 昔は技術レッスンやミーティング、カウンセリングのロールプレイングで遅くまでレッスンばかりしていて辛かったです。しかしそのおかげで幅広いお客様に対応できていると思います。当時遅くまで付き合ってくれた先輩にも感謝しています。

● ほぼ毎日夜中までレッスンしていました。大変でしたが当時はそれが当たり前で、そのおかげで今の技術に自信があります。この業界は流行があるので、今も若手と一緒になりレッスンしています。

その他の役に立ったと感じた新人研修

● 著名な美容師による講習を受けたことです。
● お客様とのコミュニケーションの取り方に関する研修は役に立ちました。
● 団体行動や周りを気遣うことを何度も注意されたことは今でも心に残っており、自分のスタッフにも教え続けています。

ベテラン美容師さんが新人だったころは、厳しい指導や深夜の研修が当たり前で、寝る間も惜しんでレッスンしていた方が多いようです。

 

その大変さを乗り越えたからこそ、今も志高く、現役美容師として活躍されているのでしょう。

 

現在は労働時間や休日にも厳しい規制があり、パワハラなどの言葉も生まれ、ご自身が新人の頃とは異なる環境や風潮に対応すべく、経営者や幹部の方も工夫しながら研修・教育に取り組まれています。

 

時代に沿った変化に対応することで、美容業界の水準は今後も向上していくでしょう。

 

まとめ

新人美容師さんの研修内容について、ベテラン美容師さんたちに聞いたアンケート結果をご紹介しました。

 

この記事をまとめます。

 

● 新人研修では電話対応などの接客、カットなどの技術が中心となっている
● 新人研修では新人に対して高圧的な態度にならないよう、長い目で丁寧に育てている
● 昔は寝る間も惜しんでレッスンする風潮だったが、昨今では営業時間内にも研修を行う

 

美容業界の風潮は大きく変化し始めており、新人美容師の指導に悩むベテラン層は多いかもしれません。

 

新人研修の内容や方法にお悩みなら、ぜひ今回のアンケート結果を参考にしてください。

 

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