働きやすい美容室の特徴を37名に調査│失敗しないサロン選びのコツも解説
数ある業種の中でも、とりわけ離職率の高さが目立つ「美容師」というお仕事。
その理由の1つに「長期的に働くのが難しい、過酷な労働環境や条件」が挙げられるでしょう。
しかし、その一方プライベートや育児との両立を図りながら、長期的に勤められるような「働きやすいサロン」が存在していることも事実です。
今回は、現役美容師37名に協力をいただき、サロン就職で失敗しないために知っておきたい「働きやすいサロンの特徴11選」をご紹介します。
現在サロンの変更や就職活動に悩んでいる方は、ぜひご一読ください。
働きやすい美容室に該当する8つの特徴(男女共通)
まずは、無理なく就業できる美容室を選ぶために押さえておきたい「働きやすいサロンに該当する8つの特徴」についてご紹介します。
働きやすいサロンの8つの特徴
- 1.スタッフ間の仲が良好
- 2.就業時間内でレッスンが終わる
- 3.自宅から通いやすい距離
- 4.給与が労働に見合っており、給与条件が明朗
- 5.希望に沿って有給が取りやすい
- 6.人手が足りており忙しすぎない
- 7.スタッフ・顧客の年齢層が自分と近い
- 8.オーナーと相性が良い・尊敬できる
1.スタッフ間の仲が良好
働きやすい美容室の条件、1つ目は「スタッフ間の仲が良好であること」です。美容室に限らず、働きやすい職場であるかどうかは「人間関係の良し悪し」で半分以上変わると言っても過言ではありません。
「プライベートでの交流の多さ」や「出勤時の会話量」といった表面的な要素だけでなく
- ・上下関係が厳しすぎないか
- ・ピリピリとした空気感がないか
- ・仲間同士で助け合っていこう、という協力的な意識があるか
- ・あなたが無理なく意見を伝えられる雰囲気があるか
といった点を重視して、人間関係の良し悪しをはかるのがおすすめです。
【現役美容師の声】
一緒に働くスタッフの人柄は本当に大事です。
私は以前のサロンを人間関係を理由に辞めていて、当時は先輩の指導が厳しく嫌味も頻繫に言われ、毎日出勤するのが嫌で仕方なかったです。
今の店は先輩もオーナーも優しいし、いい意味でサバサバしてるので、お客さんや業務に集中できて働きやすいです。
(20代 女性)
2.就業時間内でレッスンが終わる
働きやすい美容室、2つ目の特徴は「就業時間内に、きちんとレッスンやカリキュラムが終了する」です。
「通常の業務後にレッスンがあり、終電近くまで練習に追われる」というサロンはまだまだ多いものの、長時間の拘束が当たり前になることは、スタッフの体力的にも精神衛生的にも望ましくありません。
その点、就業前や就業時間内にレッスンが組まれているサロンであれば、定時で帰宅できるため心身への負担は大幅に軽減できるでしょう。
【現役美容師の声】
友達が働いてるサロンは営業終了後、遅くまでレッスンをしていて大変そうだった。その点、自分の店は営業時間内でレッスンが出来るようにカリキュラムされてるので、20時くらいには店をあがれていた。
(20代 女性)
レッスンが営業時間前もしくは営業中だったので、終業してからすぐに帰れるのが嬉しい。
(20代 男性)
3.自宅から通いやすい距離
3つ目のポイントは「自宅から距離の近いサロンを選ぶこと」です。
「朝早く・夜遅い働き方」になりやすい美容師にとって、実は負担となりやすいのが毎日の通勤時間です。
仮に自宅から20分のサロンに勤めるのと、片道1時間かかるサロンに勤めるのとでは、それだけで1日1時間20分もの時間差が生まれてしまいます。
自分のプライベートを十分に確保するためにも、無理なく通いやすい距離の店舗を選ぶことが大切です。
4.給与が労働に見合っており、給与条件が明朗
4つ目のポイントは「納得できる金額のお給与がもらえること」です。収入が安定することで心理的な余裕も生まれやすく、また業務にも意欲的に取り組むことができるためです。
逆に「労働時間に給与が見合っていない」「どういった評価で給与が支払われているか不明瞭」なサロンに所属すると、仕事やお客様へのモチベーションが保てないため、長期的に安心して働くことは難しいでしょう。
- ・給与水準は他のサロンと比べ低くないか
- ・有給はきちんと取得できるか
- ・仕事量や目標達成が、きちんと給与に反映されるか
- ・インセンティブの制度があるなら、反映の仕方は適切か
などの項目を考慮し、働くうちに「給与に対して不満が湧いてしまう」懸念がないか、事前によく確認しておきましょう。
5.希望に沿って有給が取りやすい
5つ目の見るべきポイントは「前からきちんと申請すれば、希望通りに有給が取得できること」です。
親族や友人の結婚式、子どもの行事、家族旅行などの理由で、希望通り有給を取得できるサロンかどうかは、働きやすさを左右する重要な条件です。
人手が足りていない店舗やスタッフへの配慮が欠ける店舗の場合、「友人の結婚式でも休ませてもらえなかった」「子どもが熱を出しても休ませてもらえなかった」というケースも珍しくありません。スタッフの休暇に理解のある店舗ないしオーナーであるかは、入社時によく確認しておくことが望ましいでしょう。
【現役美容師の声】
以前のお店はほとんど長期休暇が無く、旅行などにも行けなかった。今の職場は定期的に長期休暇があり土日も休む事が可能なので、友達と予定を合わせやすく助かっている。
(20代 男性)
今の店は、事前に事情を話せば日曜日でも休みを取らせてくれるので、親族や友人の結婚式にも参加できた。また子どもの急な体調不良で抜けたときも、残りのスタッフがフォローしてくれた。
(30代 女性)
6.人手が足りており、忙しすぎない
6つ目のポイントは「店が忙しすぎず、人手が十分に足りていること」です。
お客さんの回転が早く常に忙しい店舗、あるいは人手が常時不足している店舗に就業してしまうと
- ・週2日の休みが十分に取れない
- ・突発的な事情では休めない
- ・どんな事情があっても土日や繁忙期は休めない
- ・業務過多で、十分に身体を休められない
といった「労働時間」や「休みやすさ」に関する問題が発生しやすくなるためです。
就職時は必ず「サロンの希望や顧客数に対して、十分に人手が足りているか」を、よくチェックするようにしましょう。
7.スタッフ・顧客の年齢層が自分と近い
7つ目のポイントは「スタッフやお客さんの年齢層が自分に合っているか」です。
例えば「自分だけ30代で、他のスタッフは大半が10代~20代半ば」「自分だけ20代で、他は30代後半~40代の主婦ばかり」といった環境になると、互いに気を遣ってしまったり、疎外感を感じやすかったりということが生じやすくなります。
またお客さんの層に関しても、自分が20代で顧客が40代以上の方ばかりとなれば「会話が弾みづらい」「もっと若い層向けのスキルを伸ばしたい」といった不満が生まれてしまうかもしれません。
サロン選びの際は「働いているスタッフの年齢層や男女比率」「お客さんの年齢層や男女比率」をよく確認した上で、ストレスなく働けるかを判断しましよう。
8.オーナーと相性が良い・尊敬できる
8つ目のポイントは「オーナーとの相性が良く、人柄を尊敬できること」です。
先述の通り「職場の人間関係」は働きやすいサロンの条件として、非常に大事な要素です。その中でも、サロンの方針や個人の労働条件を決定する「オーナー」と相性が良いかどうかは、長期的に働く上で外せないポイントと言えるでしょう。
例えば「体調不良時の休みの取りやすさ」1つを取っても、オーナーの「スタッフへの理解や思いやりのあるなし」で、休みが取得できるか否かは変わります。給与や労働時間といった「条件」でサロンを選ぶことも大切ですが、同様に「オーナーの人柄や信頼できるかどうか」といった観点も忘れないようにしましょう。
【現役美容師の声】
経験15年ほどですが、オーナーの人柄は本当に大事です。以前勤めていた店のオーナーが「毒舌、平気で客の悪口を言う」「休みを取りたいというと機嫌が悪くなる」という人で、そのときは出勤するのも億劫で、顔も合わせたくないような状態でした。
いまの店長は急に病気で休んでも文句も言われず、気さくな性格なので相談もしやすく、優しい人なので助かっています。
(30代 男性)
以上が男女に共通する「長期的に働きやすいサロンのポイント8つ」でした。
女性が働きやすい美容室に該当する3つの特徴
続いては、特に「女性が働きやすい美容室」を見抜くために、気にすべき3つのポイントについて解説します。
出産や家事・子育てなど、最近ではパートナーと協力してやる家庭が増えてきてはいるものの、現実的には女性の比重が大きくなりがちであることも事実です。
【女性が働きやすいサロンの特徴】
- 1.産休・育休の取得実績がある
- 2.実際、ママさん美容師が働いているor 育児への理解がある
- 3.パートや業務委託など、融通の利く働き方を選択できる
1.産休・育休の取得実績がある
女性が働きやすいサロンを選ぶ際、見るべきポイント1つ目は「過去に産休・育休の取得実績が十分にあるか」です。
多くのサロンが「産休・育休制度」自体は設けているものの、実際に産休や育休を取得した後、復帰しているスタッフがどのくらいいるのかが重要です。
また仮に産休や育休が取得できたとしても、人手不足だったり過去の実績が少ないサロンの場合
- ・店舗が忙しすぎて、産休の直前まで出勤せざるを得なかった
- ・出産後も「早く復帰してほしい」と急かされ、十分に育休が取れなかった
- ・育休明けの待遇(給与や働き方など)がかなり悪くなる
といったネガティブなケースも珍しくありません。
将来的に仕事と育児を両立したいと考えているなら、産休・育休の実績や、育休明けの働き方について、しっかり確認してサロンを選びたいところです。
【現役美容師の声】
産休・育休が取れるかどうかは、女性なら必ず確認した方がいいです。いまのサロンは私が取得するまで産休育休の取実績がなかったですが、オーナーが最初に「今後を見据えて産休育休を必ず導入するから」と言ってくれました。
ただ「いつまで働くか」「いつから復帰するか」「復帰後の契約はどうする?」みたいなすり合わせが、前例がなく大変だったので、すでに実績のあるサロンの方がスムーズに産休や育休が取りやすいのは間違いないです。
(40代 女性)
2.ママさん美容師が働いている or 育児への理解がある
2つ目のポイントは「実際、家庭と仕事を両立しているママさん美容師がいるか」です。仮に現役でいない場合も、過去に働いている実績があるかは、入社前によく確認しておきましょう。
ママさん美容師が実際にいるサロンの場合、子どもが急な熱を出した場合の対処や、保育園のお迎えのための早上がりなど、育児への理解が得られやすいといったメリットがあるためです。
また出産や子育てに知見のあるスタッフが職場にいることで、育児や仕事との両立について色々と教わることができるというメリットもあります。
【現役美容師の声】
オーナーが子育てを経験されている女性の方だったので、子どもの病気など急な事でも対応しやすかったのは助かりました。仮に1人が抜けても回るような体制にされていたので、その点はすごく有難かったです。
(30代 女性)
「子どもの事を第一に考えるように」と言ってくれるオーナーでした。また行事ごとや体調不良で休みを取るとき、未婚のスタッフ達も協力的で支えてくれたのがありがたかったです。
産休中も早上がりさせてもらったり、雑務や掃除は他の子が変わってくれたりしていました。
(30代 女性)
3.パートや業務委託など、融通の利く働き方を選択できる
3つ目のポイントは、子どもの成長や家庭の事情にあわせて「パート」や「業務委託」「時短勤務」など、臨機応変に働き方を選べるかどうかです。
とくに子どもさんが小さい時期は、急な発熱や体調不良で仕事を休まなければいけない機会も多く、以前のようなフルタイムでの働き方が難しいケースも少なくありません。
また保育園の送り迎えや家事なども増えるため、朝早く・夜遅くまでといった働き方も難しくなります。
そうなったとき、例えば「出勤日の決まりがなく、働いた分だけお給与がもらえる『業務委託』にシフトしてもらう」「保育園に間に合うよう、17時までに退勤できる『時短の正社員』にしてもらう」など、プライベートと両立が図りやすい労働契約が実現できると、お母さんでも無理なく長期的に就業することができます。
【現役美容師の声】
復帰後はフルタイムでなく、業務委託(売上の6割を給与として受け取る)に働き方を変更しました。
シフトや休みの自由が効きやすくなったので、子育てを考えると良かったと思います。
(30代 女性)
近くに私の実家があったので、保育園に入れるまでは、両親に面倒を見てもらってフルで仕事にいってました。
保育園に入ってからはパートに切り替え、帰宅途中に子どものお迎えに行って、買い物をして帰る……みたいなサイクルをしていました。
(40代 女性)
以上、女性の働きやすい美容室を見分けるポイントでした。
美容師は男女を問わずキャリアを形成しやすい職業でもあります。
家庭と仕事とをうまく両立するためにも、育児やライフイベントに理解が得やすい環境かどうかを、しっかり見極めた上で就業先を選択しましょう。
働きやすいサロンを選ぶため、就職時に見るべきポイントとは?
最後に、今回アンケートに協力していただいた現役美容師の皆さんに「店を変えたい美容師さんに伝えたい、サロン選びで見るべきポイント」について教えていただきました。
いまの就業先を変えようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
「サロン選び」で失敗しないため見るべきポイント
「長く働けると確信がもてるか」で、判断するのがいいと思います。
「スタッフ間の雰囲気があまり良くなさそうだけど、給与はいいから」みたいな感じで入ると、結局1~2年で辞めてしまうことになる。
(30代 男性)
オーナーさんが、スタッフをどれだけ大事にしているかは重要。お客様も大事ですが、まずは「スタッフ第一」で考えてくれているかどうか。
(30代 男性)
待遇面を見がちになると思うけど、若いうちは「自分の経験値や市場価値をあげられるか」で、サロンを選んでもいいかもと思う。
やっぱり、身につけた知識やスキルは死ぬまで自分の財産になるので。
とくに女の子は出産などのライフイベントがあると、ガツガツ仕事するのが難しくなる。だからこそ、自由の効きやすい若いタイミングで、経験を取りに行くのは大事かもしれない。
(40代 女性)
「自分のライフスタイルにマッチするかどうか」は、重要だと思います。
いまのサロンはスタッフが全員女性で、子どもが小さい時期は、お休みの曜日や早上がりなども優遇してくれました。
子どもがそこそこ大きくなり休みなども融通が効くようになってからは、私が他のお母さんスタッフをサポートしたり、それぞれが大変なタイミングで支えあえるかは大事だと思います。
(40代 女性)
人間関係や職場の雰囲気の良さを見るために、必ずサロン見学や体験入社をさせてもらう。
その中で、バックルームの空気感や働いてるスタッフの様子とかを、しっかりチェックすることが大事と思う。
(30代 女性)
以上、現役美容師に聞く「働きやすいサロンを選ぶために、見るべきポイント」でした。
まとめ
「働きやすいサロンに該当する11の特徴」についてご紹介しました。あなたがいま勤めているサロンは、いくつの条件を満たしていましたか?
心身共に健全な状態で長期的に働くのであれば「働きやすい条件のサロン」にこだわって就職することが重要です。
この記事で紹介した「働きやすいサロンの条件」や「選び方」を参考に、あなたが安心して働けるサロンを見つけてくださいね。
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