美容室の紹介文の書き方 |”脱ありきたり”でサロンを魅力的に見せるには?
サロンオーナー様には、『ホットペッパービューティー』や『地域情報誌』などに掲載するため、自分の美容室の紹介文を考える機会が多々ありますよね。
美容室の存在をアピールするためには必須の紹介文づくり、実は「苦手……」にしているサロンオーナー様が、少なくないようなのです。
- ・自分の美容室の強みがたくさんあって伝えたいことがまとまらない
- ・美容室の雰囲気をどうアピールすればいいのか分からない
- ・紹介文を工夫したつもりなのに新規客が増えない
- ・紹介文を見てご来店いただいたがリピートには全然繋がらない
- ・同じ地域の紹介文と似たり寄ったりにしかならない ……etc
美容室の紹介文を考えることが苦手なサロンオーナー様、あるいはスタイリストチーム内のリーダー様には、上記のような悩みがあります。
美容室に限らず、「紹介文づくり」というのは難しいもの。限られた文字数で新規客の心をグッと魅きつける必要性があるからです。
そこで今回は、美容室の紹介文を考えるのが苦手な美容師、または初めて紹介文を考えるけど何をどう書けばいいのか分からない美容師のための、「脱ありきたり!かつ、ミスマッチもなるべく引き起こさない美容室の紹介文の書き方」についてまとめました。
美容室の紹介文は「提供できるサービスを素直に書く」ことが基本
“美容室の紹介文は限られた文字数で新規客の心をグッと魅きつけることが必須”と先述したものの、力が入り過ぎるとかえって、いいアイデアは出てこないですよね。
そこでまずは、「美容室をよく見せよう」であるとか、「新規客をたくさん呼ぼう」という考えにとらわれず、自信をもって提供できるサービスを素直に書き出すことをオススメします。
ストライクゾーンを拡げるために、細かいサービスまで拾い上げて書いたり、無理に最新技術・トレンド技術のアピールをする必要はありません。
自分の美容室で”今”、お客様に体感してもらえることを誇張せずに素直に書けばいいのです。
逆に奇をてらったアピールや、専門用語を使った技術力のアピールは、同業者ならば「おぉ!」と新鮮にうつるとしても、新規客にはピンとこないことがほとんどなので、避けたほうがいいでしょう。
ちなみに、優れた美容室の紹介文を書くために、文章が巧みであることやたくさん文章を書けることは、ほとんど関係がありません。
「文章を考えたり、書くこと自体が苦手……」という人も、いい美容室の紹介文を書くことはできますので、安心してください。
ただし、できるだけ“誰が読んでも分かりやすい文章”にする必要はあります。
「自信がないかも……」という人は、お店に置いてあるファッション雑誌のテキストを参考にしたり、他のスタッフに書いてみた紹介文の読みやすさを尋ねてみるといいでしょう。
以下では、「美容室の紹介文は素直に書く」という基本のキを踏まえたうえで、サロンコンセプトやイチオシメニュー、スタッフ紹介の書き方のコツを詳しく見ていきます。
美容室の紹介文を書くための5つのコツ(例あり)
- 【1】サロンコンセプト 技術について
- 【2】サロンコンセプト 雰囲気について
- 【3】サロンコンセプト 独自性について
- 【4】スタッフ紹介文
- 【5】メニュー紹介文
美容室の紹介文の多くが、上記5つの項目からできています。
「どれかが苦手」という人もいれば、「全部苦手!」という人もいるかもしれませんね。
以下では、サロンコンセプトやスタッフ紹介、メニュー紹介など、それぞれの項目を書くときに意識するとよい、ちょっとしたポイントをピックアップしました。
【1】サロンコンセプト(技術面)は”自分の美容室ができることを具体的に書く”
- ・骨格補正、小顔効果などのカットが特長
- ・美髪や艶髪をかなえるトリートメント技術
- ・外国人風ノンダメージカラーならおまかせ!
- ・ナチュラルパーマをはじめとする自然なスタイルが得意 ……etc
サロンコンセプト、なかでも技術にフォーカスするときは、自分の美容室でできることを、具体的に書くことがコツです。
美容室なのですから、「カット・カラーが得意」なことも「トリートメントができる」ことも、言ってしまえば当たり前。
「カットが得意」、「トリートメントに自信あり」、「カラーはおまかせ」と紹介するだけでは、料金が飛び抜けて安いのでない限り、新規客があなたのサロンを選ぶ理由として、少し弱いのです。
そのために汎用的なワードだけではなく、「小顔」や「ツヤ」、「ノンダメージ」などのワードをプラスして、見た人がその”技術”によるヘアスタイルの仕上がりを、具体的にイメージできる紹介文をつくることが理想です。
【2】サロンコンセプト(雰囲気)は”文章だけでスケッチできるほど具体的に書く”
- ・都会のリゾート!? 南国風の癒し空間です
- ・アンティーク品にあふれた内装はまるで異世界!特別な時間をお楽しみいただけます。
- ・半個室でゆったりした時間を提供する”プライベート風”サロン
- ・チャイルドスペース完備のアットホームな雰囲気 ……etc
サロンの雰囲気は、“自分のサロンならではの味”を出しやすいポイントです。
書けることの幅も広いですから、先述した「技術に関する紹介文よりも考えていて楽しい!」と思われるサロンオーナー様も多いのではないでしょうか?
そんなサロンの雰囲気についての紹介文も、「高級感あふれる」、または「プライベート」といった一語だけでは、新規顧客の想像力をかきたてにくい(=差別化する材料がない)です。
やはり「○○で△△の……」と、具体性を持たせることが集客には効果的でしょう。
「サロンの雰囲気を文章で具体化するのは難しい!」という人は、試しに“サロンを知らない人に言葉だけでサロンの絵を描いてもらう”と設定づけてみましょう。
自分の言葉だけで誰かがサロンの外装・内装をスケッチするイメージを持てば、オリジナリティある紹介文が浮かび上がってきやすいです。
ただし、リピートに繋がらないミスマッチを生む原因となってしまいますので、あまりにもイメージを超えた美化はしないように注意しましょう。
【3】サロンコンセプト(独自性)は”1つか2つに絞って書く”
- ・ママさんスタイリストがメイン、お子様とご一緒に
- ・サロン専属ネイリスト○名
- ・ヘッドスパのプロ「スパニスト」が常駐しています
- ・メンズに特化!NEW・BARBERスタイルならおまかせを ……etc
同じ地域の他の美容室の情報に埋もれないように、「ココが独自的!」あるいは「ココに特化している」という情報を、紹介文にしっかり入れておきたいお考えのサロンオーナー様は大変多いかと思います。
ただ、実際にサロン紹介文を書いている美容師に話を聞いてみたところ、「長々といろんなワードを使って、いかにサロンが独自性を持っているのか記載していた頃より、”1番伝えたいこと”だけに絞って書いたほうが反応がよく、お客様のイメージの誤差も少ない」との意見がありました。
つまり、他の美容室と差別化できるアピールポイントがたくさんあるとしても、紹介文に書くのは1個か2個くらいがよく、文章も短く簡潔なほうが、読む人の意識が散漫せず、来店につながりやすい傾向があるということです。
【4】スタッフ紹介文は”人柄よりも得意分野を優先して書く”
- ・レイヤースタイルに自信あり!お客様のご希望以上のスタイルを提供します
- ・グラデーションカラーならおまかせ!ダメージレスで外国人風カラーが得意です
- ・聞き上手!カウンセリングに力を入れています
- ・理美容免許両方取得!メンズスタイルのことは私にお任せください ……etc
スタッフ紹介文において、まず大切なのは得意な分野を明確にすることです。
「カットもカラーも何でも得意です」という感じの、一見”オールマイティ”な書き方は、読む立場からすると心に響きません。
誰にでも当てはまるような情報を書くよりも、あえてターゲットを限定するつもりで得意分野を書いたほうが、新規顧客の来店数は伸びやすいのです。
また、スタッフ紹介文で美容師の“人となり”を詳しく書き、「親近感を持ってもらえればいいな」と思っているサロンオーナー様が多いのですが、実はそこはあまり集客において重要ではありません。
美容師の人柄は、”お客様が実際に接客してもらってから感覚的に「いいな」と思うもの”なので、あえて紹介文に含めなくてもいいでしょう。
「淡泊!」と思われるかもしれませんが、リピーターを増やすなら、各スタッフの人柄・性格ではなく、最も得意としている分野を書くことが優先事項です。
【5】メニュー紹介文は”流し読みでも誤解しないように分かりやすく書く”
メニュー紹介文は、施術内容を分かりやすく、料金も明確に書くことが最優先事項です。
特にWEB掲載の場合、読み手が細部まで文章を読み込まないことを前提にして、パッと見で内容が理解できるくらいに簡潔な「メニュー名+料金」の文章を作りましょう。
ひっそりと目立たない位置に、”ロング料金”や”前髪カット料金”、”特典メニュー”などの情報を付け加えていると、お客様が施術内容や料金を誤解したままご来店されてしまいます。
クレームにはならなかったとしても、「ちゃんと分かるように書いてほしかった……」と不信感を持たれる可能性は高いです。
メニュー紹介文の作成は誤解が生まれないように慎重になるべきで、例えばサロンスタッフ全員で回し読みをして「分かりにくいところはなかったか?」を確認しておくのがいいでしょう。
また、料金はできるだけ”込み価格”に設定しておき、紹介文云々に関係なく、誤解の理由を作らないことも大切です。
シーズンごと(3ヶ月に1回)はサロンの紹介文を見直してみる
「苦心したおかげで良い美容室の紹介文が書けた!」としても、それをずっと使い続けることはよくありません。
長くスタイリストをされていれば日々痛感することと思いますが、美容業界はトレンドの移り変わりが激しく、今最先端をいく情報もすぐに古くなってしまいます。
季節によって人気が出るカット・カラーも違うため、夏に推すべき情報を秋まで推していると、「季節感がない=オシャレじゃない」というイメージに繋がってしまいます。
スタッフ紹介文のところに載せるスタッフの画像も、季節に服装や小物を合わせた写真に、差し替えていくことが望ましいです。
紹介文をすべて書き直す必要はありませんが、シーズンごと(3ヶ月に1回)は、古い情報が紛れていないか見直し、必要であれば最新トレンド情報を取り入れましょう。
まとめ
- 【1】サロンコンセプト(技術面)は”自分の美容室ができることを具体的に書く”
- 【2】サロンコンセプト(雰囲気)は”言葉の説明だけで他人が絵を描くことを想像して書く”
- 【3】サロンコンセプト(独自性)は”1つか2つに絞って書く”
- 【4】スタッフ紹介文は”人柄よりも得意分野を優先して書く”
- 【5】メニュー紹介文は”流し読みでも誤解しないように分かりやすく書く”
以上、集客につながる効果的な美容室の紹介文を書くにはどうしたらいいのか、様々なコツをお伝えしました。
紹介文に正解はないので、すべての項目を厳密に満たさなくてはいけないわけではありません。この記事の内容は、あくまで”材料”ととらえていただければと思います。
さて、このコラムのタイトルには「脱ありきたり」と付いていますが、これを叶えるのは、必ずしもユニークな文章ではありません。
お客様の職業・価値観・ライフスタイルなどを具体的にイメージして、その人(ペルソナ)に響く文章が書ければ、無理に狙わなくても自然に、ありきたりではない紹介文を作ることができます。
他のスタッフからアドバイスを貰ったり、長くリピートしてくれている顧客様にサロンのいいところをヒアリングしてみたりして、サロンの魅力が分かりやすく伝わる紹介文づくりを目指してみてくださいね。
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