美容師アシスタントが店を変えるのはアリ?ベテラン美容師31名にメリットや後悔を聞いてみた

美容師アシスタント3年目で、職場を変えようか迷っています。理由は「人間関係」で、1年目のときから悩んでいますがストレスが限界です。元々言われやすい性格のわたしはアシスタントの中でも1番ひどい仕打ちを受けます。

お店を変えたいですが、どうしたらいいでしょうか?

Yahoo知恵袋より

アシスタント時代に職場を変えたいと考える美容師さんが、実はすごく多いです。

 

ただし「経験の浅いタイミングでサロンを変えてしまっていいのか」「デビューに遅れが出てしまうのでは?」という不安から、実際の行動には移せていない方も少なくありません。

 

結論からお伝えすると自身の目的や軸さえ明確であれば、アシスタント時代に別のサロンへ移ることは非常に前向きで意味のある選択の1つです。

 

この記事では「現役のベテランスタイリスト31名」を対象に、アシスタント時代に店を変えることはアリなのか?実際、店を変えてみてどうだったのか?等をお聞きしました。

 

今まさに「店を変えようか」悩んでいるアシスタントさんは、ぜひご一読ください。

【この記事でわかること】

現役スタイリストの目線で、アシスタント時代に店を変えるのはアリか?
・実際、アシスタント時代に店を変えてみてどうだったか(後悔はあったか)?
・アシスタント時代に店を変えるメリットは?
・アシスタント時代に店を変えて大変だったことは?
・アシスタント時代に店を変える際、就職で失敗しないコツは?

美容師アシスタント時代に店を変えるのはアリ?後悔した経験は?ベテラン美容師31名に聞いてみた

 

現在20歳で、美容師として働いている者です。アシスタント3年目です。

様々な理由で働く美容室を変えたいと思っているのですが、アシスタントのまま職場を変えるのと、カットの技術を総て覚えてから職場を変えるのとでは、やはり大きな違いはあるのでしょうか?

Yahoo知恵袋より

今の職場に不満があるものの、経歴の浅いタイミングで店舗を変わることが不安というアシスタントさんは多いのではないでしょうか?

 

JOBOONでは歴10年~30年のベテランスタイリスト31名を対象に「アシスタント時代に店を変えること」について、アンケート調査を実施しました。

Q1. アシスタント時代に「店を変えたい・辞めたい」と思ったことはありましたか?

アシスタント時代に「店を変えたい」と思ったことはありましたか?

 

ある…93.5%
ない…6.5%

 

「アシスタント時代に『今のを変えたい(辞めたい)』と思った経験はありますか?」という質問に、9割以上のスタイリストが「はい」と回答しています。

 

現在、スタイリストとして活躍している美容師さんであっても、その多くが下積み時代に「サロンを変わりたい・辞めたい」と感じる程の苦労を積んでいることがわかります。

Q2.  アシスタント時代に「店を変えたい」と思った理由は何ですか?

アシスタント時代に「やめたい」「店を変えたい」と思った理由は?

 

・人間関係の悪さ:24.1%
・給与の低さ:20.7%
・オーナー・店舗の方向性とあわない:13.8%
・休みが少ない・拘束時間が長い:13.8%
・後輩の教育環境の悪さ:10.3%
・デビューできない:6.9%
・その他:10.3%

 

調査結果より、アシスタント時代に店を変えたいと思った理由で最も多かったのが「人間関係の悪さ」24.1%、次点に「給与の低さ」20.7%「オーナーや店舗の方向性とあわない」13.8%という回答となりました。

 

Q3.  アシスタント時代に「店を変える」のは、アリだと思いますか?

アシスタント時代に「店を変えるのはアリですか?」

 

アリ…71%
ナシ…16.1%
どちらとも言えない…12.9%

 

「アシスタント時代に『店を変えるのはアリだと思いますか?」という質問に対し約7割のスタイリストが「アリ」と回答しています。

 

意外にもスタイリストの半数以上が、たとえアシスタント時代であっても理由次第で店を変える選択をしてもいいと考えていることがわかります。

 

アシスタント時代に店を変えるのが「アリ」と回答した理由

本当に合わない環境で働き続けるストレスを抱えるくらいなら、自分が無理なく働けるサロンに移った方がいい。仮に1年デビューが遅れても、長いキャリアで考えれば大した問題でないため。
もし今、信頼・尊敬できない人が世話役だったら環境を変えるべき。サロン内で実現しないなら、店舗を変えることも視野に入れた方がいい。
いろいろな美容室を見ることで視野が広がるので、もし今の店が合ってないと感じるならありだと思う。ただし今の店と環境が変わらなければ意味がないので、店の下調べなどは入念におこなう。
あり。下手にスタイリストになってお客様がついてしまった方が、転職しづらくなる。指名がつく前のアシスタント時代に、自分に合う環境を見つけておいた方がいい。
アリだと思います。結局、本当に自分に合う店舗・長く働ける店舗かどうかは、入店してみないとわからない。それなら早いタイミングで、自分がしっくりくる店を見つけておく方がいい。中途半端にキャリアを積んでから店を変えて、相性の悪いサロンだった方がしんどいです。

アシスタント時代に店を変えるのは「ナシ」と回答した理由

「アシスタント時代に店を変えるべきでない」という方の意見も見てみましょう。

サロンによって接客方法や教育プログラムが違うので、また一から覚え直さなければいけないから。
もし「給料の低さ」が原因で辞めたいなら、あまりおすすめしない。どこのサロンでもアシスタント時代の給与条件はそれほど差がないので、その理由で店を変えるのはリスクが高いから。実際、自分もアシ時代に店を変えたが、給与問題はあまり改善されなかった。
積み上げたキャリアが無くなるため、また1からのスタートになる。スタイリストデビューは遅れる可能性が高いので、できればキャリアをそこそこ積んでから転職するのが望ましいと思う。

まとめると「アシスタント時代に店を変えるのはアリ」と回答した美容師の理由としては

 

・キャリアを問わず、ストレスのある環境を無理に続けるべきでないから。
・長いキャリアの中で、多少のデビューの遅れは大した問題でないから。
・指名客がいない早い段階で、相性の良い店に移っておくべきだから。

 

「アシスタント時代に店を変えるのはナシ」と回答した美容師の理由としては

 

・一から店のシステムを覚え直す必要があるから。
・スタイリストデビューが遅れてしまうから。
・給与問題などは、他店でも改善されづらいから。

 

という意見があがりました。

 

「店を変えたことに後悔はありますか?」アシスタント時代に店を変えた先輩スタイリストに聞いてみた

笑顔で先輩スタイリストに接する男性アシスタント

 

実際にアシスタント時代にサロンを変えた経験のあるスタイリストさん13名に調査をおこない、「アシスタント時代に店舗を変えたことで後悔しているか?」を教えていただきました。

 

【調査内容】
・アシスタント時代に店舗を変えたことに、後悔した経験はありますか?
アシスタント何年目で店を変えましたか?
・店舗を変えて「後悔した or しなかった理由」はなんですか?
・アシスタント時代に店舗を変えて、大変だったことはなんですか?

 

アシスタント時代に店を変えて、後悔した経験はありますか?

アシスタント時代に店を変えたことに、後悔はありますか?

 

ない…92.3%
ある…7.7%

 

アンケートの結果より、実際にアシスタント時代に店を変えた経験のあるスタイリストのうち、店舗を変えて後悔している層の割合は全体の1割以下ということがわかりました。

 

アシスタント時代に店を変えて「後悔していない」と答えた美容師の声

■アシスタント何年目で店を変えたか?:3年目■店を変えた理由:スタイリストになる為の練習ができず、当分アシスタントのままでいそうだったから。■店を変えて後悔していない理由:教育プログラムのしっかりしたサロンを選んだことで、自分が不安だった技術面や顧客対応なども学ぶことができたから。1つのサロンに固執せず、自分の理想に近づける店を選ぶことが大事だと思った。■店を変えて大変だったこと:自分のことより、お店の雑務を改めて覚え直さなければいけなくなったこと。
■アシスタント何年目で店を変えたか?:2年目
■店を変えた理由:人間関係。先輩やオーナーとうまくいかなかった。
■店を変えて後悔していない理由:サロンを変えたことで、信頼できる先輩、良い仲間に出会えたから。あのまま前のサロンでキャリアを積んでいたら、美容師自体を辞めていたかもしれない。
■店を変えて大変だったこと:店のやり方を一から覚えないといけない。シャンプーレッスンからやり直しになった。
■アシスタント何年目で店を変えたか?:5年目
■店を変えた理由:人間関係のストレス。練習をしても教えてもらえない環境。
■店を変えて後悔していない理由:「若手を育てる文化」のあるサロンに移ったことで、店を変えてから1年後にデビューすることができたから。前の店のように理不尽なことで陰口を言われたり、放置されることもなくなった。
■店を変えて大変だったこと:レッスンはまた1からのスタートとなったが、環境がかなり改善されたので苦痛ではなかった。
■アシスタント何年目で店を変えたか?:3年目
■店を変えた理由:給与・休みなど労働条件に不満を感じたから。
■店を変えて後悔していない理由:転職活動の際に「サロンの条件」を意識したことで、給料や労働時間などが改善されたから。
■店を変えて大変だったこと:人間関係や環境の変化に慣れること。最初の数ヶ月、慣れるまでは多少大変。
■アシスタント何年目で店を変えたか?:3年目
■店を変えた理由:先輩スタイリストが飽和しており、自分が仕事を任せてもらえない環境だったから。尊敬できるスタイリストがいなかったから。
■店を変えて後悔していない理由:自分の技量を認めて、仕事を任せてくれるサロンに転職できたから。
■店を変えて大変だったこと:技術やプログラムが店ごとに違うので、矯正しなおさなければいけない。

 

アシスタント時代に店を変えて「後悔した」と答えた美容師の声

少数ですが「アシスタント時代に店を変えて後悔した」というスタイリストさんもいらっしゃいました。

■アシスタント何年目で店を変えたか?:2年目
■店を変えた理由:拘束時間が長いわりに、給与が低い。
■店を変えて後悔した理由:店を変えてもそこまで条件が改善されなかった。また結果的にデビューまでの期間が延びてしまった。
■店を変えて大変だったこと:前のサロンと方針や施術方法が大きく変わったので、それまで習ってきたスキルを捨てて学び直すことになった。店を変えるときは一からやり直す覚悟で辞めるべき。

アシスタント美容師が就職に失敗しない「サロン選び・就職」のコツ

サロンの掃除をする女性アシスタント

 

最後にアシスタント美容師さんが次の職場選び・就職に失敗しないために、知っておきたい5つのコツをご紹介します。

1.「自分が美容師としてどうなりたいか」を軸に店を選ぶ

「なんとなく給与が低いから」「人間関係に不満があるから」という目先に捉われた就職をすると、次のサロンでも同じ失敗を繰り返すリスクがあります。

 

「目に見える条件」も大切ですが、「自分が最終的になりたい美容師像」から逆算して、理想に近づきやすいサロンを選ぶのがオススメです。

 

「店を変えたい」と思ったら、まずは自身の「美容師としての理想」や「目標」を整理することから始めると良いでしょう。

2.「スタイリストになるためのカリキュラム・教育体制」があるかをチェックする

スタイリストとしてデビューするまでの期間や教育体制は、サロンによって大きく異なります。

 

とくにアシスタントで店を変わるのであれば、しっかりとデビューまでのカリキュラムが整っており、技術を学べるサロンを選択のが良いでしょう。

 

また入社前に「スタイリストとしてデビューするまでに、どのくらい期間が必要か」を確認しておきましょう。

 

3.顧客層や新規の来店数など、サロンの傾向を調べておく

どの位の年齢層が来店するのか、新規顧客の集客に強いのかなど、お客さんに関する傾向を調べておきましょう。

 

就職後に「年齢層の高いお客さんばかりで、同世代や若い方の施術が経験できない」「新規客が少なく、指名が取りづらい」といったリスクが発生するのを防ぐためです。

4.面接前にサロンへ足を運ぶ

「このサロン気になるな」と思ったらすぐに面接を申し込むのではなく、サロンへ一度足を運びリアルな雰囲気を確かめるようにしましょう。お客さんとして、サロンを利用してみるのもおすすめです。

 

理由としては実際に店舗を訪れることで、画面上ではわからないスタッフ間の仲の良し悪しや、店のテンポ間・サービスの質などを感じることができるためです。

 

「1日体験入店」を利用してみるのもおすすめです。

5.一から技術を習得し直す覚悟で辞める

以前の店でアシスタントとして経験を積んでいたとしても、多くの場合は店を変わった時点で、その店独自のやり方や技術を学び直すこととなります。ときには今までのスキルを矯正したり、デビューまでの期間が伸びてしまったりする場合もあるでしょう。

 

居心地の悪い環境で無理にアシスタントを続けるのは得策ではありませんが、店を変えれば相応の大変なこと・ギャップを感じることもあるはずです。

 

サロンを変える際には「最初からスキルを磨き直してでも、新たな環境でスタイリストを目指そう」という覚悟をもって、決断することが重要です。

 

まとめ

笑顔で練習をするアシスタントと先輩スタイリスト

 

「アシスタント時代に店を変えるのはアリか?」というテーマに関して、ベテランスタイリスト31名の声をご紹介しました。いかがでしたか?

 

今回の調査結果より、多くの先輩スタイリストは自身の美容師としての軸や目的さえ明確であれば、アシスタント時代に店を変えることも選択肢として大いにアリと考えていることがわかりました。

 

アシスタントさんで「店を変えようかな……」と悩んでいらっしゃる方は、しっかりと下調べや準備をおこない、後悔の無い “サロン変更” をしていただきたいなと思います。

 

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