マッサージのプロ監修|美容師が知っておきたいマッサージのこと

マッサージって疲れていれば疲れているほど、されると嬉しい!ただ、マッサージが痛かった、気持ちよくなかった。ってことになると、かえって逆効果になる可能性もありますよね。

 

そんなマッサージについて、マッサージのプロがお伝えしたいことがあります。

美容室でマッサージをする本来の目的

2,980円の激安リラクゼーション(マッサージ店舗)が登場してから、約5年で、マッサージを受ける人口が約5倍に増えたというデータがあります。

 

又、マッサージを受ける年齢も若年化してきています。

 

いままでは、中高齢の客層をターゲットにしてきたマッサージ市場が、若い女性などをターゲットにしたメニュー展開を始めている状況です。

 

そこで、毎月訪問する、美容サロンで市場の大きくなったマッサージの施術を受けることができれば、お客様も「ヘアスタイルも良くなって体も少し楽になる!」と、美容面だけでなくリラクゼーション面でも評価をうけることができれば、お客様のリピート率向上に繋がる可能性があります。

 

実際、美容室に来客する御客様の内の何割かはマッサージ店舗に行っている確立に対して、マッサージ店に来客する御客様の全ては、美容室、もしくは理容室には行っています。

 

美容室は椅子に座っているため、マッサージを出来る箇所が決まってきますが、肩だけマッサージをしてほしいと言った方に満足のいくマッサージを提供できれば、お客様が美容室に対して思う価値も必ずや上がることでしょう。

 

 

美容室がマッサージを取り入れるメリット

美容室がマッサージを取り入れることで得られるメリットはいくつかあると考えます。

 

・顧客単価アップ

・継続来店率アップ

・来店頻度アップ

・顧客満足度アップ

 

もともと市場規模が大きい、御客様へサービスを店舗で行う美容室のスキームは、必ずマッサージ展開でも通用します。

 

ただ、マッサージ店舗と御客様との人間関係は、非常に希薄です。(御客様へ積極的に話をするのは、サービスの低下につながるため)美容室と御客様との人間関係に比べたら、全く比較にならないほどです。

 

そこで、人間関係のある美容室が、マッサージの施術を勧める事ができれば、御客様の確保につながることと思います。

 

又、多い人でも月に1回の来店頻度であった御客様が、マッサージ展開をスタートすることによって、美容室への来店頻度の向上する事が期待できるかと思います。

 

 

なぜマッサージを活用すると顧客単価アップが見込めるのか?

 

マッサージ業界は、激安店舗が登場するまでは、宿借り(やどかり)商売でした。マッサージ市場が拡大したとしても、値段の優位性がなければ、路面店舗での展開は難しいと言えます。

 

美容室でのマッサージ展開は、宿借り商売になりますので、美容メニュー+マッサージメニューの展開が可能になりますので、顧客単価はUPすると言えます。

 

 

美容師はマッサージ技術を一流にしても満足度は上がらないと考える

 

まず美容師様は、一流のマッサージ師に負けないぐらいのマッサージ技術を身につける必要はないと考えます。

 

なぜなら、マッサージ展開の費用対効果は、マッサージ師1人が1人しか施術出来ないのに対して、美容師1人がアシスタントをつけることにより、何人も同時に施術出来る費用対効果に及ばないからです。

 

ただ、美容師とは、一般的にお客様の美容を助ける仕事だと思います。そのため美容師として満足のいくサービスを提供できることが何よりも大切だと思います。

 

ですので、マッサージで気持ちよくなってもらうではなく、美容師として満足のいく美容サービスを提供し、更にマッサージも程よく気持ちいい。といったぐらいでも大きな満足度の向上が得られます。

 

もちろんここで、感動するほどマッサージが上手となれば、更に満足度は向上するかもしれませんが、美容師としての仕事で感動を与えることが何よりも先決かと思います。

 

 

美容室でお客様に喜ばれるマッサージ

ではここから、お客様別に喜ばれるマッサージを簡単にご紹介したいと思います。

 

 

◆外回りの営業をしているお客様の場合

 

本来は腰を中心に施術したいのですが、美容室であれば、頭、肩、首、足へのマッサージが最適です。

 

ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれており、血流をよくすることにつながります。また足にも疲労物質がたまりやすいため、そこをしっかりと流してあげることでずいぶんと足が軽くなるものです。

 

また、歩いているだけでなく、重たいカバンを持っていたり、肩にかけたりするため、必然的にどちらかの筋肉に癖がついてしまっている場合があります。

 

ほぐしてあげることで、筋肉の緊張を和らげ、血流が良くなりやすくなるので、疲労物質などを流しやすくなります。

 

 

◆デスクワークが多いサラリーマンやOLのお客様の場合

 

どうしてもパソコン仕事の多いデスクワークなので、当然といえば当然ではありますが、ヘッドマッサージ、首、肩の施術が最適です。

 

ヘッドマッサージなどで頭と目の周りの血流を良くしてあげるとサッパリすること、また首から肩にかけて詰まっている間のある肩は、肩の周りが良くなったりすることもあります。

 

 

◆30代の子供がいる主婦のお客様の場合

 

リフレクソロジー(足つぼ)が最適です。

 

また子供が小さい場合、抱っこをすることも多いため肩が凝っていたり、血流が悪くなっていることも多く、喜ばれる傾向にあります。

 

 

◆女子大学生のお客様の場合(日々バイト遊びで忙しい)

 

リフレクソロジー(足つぼ)が最適です。

 

女性は一様に、リフレクソロジー(足つぼ)のニーズが非常に高いです。

 

 

リフレクソロジーとは?

 

アメリカを発祥とするリフレクソロジー(Reflexology=直訳すると反射学)は、足の裏の特定の場所を押すことで、身体の別の場所に作用するという療法です。

 

中国を発祥とする足つぼマッサージは1点に集中して刺激を与える療法ですが、リフレクソロジーは点ではなく、フットチャートにより区分けされた箇所を「優しく撫でるという手技」のため、痛みなどのストレスが少ない割に、充分な効果を得られるとされています。

 

リラクゼーションのプロ直伝!部位別マッサージ手法

 

 

肩こりを緩和させるマッサージ

 

肩甲骨のまわり、菱形筋をほぐし肩甲骨の稼働域を広げてから僧帽筋をほぐしていく。ストレッチで僧帽筋と僧帽筋の中にある、板状筋をのばしていくことで肩こりを緩和させることができます。

 

 

リラックスを誘うマッサージ

 

筋肉をゆらすことにより、緊張がほぐれ血流がよくなってリラックス効果が高まります。

 

また、肋間神経(肋骨の間にある神経)を刺激してあげ、脇~背中、肋骨を全体的に軽く圧をかけながら、温めるようにさするとリラックス効果が高まります。

 

リラックスをさせるようなマッサージを行うのならオススメです。

 

 

眼精疲労を緩和させるマッサージ

 

眼輪筋をかるくマッサージしていきます。また、ストレッチで、胸鎖乳突筋をのばし首全体をストレッチしていくことで眼精疲労を緩和させることができます。

 

 

お客様に痛いと感じさせないマッサージのコツ

 

マッサージ業界には、”痛くない=気持ちよくない”という方程式が少なからず存在しています。

 

そもそも痛すぎるようなマッサージは痛いと感じる箇所を点で強く刺激しています。そのため、痛気持ちいという程よい加減を目指して、点ではなく面で捉えるようなマッサージ(身体への接地面を広くとる)をするように心がけます。

 

 

美容室でマッサージを行う際の適切な時間は?

 

マッサージの最適な時間は本来60分と言われています。

 

しかし美容室で、マッサージを行うとなると、美容メニューにかかる時間+マッサージ時間となりますので、60分もマッサージの時間をかけると非常に長い時間を御客様に取ってもらう事になってしまいます。

 

ですので、20分~30分が理想と考えます。

 

 

マッサージを更に効果的に行うなら…

 

マッサージを効果的に行うためには血行促進を促せるような乳液やクリームを塗ってから行うのが理想的です。

 

クリームなどの中には、血行促進作用のある成分の入ったものや温める成分の入ったものなどがあり、様々な付加価値をつけることも可能になってくるかと思います。

 

満足度向上を狙うのであれば、マッサージ用のクリームなどを利用してみてはいかがでしょうか?

 

ぜひ参考にしていただければ幸いです。