【現役美容師のリアルな声】美容師を続けるべきか迷う理由と対応策を紹介

「美容師の仕事が体力的にも精神的にもきつい」

「美容師に向いていないかもしれない」

「美容師から異業種に転職したいけど、後悔しないか不安」

 

美容師さんのなかには、このように考え美容師を続けるべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。

 

そこで、若手からベテランまでの現役で活躍する美容師さん(美容師歴3~46年)11名に、

 

  • ・これまで美容師を辞めようと悩んだことがあるか
  • ・美容師を辞めようと思った理由
  • ・美容師を辞めたいという不安を乗り越えられた理由

 

についてじっくりお話を聴きました。

 

また、美容師を続けるべきか悩んでいる方が考えたいことや取れる選択肢、美容師を辞めると発生しがちな後悔、美容師の経験を活かせる転職先についても解説します。

 

美容師を続けるべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

【美容師を続けるべき?】辞めたくなった理由と乗り越えた体験談

ヘアカットをするマスク着用の美容師とお客

 

お話をうかがった現役美容師さんの約80%が、「美容師を辞めたいと思ったことがある」と回答しました。

ここでは現役美容師さんへのアンケート調査をもとに、美容師を辞めたくなった理由と乗り越えた体験談を紹介します。

手荒れがひどい

美容師は洗髪業務が多く、パーマやカラーの薬剤を使用します。また、仕上げにスタイリング剤を使う場合はその都度手洗いをするため、手が荒れやすい傾向があります

お話をうかがった現役美容師さんのなかでは、手荒れが原因で美容師を辞めたくなったことがあると回答した方がもっとも多い結果となりました。

「2年目のアシスタント時代に、手荒れがすごくて、痛くて仕方なかった。シャンプーが苦痛だった。」(40代 女性 美容師歴22年)
「1年目のアシスタント時代に手袋をつけても手荒れをしてしまい、どんどんそれが悪化していった。」(20代 女性 美容師歴6年)

 

手荒れに悩んでいた美容師さんが、手荒れを乗り越えた体験談も合わせて紹介します。

「サロンで取り扱うシャンプーを手荒れに優しいものに変えてもらった。」(40代 女性 美容師歴22年)
「皮膚科で薬をもらって乗り切った。」(20代 女性 美容師歴6年)

体力的にきつい

体力面が原因で美容師を辞めることを考えたという回答もありました。

美容師さんの業務はほぼ1日立ちっぱなしなので、身体への負担が大きいと感じている方は少なくないでしょう。

 

過去に体力的な原因で美容師を辞めたいと思ったと回答した美容師さんの声を紹介します。

「11年目のスタイリスト時代はかなり忙しかったので、立ち仕事で腰痛がひどくなり、腱鞘炎にもなってしまった。」(50代 男性 美容師歴37年)

こちらの方は、乗り越えた体験談を次のようにお答えしていました。

「定期的に接骨院に通ってメンテナンスをしてもらっている。」(50代 男性 美容師歴37年)

 

 

ハードな練習

美容師として活躍するには、練習が欠かせません。練習がつらくて美容師を辞めたくなったことがあると回答した美容師さんもいました。

 

過去に美容師を辞めたくなったと回答した現役美容師さんの回答を見てみましょう。

「1年目のアシスタント時代にレッスンがなかなか受からず、自分には美容師が向いていないのではないかと悩んだ。」(20代 男性 美容師歴7年)

 

こちらの美容師さんは、次のように乗り越えたと仰っていました。

「先輩が相談に乗ってくれて乗り越えることができた。」(20代 男性 美容師歴7年)

 

人間関係の悩み

どこの職場でも人間関係はつきものといえるでしょう。過去に美容師を辞めたくなったと回答した現役美容師さんのなかには、人間関係が原因と回答した方もいました。

「6年目のスタイリスト時代に、スタイリスト同士の仲が悪くて、特に嫌味な先輩がいたのが嫌だった。」(30代 女性 美容師歴21年)

 

こちらの方は、転職して悩みを乗り越えたと回答していました。

 

休みがほとんどない

美容師の休日は一般的な会社員よりも少ないことがほとんどです。休日にも練習やセミナーがある場合はさらに少なくなるでしょう。

 

過去に美容師を辞めたくなったと回答した現役美容師さんの声を紹介します。

「3年目のときに勤めていたサロンが休日もレッスンやセミナーがあり、休みがほとんどなかった。」(30代 男性 美容師歴18年)

 

こちらの方も、転職して悩みを解消したそうです。

 

お客様からのクレームがきつい

美容師さんの心にダメージを与えるのは、やはりお客様からのクレームでしょう。

 

過去に美容師を辞めたくなったと回答した現役美容師さんのなかには、クレームが原因と回答した方がいらっしゃいました。乗り越えた体験談と合わせて確認しましょう。

「2年目のアシスタント時代に、カラーを塗っているときにお客様の服を汚してしまい激怒された。自分の不器用さが嫌になった。」
乗り越えた体験談「オーナーが誰にでも失敗は起こるからとフォローしてくれて、話を聞いてくれた。」(30代 男性 美容師歴11年)

 

「3年目のスタイリストになったばかりのころ、接客の態度、クレームをいただいたときに仕事をやめようと思った。」
乗り越えた体験談「先輩に指導してもらってカウンセリングの練習などをして乗り越えた。」(40代 女性 美容師歴25年)

 

 

お客様をがっかりさせてしまったときやリピーターが増えないとき

過去に美容師を辞めたくなったと回答した美容師さんからの回答のなかには、辞めたいと思ったことは何度もあるという回答も。理由は次のようなものでした。

「美容師を辞めたいと思ったことは何度もある。お客様を施術していてがっかりさせてしまったときや、リピートしてくれず失客が続くと、自信がなくなる。自分は向いていないのではないかと自問自答してよく悩んだ。」(60代 女性 美容師歴46年)

 

 

こちらの方は、次のように乗り越えたと回答していました。

乗り越えた体験談「自信がつくまでレッスンするしかないとひたすら練習した。」(60代 女性 美容師歴46年)

 

→ 現役美容師25名が語る「忘れられない失敗」8選を、エピソード付きで解説

 

美容師を続けるべきか悩んでいる方が考えたい3つのこと

3名のスタイリスト

 

美容師を続けるべきか迷っている方は、「本当に辞めてもいいのだろうか」と思い悩むものです。美容師を辞めたいと考える美容師さんは、まずは次の3点を考えてください。

 

 

  • ・辞めて後悔しないかしっかりと考える
  • ・心身に悪影響を及ぼしている場合はすぐに辞めたほうがいい場合も
  • ・辞めたい理由をしっかりと考える

 

 

辞めて後悔しないかしっかりと考える

美容師を辞めてから後悔したくないと、誰もが思っているはず。そのため、昔描いた夢を本当に諦めていいのか、美容師を辞める前に今一度考える必要があります。

 

今つらくても、将来的に自分のお店を持ったり、フリーランスの美容師として働いたりなど自由度が高い方法で働くことも可能です。将来への展望も加味して、今一度しっかりと自分と向き合ってみてください。

 

心身に悪影響を及ぼしている場合はすぐに辞めたほうがいい場合も

ストレスは心身に影響を与えます。悩みに悩んでそれがストレスになって心身に悪影響を与えている場合は、十分な休息が必要です。

 

場合によってはすぐに美容師を辞めたほうがいい場合もあるかもしれません。

 

不調が長引き、つらい日々を過ごしている方は、もしかしたら心身に支障をきたしている可能性があります。ひどい不調に悩まされている方は、医療機関への受診も視野に入れてゆっくり休むことを考えましょう。

 

辞めたい理由をしっかりと考える

美容師を続けるべきか迷っている方は、「待遇面が不満」「美容師に向いていない」など、辞めたい理由をしっかりと考える必要があります。

 

美容師を辞めたい理由によって、取れる選択肢は異なるからです。転職して同じことを繰り返さないように、しっかりと考えて行動する必要があるのです。

 

美容師を辞めたい理由を考えられたら、具体的にどのような選択肢があるのでしょうか。次章で、美容師を続けるべきか迷っているときに取れる選択肢を紹介します。

 

【パターン別】美容師を続けるべきか迷っているときに取れる選択肢

美容師を続けるべきか迷っている方の理由は、人それぞれ異なります。美容師を辞めたい理由別に、どのような行動に移せばいいのか選択肢を紹介します。

 

労働環境や待遇面に不満がある場合

労働環境や待遇面に不満がある場合は、別サロンに転職すれば解決できるかもしれません。また、店長に相談してみるのもいいでしょう。勤務体制や待遇を見直してもらえる可能性があります。

 

「拘束時間が長い」「給料に不満がある」など労働環境や待遇面に不満がある方は、悩みが解決されるサロンへの転職を検討しましょう。

 

美容師が向いていないと感じる場合

「仕事が楽しくない」「接客が苦痛」などと感じたら、一度美容師を離れてみるという選択もひとつ。美容師を辞めてみて、見えてくるものがあるかもしれません。

 

美容師に戻りたいと思ったら、戻ればいいのです。ただし、本当に辞めてもいいのか、じっくりと考えて答えを出す必要があります。悩みに悩んで、それでも美容師という職業にやりがいや価値を見いだせない場合は、辞めるという選択もいいかもしれません。

 

 

美容師を辞めると発生しがちな後悔とは?

笑顔で練習をするアシスタントと先輩スタイリスト

 

続いて、美容師を辞めると発生しがちな後悔を紹介します。

 

「辞めるタイミングが早すぎた」

アシスタント時代に辞めないほうがいいと先述しましたが、アシスタント時代に辞めてしまうと、「デビューまで頑張れなかった」という後悔が発生する可能性があります。また、アシスタント時代に辞めたことが転職時に不利にはたらく場合もあるかもしれません。

 

そのため、できればカットできるようになってから辞めるのがおすすめです。

 

「やっぱり美容師が好きだった」

仕事がつらくて辞めたけど、辞めてから美容師という職業がやっぱり好きだったと気づく場合もあるかもしれません。

 

先述したとおり、サロンを変えれば解決できる問題もたくさんあります。また、将来的に自分のお店を持ったり、フリーランスの美容師として働いたりなど自由度が高い方法で働くことも可能です。

 

昔描いた夢を本当に諦めていいのか、今一度考える必要があるでしょう。

 

「美容の知識を活かして転職すればよかった」

まったく美容と関連ない業種に転職した場合、美容への興味や転職先での困難から、美容関連の仕事に就けばよかったと後悔する可能性があります。

 

「やっぱり美容が好きだった」「未経験の仕事を始めたけどうまくいかない」などの後悔をする方もいるでしょう。

 

では、美容の知識を活かした転職を考えている人は、どのような転職先があるのでしょうか。

 

美容師の経験を活かせる転職先

人気のない美容室

 

次に、美容師としての知識や経験を活かせる転職先を3つ紹介します。

 

営業職

営業職なら、美容師として培った接客技術が活かせるかもしれません。美容業界の営業職だと、美容師としての知識も役立つでしょう。

 

特に美容系メーカーでは、シャンプーやリンス、スタイリング剤などの商品を取り扱うため、美容師の経験がダイレクトに活かせる場合があります。

アパレル業界

アパレル関係の仕事なら、接客技術やファッションへの興味を活かせることが多いです。特に接客スキルに自信がある方やファッションに興味がある方は、アパレル業界への転職でうまくいく可能性が高いでしょう。

 

美容部員

美容部員の仕事内容として、お客様にメイクやスキンケアをしたり、カウンセリングやアドバイスをしたりというものがあります。美容の知識や興味を活かして転職したい方は、美容部員という選択もひとつです。

 

また、接客やお客様との会話が求められる美容部員は、美容師時代に築いたコミュニケーション能力を発揮できるでしょう。

美容師を辞める理由の伝え方

最後に、円満退社のための注意点を確認していきましょう。

 

 

  • ・辞める理由は前向きに
  • ・早めに伝える
  • ・不満は言わない

 

 

サロンに不満があって退職する場合は、そのまま思っていることを伝えるとトラブルに発展する可能性があります。そのため、「新しい環境に身を置いて成長したい」というような前向きな理由を伝えるのが無難です。

 

また、店側としては次の人員確保の問題があるため、退職希望日から2~3カ月程度前に伝えるといいかもしれません。

 

→ 「辞めたい」と言えない美容師さん必見!プロ20名に聞いた退職事情や辞めるときのコツを紹介

 

美容師を続けるべきか迷う方は、広い視野を持って今一度考えてみよう

微笑んでいる女性美容師

 

美容師を辞めようか迷っている方は、そのままの勢いに任せて辞めるのではなく、辞めたい理由や将来への展望をよく考えてから判断する必要があります。

 

本記事で紹介した、現役美容師さんのリアルな声も参考にしながら、慎重な判断をしてください。

 

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