【現役美容師に聞く】美容師に役立つ美容系の資格や検定12選
スキルアップをめざす美容師さんのなかには、「仕事に活かせる美容系の資格や検定を知りたい」と思っている方もいるでしょう。
そこで、5年以上の美容師歴を持ち、現役で活躍する美容師さん13名に、次の内容についてお話をうかがいました。
- ・美容師におすすめの資格や検定、またその理由
- ・資格取得のための期間や学習内容
- ・資格が美容師の実務に役立つ場面
- ・資格取得を目指す美容師さんへのアドバイス
この記事では、現役美容師さんからのお話をもとに、美容師におすすめの美容系の資格や検定を紹介します。お客様とのコミュニケーションで役立つものも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
美容師のスキルアップに役立つ資格や検定
まずは、現役美容師さんがおすすめする、美容師のスキルアップに役立つ資格や検定を紹介します。
- ・ヘアケアマイスター認定試験
- ・オージュアソムリエ
- ・毛髪診断士
ヘアケアマイスター認定試験
ヘアケアマイスターとは、豊富なヘアケア知識を持っており、お客様の毛髪診断ができて適切な処置やアドバイスができることを認定する資格です。
「プライマリー」「ミドル」「マイスター1次」「マイスター2次」があり、プライマリーから順に受験可能です。
また、「ポーラスターコース」という、プライマリーコース試験合格者以上の方を対象とした試験もあります。「パーソナルブランディングによる顧客認知向上」を目的とし、サロンの空間作りや予防美容などを学びます。
ヘアケアマイスター「ポーラスターコース」をおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
男性・スタイリスト・美容師歴5年以上10年未満
おすすめは、ヘアケアマイスターポーラスターコースです。こちらのコースでは、美容室の空間作りなども学ぶことができるため、店内をお客様心理に合わせて具体的に変えることができると思いました。 1ヶ月程度、テキストを利用したりセミナーを受講したりして勉強しました。 この資格が美容師として役に立っていると感じる場面は、店販ディスプレイを考えるときやカウンセリングのときなどです。 ポーラスターコースは新設のコースですが学べる内容が幅広く面白いです!楽しんで学んでください! |
男性・スタイリスト・美容師歴10年以上
髪、頭皮、お肌を専門に扱う職業である以上、知識は絶対条件になるため、ヘアケアマイスター認定試験を受けました。 勉強した期間は、3年程度です。ヘアケアマイスターブック、書籍、オンラインサロンなどで学習しました。 この資格が美容師として役に立っていると感じる場面は、お客様にご説明・ご提案する際です。専門性があるため、説得力が増していると感じています。 お客様に喜んでもらうためには、最低限の知識は必ず必要です。資格取得を目的にするのではなく、お客様をイメージして勉強を頑張ってください。 |
参考:日本ヘアマイスター協会
オージュアソムリエ
オージュアソムリエとは、オージュアというヘアケア商品を知り尽くし、提案できるスペシャリストのことです。ヘアケアの専門的な知識や、ヘアケア技術、コミュニケーション技術などの高度なスキルを勉強します。
オージュアソムリエをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・アシスタント・美容師歴5年以上10年未満
オージュアソムリエはオージュアサロンならではの資格ですが、コミュニケーションなども学ぶので、お客様との信頼関係を築きやすくなると思います。資格を取得して、お客様との会話の幅が広がりました。 取得までの期間は、半年~1年程度です。資格を取得するために、リモート学習や講習などを利用しました。 資格を取得するのは大変ですが、目標に向かって頑張ってください! |
参考:Aujua
毛髪診断士
毛髪診断士は、公益社団法人日本毛髪科学協会が認定する資格です。毛髪に関する知識や、毛髪の状態を観察できる技術を得られます。2日間実施される講習会を受講し、認定試験に合格すると認定を受けられます。
育毛に特化した専門的な知識を持つことをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・美容師歴10年以上
薄毛・抜毛のお悩みが多いため、育毛に特化した専門的な知識を勉強したいと考えました。勉強期間は、1年程度です。 育毛に特化した専門的な知識を習得すれば、お客様とのコミュニケーションが変わるので、頑張ってください。 |
美容師としての活躍の場を増やす資格や検定
- ・着付け技能検定
- ・日本メイクアップ技術検定
- ・マーケティング検定
- ・理容師免許
着付け技能検定
着付け技能検定は、全日本着付け技能センターが主催する検定です。試験に合格すれば、着付けに関する知識と技能を持っていることを証明できます。着付け技能検定には、1級と2級があります。学科試験と実技試験をクリアすれば合格です。
着付けのスキルを習得することをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・美容師歴10年以上
着付けのスキルがあれば、息の長い美容師として残れる可能性が高まると思います。 3年程度学びました。着付け教室に通い、規定のカリキュラムを修了して勉強しました。 実際に、成人式などの顧客獲得につながっていると感じています。 |
参考:全日本着付け技能センター
日本メイクアップ技術検定
日本メイクアップ技術検定試験は、一般社団法人JMAが主催する検定です。資格取得のための勉強では、スキンケアやメイク方法の技術力や接客力、知識力を高めることができます。
メイクの資格を取得することをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・美容師歴5年以上10年未満 トータルビューティーを目指して、メイクを勉強しました。教材を使って学習したり、実技で練習したりしました。 |
美容師がメイクのスキルを持っていれば、着付けやドレスアップ用のセットメニューを設けているサロンなどでも活躍できます。美容師として活躍の場を広げたい人におすすめの検定です。
参考:一般社団法人JMA
マーケティング検定
マーケティング検定は、公益社団法人日本マーケティング協会が主催する検定です。試験では、マーケティングの知識や理解があるかどうかを見られます。学生や社会人など、誰でも受験できます。2023年1月時点では3級のみ受験可能です。
マーケティングの知識を学ぶことをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
男性・美容師歴10年以上 サロンの仕組み作りに活かすために、マーケティングを学びたいと思いました。マーケティングを学べば、属人的にならない売れる仕組みを理解することができると感じています。 本、セミナー、研修などを利用して、半年程度学習しました。 マーケティングを学ぶには、美容業界だけでなく、異業種にも目を向けることがポイントだと思います。 |
ヘアサロンは競争が激しい業界のため、マーケティングの知識は自分でサロンを経営するときに役立つでしょう。
理容師免許
理容師免許は、資格や検定ではなく、国家試験です。美容師と理容師は、どちらも髪を扱う国家資格ですが、決定的に違う点は、理容師は顔剃りや髭剃りができ、美容師はできない点です。
美容師が理容師免許を取得するには、理容師養成学校に通って、国家試験を受験しないといけません。養成学校は、昼間課程または夜間課程の場合は1年以上、通信過程だと1年半以上学ぶ必要があります。
理容師免許をおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・経営者・美容師歴10年以上
シェービング、刈り上げスタイルを希望するお客様が多いため、理容師免許を取得しました。免許を取得するには、知識だけではなく、実際の技術も磨く必要があります。私は3年程度学習しました。 「理容師免許」が美容師として役立っていると感じる場面は、フェードカットという、サイドやバックを刈り上げるスタイルを作るときです。お客様からも喜ばれています。 |
参考:理容師法施行規則等の一部を改正する省令等の施行について|厚生労働省
カウンセリングやコミュニケーションに役立つ資格や検定
続いて、現役美容師さんがおすすめのカウンセリングやコミュニケーションに役立つ資格や検定を紹介します。
- ・色彩技能パーソナルカラー検定
- ・色彩検定
- ・ホロスコープ鑑定士
色彩技能パーソナルカラー検定
色彩技能パーソナルカラー検定は、NPO法人日本パーソナルカラー協会が主催する検定です。色彩の基本的な理論を学習し、色を見分けるための訓練ができます。検定は、モジュール1(初級)~モジュール3(上級)までの3つのグレードにわかれて実施されています。
パーソナルカラーとは、肌や瞳、髪色などに最も合うカラーグループのことです。
パーソナルカラーを学ぶことをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・美容師歴10年以上 「色彩技能パーソナルカラー検定」が美容師として役に立っていると感じる場面は、カラーカウンセリングのときです。パーソナルカラーを見ることができるので、勉強して良かったです。 資格を取得するまでの期間は、1週間未満。公式テキストや過去問などで学習しました。 パーソナルカラーの知識を持っていれば、カウンセリングの提案の幅が広がるので、頑張ってください。 |
色彩検定
色彩検定では、色の基礎から配色技法、専門分野での利用など、幅広く学習します。
1~3級、またUC(色のユニバーサルデザイン)級があり、どの級からでも受検できます。
色彩検定をおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・美容師歴10年以上
カラーや似合わせのために、色彩検定を取得しました。1年程度、テキストや講習を利用して学習しました。お客様のパーソナルカラーを見るときなどに役立っています。専門学生の間に取得しておくのがおすすめです。 |
男性・スタイリスト・美容師歴5年以上10年未満
色彩を知っているとより提案の幅が広がるため、色彩を勉強しました。カットも服装の色を見て提案できると感じています。1ヶ月間、色彩学の教材を利用して学習しました。 |
参考:色彩検定
ホロスコープ鑑定士
ホロスコープ鑑定士は、日本メディカル心理セラピー協会による資格です。
ホロスコープとは、個人が誕生した瞬間の諸惑星の位置関係を図で示したもの。この占星術の知識を利用して、相手の性格や適正などを見出し、未来をより良いものにするために占うことができます。
ホロスコープを学ぶことをおすすめする現役美容師さんに、お話をうかがいました。
女性・スタイリスト・経営者・美容師歴10年以上 お客様に楽しんでいただけるため、次回来店の動機を作れる点が気に入っています。新しい価値を作れるし、お客様からの相談へのアドバイスの切り口が増えていると感じます。 |
まとめ
現役で活躍する美容師さんは、さまざまな資格を取得していることがわかりました。施術のスキルをダイレクトに磨ける資格、接客に活かせる資格、カウンセリングに役立つ資格など、多方面で活躍するスキルを持っていれば、美容師として働くうえで役立つでしょう。
スキルアップを目指す美容師さんは、次の記事も参考にしてください。
→ 現役美容師が実践しているスキルアップ方法とは?4つの観点から紹介
JOBOONでは、ほかにも美容師さんにコラムを発信しているので、ぜひご覧ください。