美容師が手荒れに悩んで辞めたいと思ったら?対処法やおすすめの転職先も紹介
美容師の離職理由として代表的なものに「手荒れ」が挙げられます。
水や薬品に触れる機会が多い美容師だからこそ、他の職業では考えられない、ひどい水ぶくれやアカギレに悩まれる方は少なくありません。
手荒れの症状は個人の体質による部分も多く、完全に予防するのは難しいものの、あらかじめしっかりと手を打つことで重症化を防ぐことも不可能ではありません。
この記事では「美容師さんの手荒れ」に焦点をあて
1.手荒れに悩む美容師さんの現状や声
2.手荒れの重症化を予防するための対策
3.手荒れで美容師が続けられなくなったときのキャリア選択
という3つのテーマに関して、これまで多くの美容師さんを見てきたJOBOONの知見をもとに解説したいと思います。
アシスタント時代はもっとも手荒れで悩むタイミング
多かれ少なかれ、美容師になれば大半の人が経験するであろう「手荒れ」。
とりわけシャンプー・トリートメントの機会が多い「アシスタント時代」は手荒れが起こりやすく、真っ赤に腫れた手やひどい痒みに悩まされる方が少なくありません。
【手荒れに悩むアシスタントさんの声】
アシスタントを始めてもうすぐ1年になるのですが、手荒れが辛いです。まだ軽度のときは、こんなの覚悟の上!なって当たり前!って思えてました。だけど秋頃から急激に手荒れがすすみ、今はグーもパーもできない状態です。
(アシスタント女性 Yahoo知恵袋より)
美容師2年目アシスタントです。
最近手荒れが悪化してきて、切れて水疱だらけで痒すぎて耐えられません。
美容師は手荒れで辞めてしまう人も多いとよく聞いていましたが「手荒れで辞めるなんて言い訳じゃないのかな」と思っていました。
ですが毎日手荒れがストレスになってきて、辞めたら手荒れも治るんだろうなと思うようになりました(><)
(アシスタント女性 Yahoo知恵袋より)
美容師アシスタントしてます。
私は小さい時アトピーもちで、今手荒れがすごいんです。
水泡ができて痒くなって少し良くなって、また水泡ができて皮がむけて血がでてきたり….全て第3関節がやられてます。
手荒れで美容師やめたいと考えてしまうときもあります。
なにかいい方法ありませんか。
(アシスタント女性 Yahoo知恵袋より)
シャンプーやトリートメントを頻繫に繰り返すと、本来手を守っている皮脂や角質が過剰に奪われてしまい、免疫のない炎症がおきやすい状態になってしまいます。
アシスタント時代はこのような手に過剰な負担がかかった状態が常に続くことで、回復する間もなく手荒れがどんどん悪化してしまうのです。
また体質によっては使用するシャンプーやトリートメント剤の成分により、痛みやかゆみを伴った強烈なアレルギー反応が発症する場合もあります。
アシスタント時代はもっとも手荒れで苦労の多い時期であるものの、「スタイリストになるまでの試練だから」と、症状に耐えながら美容師を続けるというケースが少なくありません。
「スタイリストになっても手荒れが治らない」ことが離職の大きな要因に
アシスタント時代はひどい手荒れに悩んでいたものの、スタイリストになりシャンプーやトリートメントの機会が減ったことで、自ずと手荒れが軽減されたという美容師さんは少なくありません。
美容師しています。私も昔は極度の手荒れに悩んでいましたが、現在では完全に治っています。
理由としては、美容室で使う水や薬品の品質が良いというのもありますが、一番の理由はシャンプーをしなくなった事です。
お湯で手の油分が取られて手荒れするため、技術者になってシャンプー担当じゃなくなったら治りますよ!
(スタイリスト 男性 Yahoo知恵袋より)
ただし中にはスタイリストとしてデビューをした後も、一向に手荒れが良くならない、むしろ悪化してしまったという美容師さんもいらっしゃいます。手荒れのひどさや原因は個人の体質によって異なるため、こればかりは実際にスタイリストとして活動するまでわかりません。
デビュー後も酷い手荒れが治らない場合「美容師を続ける限り、つらい手荒れに悩み続けなければならない」という宣告を受けたも同様です。また中には病院で診断を受け、医師の判断により美容師を辞めざるを得なかったというケースもあります。
25歳女です。
私は約5年程美容師をしていましたが、手荒れが酷くドクターストップの為に美容師を辞めました。今は手荒れを治す為1ヶ月休職中です。
(元スタイリスト女性 Yahoo知恵袋より)
このように本人の意思に反して手荒れで美容師を辞めざるを得なかったというタイプは、デビューから2~3年ほどの若手スタイリストさんに、とくに多く見受けられます。
美容師を続けるため、手荒れを予防・悪化させない対策とは
絶対に手荒れを発症させない万能の方法は、残念ながらありません。しかし、ふだんの業務時やプライベートからしっかりと対策をすることで、手荒れの軽減や悪化を防ぐことは可能です。
美容師の仕事を継続するために知っておきたい、手荒れの予防対策についてご紹介します。
1.手荒れに理解のあるサロンを選ぶ
ひどい手荒れを予防するためには、スタッフの手荒れ予防に配慮のあるサロンを選ぶことが非常に重要です。
サロンの施術を続けながら荒れた手を元に戻すことは非常に難しいため、ひどい手荒れを防ぐには、そもそも手荒れが発症しづらいサロンに就職することがもっとも賢い方法といえるからです。
理解のあるサロンを見極めるためには、就職活動時に「(自分は手荒れやアレルギーが起こりやすい体質なのですが)なにか手荒れへの対策をされていますか?」と、採用担当者へ確認する方法がおすすめです。
最近では肌に優しいシャンプーやトリートメントのみを使用していたり、ゴム手袋の着用を積極的に許可していたりと、手荒れに理解のあるサロンも増えてきています。またカルキが付着するのを防ぐため、浄化した水のみを使用されているサロンなども見受けられます。
2.薬剤の使用後は手洗いを徹底する
対策の2つ目は、シャンプーやカラー剤といった薬品を使用したあとの手洗いを徹底することです。
炎症やアレルギー反応の多くはサロンで使用する薬剤が手に付着すること、そしてそれを放置することで発症します。
薬剤の成分が数年かけて蓄積されアレルギー反応を引きおこすケースもあるため、忙しい状況でも手に付着した薬剤は、水で完全に洗い落としてから次の作業へ移ることを習慣化しましょう。
3.水に触れたあとはこまめに保湿する
仕事中・プライベートを問わず、手を濡らした後はしっかりと手を拭き、こまめにハンドクリーム等で保湿することをおすすめします。
乾燥は手に必要なバリア機能を低下させ、アカギレやひび割れといった症状を引き起こします。
濡れた状態で放置することが手の乾燥をより助長させるため、日頃から保湿クリームを常備するなど対策をおこないましょう。
4.手にフィットする手袋を着用する
施術中に手袋を着用するか否かで、手荒れの症状には大きな差がうまれます。手荒れの悪化を防ぐためには、水や薬剤から手をカバーするゴム手袋の着用が欠かせません。
一方で美容師さんの中には「ゴム手袋をつけて作業するのに抵抗がある」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで手袋を選ぶ際は、なるべく素手と同じ状態で作業できるような、薄手で手にフィット感のあるものを選ぶのがおすすめです。最近では医療用のものなど細やかな作業に適した商品も、手軽に通販などで購入できるようになりました。
手荒れを予防するためにも、早いタイミングから自分に手にあったゴム手袋を探してみてください。また手袋での作業に慣れない方は「手袋をつけた状態でシャンプーやカラーの練習をしてみる」など、コツコツと技術を磨いていただくのが良いでしょう。
あまりに手荒れがひどい場合、美容師が選ぶべきキャリアとは?
手荒れ対策をおこなったものの一向に症状が改善されず、美容師を続けることに難しさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
あまりに手荒れがひどい場合、どういったキャリア選択が考えられるかを見ていきましょう。
1.手荒れに理解のある、別のサロンで働く
「手荒れが辛いけど、どうしても美容師を続けたい」という方は、思い切って手荒れ対策を徹底している、別の美容室へ職場を変えてみるというのも1つの選択でしょう。
実際、美容師さんの中にはサロンを変えて使用する薬剤が変わったことで、大幅に手の症状が改善されたという方もいらっしゃいます。
また入客数の多いサロンほど手を酷使してしまう傾向にあるため、あえて客単価が高めで比較的お客さんの回転が落ち着いているサロンを選ぶという方法もおすすめです。
2.美容関連の別の仕事に転職する
美容師は続けられないものの美容への関心が高いままなのであれば、その意欲を活かして美容関連の仕事に転職するのも良い選択でしょう。
手荒れを理由にキャリアチェンジをした美容師さんの多くは「美容へのモチベーション」はあるものの、仕事を辞めざるを得なかった方々です。そのため持ち前の対人スキルや美容への興味をフルに活用しながら、転職先でも活き活きと就業される方が少なくありません。
【手荒れで辞めた美容師さんに、よく見られる転職先】
・結婚式場などのヘアメイク
・百貨店、ドラッグストアの美容部員
・化粧品メーカーのインストラクター
・美容メーカーの営業
・エステティシャン
・美容サロン専門のディーラー
など
水や薬剤に触れる必要さえなければ、美容師で身に着けた対人スキルや美容の知識を活かした、様々な働き方にチャレンジすることが可能です。
仮に美容師が続けられないとなった場合も悲観的になり過ぎず、前向きに第二のキャリアについて検討していただきたいなと思います。
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まとめ
美容師とは切っても切り離せない悩みである「手荒れ」。ある程度の覚悟をもって美容師の道を選んでいたとしても、実際に症状が出てからの辛さは耐え難いものです。
手荒れを要因に夢を諦めたスタイリストさんが多くいらっしゃるからこそ、これから美容師を極めていきたいという方は、ぜひ早期からの万全な手荒れ予防に取り組んでほしいと思います。
また手荒れが原因でキャリアチェンジを検討している方も、ぜひ前向きな思いで新たな道に挑戦してみてくださいね。
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