美容師はカウンセリングが苦手でも大丈夫!? ベテランが「絶対に確認している項目」とは?
美容師は「カウンセリング」や、そもそも人と話すことが苦手な人でも活躍することが可能です。なぜなら現在活動している美容師の多くが「カウンセリングに苦手意識をもっている(or もっていた)」にも関わらず、実際に現場で活躍しているためです。
今回は新人から経験10年目のベテランまで、計55名の美容師に「カウンセリング」のアンケート調査を実施。カウンセリングへの苦手意識をどのタイミングで払拭できたかや、ヒアリング時に絶対に確認すべきポイントなどをまとめています。
調査の結果、美容師の81%が「カウンセリングに苦手意識がある」と回答
Q. アナタは「お客様へのカウンセリング」に苦手意識がある、もしくは過去に苦手意識がありましたか?
.
.
①ある(あった)…63.6%
➁どちらかといえばある(あった)…18.2%
③どちらかといえばない…12.7%
④ない…5.5%
.
現役美容師55名への調査の結果、8割以上が現在・もしくは過去に「カウンセリングに苦手意識があるorあった」「どちらかと言えば、カウンセリングに苦手意識があるorあった」と回答。
この結果より、新人から経験10年以上のベテランまで、多くの美容師が「カウンセリングへの苦手意識」を抱いた経験があるとわかります。
Q. なぜカウンセリングに苦手意識があるのか?
.
.
「カウンセリングに苦手意識がある」と回答した美容師に「苦手だと感じる理由」をお聞きしました。
■何を聞いたらいいかわからない
■経験・知識不足で悩みを聞き出せない・提案できない
■人見知りしてしまう
「会話に自信がないので、肝心な悩みまで掘り下げて質問ができない。表面的なヒアリングになってしまい、いざカットするタイミングで後悔することもあります」
カウンセリングで失敗したエピソード
「カウンセリングに苦手意識がある」と回答した45名の美容師に、過去にカウンセリングで失敗したエピソードをお聞きしました。
■「思ってた仕上がりと違う」と言われる
「なりたいスタイルのイメージが共有出来ておらず、仕上がり後に『想像と違う』と言われてしまった。」
■「担当スタイリストを変えて」と言われる
「『今日は何センチ切りますか?』と聞いて、お客さんから『5㎝くらい』と言われたので、その通りにカットしたら『切りすぎ』だと激怒され担当を変えられたことがある。相手の言葉を鵜吞み(うのみ)にせず、カット中に随時確認すればよかった。」
■クレームが入り、やり直しに
「新規のお客様で『前回、どんな施術をされたか』をきちんと聞かずにカラーをしてしまいました。その結果、うまく色が入らず大幅な時間ロスでクレームに。。実際はブリーチの工程を挟まなければいけませんでした。事前確認をしていれば防げたミスだったと反省しました。」
ベテラン美容師の多くが、経歴 3~5年目くらいまでは「カウンセリングが苦手だった」と回答
Q. アナタは美容師になって何年くらいで「カウンセリングの苦手意識」が無くなりましたか?
.
.
a. 3年未満…32%
b. 3~5年…36%
c. 6~8年…4%
d. 8年以上…4%
e.未だに苦手意識がある…24%
.
経験7年以上のスタイリスト30名を対象に「美容師になってから、何年目でカウンセリングの苦手意識が消えたか」について調査しました。その結果、最も多くを占めたのが「3~5年目」の36%、次点が「3年未満」の32%となりました。
また、調査したうち4分の1の美容師が「未だに苦手意識がある」と回答しており、カウンセリングに苦手意識を持ちながら活躍しているスタイリストも、少なくないことがわかりました。
.
ベテラン美容師に聞いた「カウンセリングの流れ」
現在、活躍中のスタイリストは実際にどのような流れでカウンセリングを行っているのでしょうか。調査の結果、以下5つのポイントを押さえているスタイリストが多いことがわかりました。
【鉄板カウンセリングの流れ】
1.お客様のなりたいイメージを聞く。
2.前回までの施術内容を聞く。
3.お客様の髪に関するお悩みを聞く。
4.雑誌やSNSを活用した、仕上がりイメージの共有。
5.施術に必要なメニューと料金、施術にかかる時間の確認
現在、カウンセリングの型が決まっていない場合、まずは上記の流れを参考にしてみてはいかがでしょうか。
.
■スタイリストの声
「新規顧客の場合は、必ず前回までの施術内容を聞くようにしてます。一見しただけでは判断のつかない髪の状態もあるので」
美容師がカウンセリングで絶対に確認するポイント&質問内容
最後に、ベテランスタイリストに「このポイントを意識したら、うまくいくようになった」「この情報は絶対に聞くべき」というカウンセリングのコツを4つご紹介します。
1. 施術後ではなく「施術中」に確認を挟む
失敗リスクは「施術中のお客様への確認」で、大幅に軽減できます。
例えば「前髪を3㎝短くしたい」という希望があったとします。要望通り3cm短く切ったにも関わらず「想定より短すぎる」「もっと前髪の厚みを残してほしかった」という感想を抱くお客様も中にはいらっしゃるでしょう。これは施術中に、適宜お客様への確認を挟まなかったことが要因で招いたトラブルです。
施術中、こまめにお客様に経過を見てもらうことは、トラブル回避はもちろんお客様に安心感を与えることにも繋がります。
2. できない施術は正直に伝える
お客様の髪質や以前の施術内容によっては、要望通りの施術ができないこともあるでしょう。その場合、お客様の意に反することになっても「その施術はいまの髪の状態では難しいです」「施術にリスクがあるのでオススメできません」と、はっきり伝えましょう。
ハイダメージのお客様がパーマに来店されました。施術前にダメージのことを伝えトリートメントを勧めましたが、時間がないとのことで、ダメージの少ないパーマだけの施術となりました。時間もせかされていたので、パーマの放置時間も少なくしたところ、3時間後にパーマがだれてしまい「すごく傷んで髪が死んだ」と再来店。「警察に報告する」とまで言われました。
(Yahoo! 知恵袋より)
結果的にお客様のためになるのは勿論、自分自身の身を守るためにも「できない施術を正直に伝える」のは重要なことです。
3. して欲しくない施術・接客対応を聞く
新規顧客の場合、とくに「過去、施術中にされて嫌だったことや態度」を最初に確認しましょう。以前のサロンから乗り換えられた理由が「サロンへの不満」だった場合、その失敗を繰り返さないようにするためです。
ただし、いきなり「なぜサロンを変えられたんですか?」という質問をすると、抵抗感を抱くお客様もいます。「いま髪に対してお悩みがありますか?」「その施術は以前のサロンでされたんですか?」「お好みの過ごし方はありますか?」など、段階的にカウンセリングするのがおすすめです。
また可能であれば、口頭ではなくカウンセリングシートで事前に確認するのも良いでしょう。
4. 施術時間と料金はあらかじめ明確に伝える
美容師からすれば「施術時間が予定より10分延長になる」「税抜きの価格帯で値段を伝える」など、ごく当たり前のことかもしれません。しかしその小さな違いが、お客様の期待を裏切る危険性は十分にあります。
万一、想定していた時間を5分でも上回りそうな場合、施術中にお客様への確認を取るようにしましょう。また料金についても「何円くらいになります」ではなく、税込みの価格帯で正確に伝えると、よりお客様からの信頼が高まります。
まとめ
.
今回は「美容師はカウンセリングが苦手でも大丈夫?」というテーマで、現役美容師の皆さんにカウンセリングに対する意識調査や、カウンセリングをうまくこなすためのポイントについてお聞きしました。
現在活躍しているスタイリストも、その多くは「もともとカウンセリングが苦手だった」「いまもカウンセリングに苦手意識をもって仕事をしている」ことが、この度の調査で明らかになりました。
一朝一夕で得意になるものではありませんが、ぜひこの記事を参考に、ご自身のカウンセリング内容を見直してみてはいかがでしょうか。
★ JOBOONでは働きやすい「美容室」の求人紹介や、今回のような役立つコラム記事の配信を行っています。美容室の仕事に関するお悩みを解決したいなら、ぜひそちらも覗いてみてくださいね。