美容師30名に聞いた「嫌いなお客さまの特徴10選」とは?対処法も紹介

 

「態度に出しちゃダメだけど、どうしても嫌いなお客様がいる

「可能であれば、今すぐにでも出禁にしたい

 

そんな「どうしても我慢できないほど嫌いなお客様」に、美容師であれば、誰でも一度は接触したことがあるのではないでしょうか?

 

この記事では、そんな「嫌いなお客様の特徴やエピソード」について、現役スタイリスト30名にアンケート調査を実施。リアルな不満や、それぞれが実践している対処法などをまとめました。

 

✓ 嫌いなお客様へのイライラが募っている(悩みを共感したい)
✓ 嫌いなお客様に、他の美容師がどう対処しているか知りたい

 

そんなアナタはぜひ、ご一読いただけますと幸いです。

 

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現役美容師に聞いた、嫌いなお客さまの特徴10選

 

怒っている美容師

 

これまで数え切れないほどの接客をしてきた美容師だからこそ

 

「どうしても好きになれない」
「来るたびに憂鬱な気持ちになる」

 

そんなお客さんがいるのは、ごく自然なことでしょう。中には信じられないような理不尽な要求をしたり、自分本位な態度をとったりするお客さんもいらっしゃるかもしれません。

 

現役スタイリスト30名に聞いた「嫌い・苦手なお客さんの特徴10選」についてご紹介します。

 

  1. 1.無理な施術を依頼してくる
    2.予約時間を守らない
    3.文句を言うものの、毎回指名してくる
    4.無口
    5.平気でドタキャンする
    6.「お任せで」というものの文句を言ってくる
    7.大声で怒鳴る
    8.プライベートなことを大声で話す
    9.連絡先を聞いてくるお客様
    10.他のサロンと比べてくる

 

1.無理な施術を依頼してくる

嫌いなお客様の特徴1つ目は、現実的に難しい髪型や髪色をオーダーし、お断りしても納得してくれないことです。

 

「ブリーチ無しで、かなり明るい髪色を要求される」
「チリチリのダメージ毛にパーマを当てたいと言われる」

 

など、髪色や状態・長さによっては不可能な施術(すべきでない施術)があるにもかかわらず、提案を素直に聞き入れてくれないお客様に対して途方に暮れてしまう美容師は少なくありません。

 

数か月前に「黒染め」をしたばかりのお客様から「イメチェンをしたいので、全体を明るめの色味で染めてほしい」と言われるパターンは困ります。

 

通常より色味が入りづらいので「もう少し暗めの色がおすすめです」と何度も伝えたものの、それでもやって欲しいからと色を入れたら「思ってたのと違う」と……じゃあどうすれば良かったの?となったことがあります。

(女性 30代)

以前、ブリーチ直後に縮毛矯正をしたいと言われ「髪のダメージが気になるので、もう少し期間をあけましょう」とお伝えすると「なぜ言うことを聞いてくれないのか」と不機嫌になられてしまったことがあります。

(男性 30代)

 

2.予約時間を守らない

嫌いなお客様の特徴2つ目は「予約時間を守ってくれない」です。

 

指定した時間を破られてしまうと、お客様本人だけでなく、その後に予約を入れている別のお客様にも迷惑をかけてしまうことに。中には1度だけでなく、毎回当然のように遅れてくる「常習犯のお客様」もいらっしゃいます。

初来店の女性でしたが、30分近く遅れてきたにも関わらず「指定の時間までにやって欲しい」と言われました。施術後、時間ギリギリになったことへ明らかにイライラされており、思わずこちらもイラっとしてしまいました。

(20代 男性)

過去に何度か施術した男性が、いきなり予約時間外に来店。他のお客様と並行しながら、カウンセリングでスタイルも決定し、最終的にカットも終了したタイミングで「もう少し違う感じにしてください」と。。最初の希望とはまったく違うスタイルを注文されたので、さすがに唖然としてしまいました。

(30代 男性)

 

3.文句を言うものの、毎回指名してくる

嫌いなお客様の特徴3つ目は「施術中や仕上がりを見て毎回文句を言ってくるのに、なぜかいつも指名で来る」です。

 

「いつも仕上がり後にお直しを要求してくる」
「毎回、終わった後に『もっとこうして欲しかった』と言ってくる」

そんなお客様ほど、なぜか指名して通ってくるということが、美容師の世界では少なくないようです。

「仕上がりが気に入らない」と怒ってくるが、毎回指名して来られるおばさまがいた。

細かくヒアリングして仕上げていくが、必ず何かに対して「気に入らない」と言ってくるので、4回目に来た際に「わたしでは技術的に対応できないので」と他店での施術を勧めた。

(40代 男性)

 

4.無口

苦手なお客様の特徴4つ目に挙げられたのが「無口で不愛想」なことです。

 

人見知りや口下手なお客様もいるため、決して無口なのが悪いわけではありません。しかし「接客が難しい」「意思疎通ができない」という理由から、口数の少ないお客様に苦手意識を感じる美容師さんは一定数いらっしゃいます。

施術中、なにを質問をしても答えてくれないお客様。雑談でなく「長さ大丈夫ですか?」「温度、熱くないですか?」なども答えないお客さんが意外と多くて困る。

(20代 男性)

 

全身に「話しかけるなオーラ」をまとっている人は、接客しづらいなと思います。

(20代 女性)

 

5.平気でドタキャンする

嫌いなお客様の特徴5つ目は「予約していたのに、直前に平気でキャンセルしてくる」です。

 

中には何の連絡も入れずにすっぽかす「質の悪いお客様」もおり、悪質なキャンセルに多くの美容師が悩まされいます。

常連さんに、キャンセル癖のある女の子がおり、毎回予約を入れられる度に「今回は本当に来るのかな」と半信半疑になっていました。遅刻・当日キャンセルは当たり前で、無断で来店されなかったことも複数回あります。

何度目かの無断キャンセルをされたタイミングで連絡を絶ち、それ以降はお会いしていませんが。

(30代 男性)

 

6.「お任せで」というものの文句を言ってくる

嫌いなお客様の特徴6つ目は「『お任せで』と言ってくるものの、毎回施術後に不服そうな反応をする」です。

 

実は美容師さんにとって難しい「お任せでお願いします」というオーダー。頭を悩ませて提案したスタイルに「もっとこうして欲しかった」と言われてしまうと、「じゃあ最初から言ってくれればよかったのに」と落ち込んでしまいます。

希望のスタイルがないまま来店され「お任せで」と言われたので、お客様にも要望をヒアリングしながら(トレンドぽくしますか?家でどんなお手入れをされますか?等)カットしました。

 

確認の段階ではお客様も「それでお願いします」とおっしゃられていたのに、いざ仕上がった後で「髪型が似合っていない」「もっとこうして欲しかった」ダメ出しの嵐を受けることに。「お任せ」といって、文句ばかりいう方は苦手です。

(40代 女性)

 

7.大声で怒鳴る

嫌いなお客様の特徴7つ目は「サロンで他のスタッフやお客様がいるにもかかわらず、大声で怒鳴ってくる」ことです。

 

他のお客様への迷惑になる上、スタッフやお客さんの目の前で怒られるのは、耐え難い恥ずかしさがあります。

お客様の髪の状態的に不可能な施術だったので、丁寧に「難しいです」と断ったところ、お客様が激怒。そのまま帰られてしまった。

(40代 男性)

数年前ですが「仕上がりが気に入らない」という理由で、他のお客様もいる中、年上の女性のお客様にめちゃくちゃに怒鳴られたことがあり、恥ずかしくてその場から消えたくなりました。なぜかその後も指名で来ていましたが……。

(30代 女性)

 

8.プライベートなことを大声で話す

8つ目の嫌いなお客様の特徴は「本人・美容師を問わず、プライベートな内容を大声で話してくる」です。

 

例えば、会社の上司への不満、旦那さんや奥さんへの不満、知り合いの恋愛・家庭事情など、繊細な情報を誰にでも聞こえるような声で話し続けられると「反応に困ってしまう」「違う話題に変えたくなってしまう」という美容師も少なくありません。

以前、ご自身のプライベートな悩み(主に上司の方との不倫について)を大きい声で相談されるお客様がいて、そのときは毎回ヒヤヒヤしていました。反応にも困りますし、声が響くので他のお客様やスタッフにも筒抜けだったと思います。

(30代 女性)

指名で来られるお客様に、毎回上司や奥さんの悪口ばかりいう方がいらっしゃり、施術後はいつも不快な気分になります。「大変ですね」というと「まあ、君には分からないと思うけど」と言われカチンとくるので、最近はそれも言わないようにしてます。

(40代 男性)

 

9.連絡先を聞いてくるお客様

嫌いなお客様の特徴9つ目は「個人の連絡先を熱心に聞いてくる」ことです。

 

とくに1度断ったにもかかわらず、何度も「連絡先を教えてほしい」と言ってくるお客様は、美容師にとってもストレスの対象となってしまいます。

何度かお断りしたのに、熱心に連絡先を聞かれたり「今度、食事に行こうよ」と誘ってくる男性のお客さんがいらっしゃいました。そのときは毎回指名で来店されるたび憂鬱で、結局店長に相談し、他の美容師さんに担当を変わってもらうことで解決しました。

(20代 女性)

10個上のお客さんに好かれてしまった経験があり、そのときは困りました。接客の度にLINEを聞かれて断っていたのですが、僕の仕事が終わるまで店の前で待たれたことが複数回続き、最終的に店にも迷惑をかけそうだったので出禁にしました。

(30代 男性)

 

10.他のサロンと比べてくる

嫌いなお客様の特徴10個目は「以前、ご自身が通っていた他のサロンと比較をしてくる」ことです。

 

「前の担当なら、何も言わなくてもいい感じに仕上げてくれてたのに」「前のサロンだったら、1,000円安く利用できたのに」など、前に通っていた店舗や担当美容師と比較されると、美容師側としても「じゃあ前のお店にいけばいいのに」と思ってしまうものです。

毎回、10分~20分遅れてくるお客様がいて、一度「他の方もいらっしゃるので、なるべく時間通りに来てくれたら嬉しい」と伝えたところ「前行っていたお店では文句を言わず対応してくれてたのに」と言われてカチンときた。まず謝罪してほしいし、それとこれとは関係ないだろうと。

(30代 男性)

旦那さんの転勤でこられたという女性のお客様を担当したときのことです。毎回、ああして欲しい・こうして欲しいと無理難題を言ってこられるので、素直に難しいですとお伝えすると「前のサロンでは上手にやってくれてたのに」とため息。

お会計のときも「この内容で、前通っていたサロンより2,000円も高いなんて信じられない」といつも嫌味を言ってくるので、接客するのが本当に苦痛でした。

(30代 女性)

以上、現役のサロン美容師に聞く「嫌い・苦手なお客さんの特徴10選」でした。

続いては、そんな難しいお客様に対して、実際に美容師が行っている対処法についてお話しします。

嫌いなお客様・困ったお客様に実践している対処法

どれだけ苦手なお客様であっても、簡単に指名や来店をお断りすることはできません。

 

嫌いなお客様への対応をやりきるため、美容師が実践している対処法についてお聞きしました。

 

1.無理なオーダーをされたときは「きちんと説明し断る」

髪の長さや毛量的に難しいスタイルをお願いされたら、なぜ無理なのかを1つ1つ丁寧に噛み砕いて説明する。失敗したら責任を負えないことも伝えた上で「おすすめできないが、それでもやりたかったら他店でお願いします」と言う。

(30代 男性)

現実的に難しい髪色や髪型を希望し、説得しても折れないお客様に対しては「なぜ施術できないか」をリスクも踏まえて、丁寧に説明してあげることが1番の対処法です。

「それでもやりたい」とお客様が言われた場合も、根負けして希望を受けるのではなく、謝罪して別のサロンでの施術を勧めるのが望ましいでしょう。

 

2.無口なお客様には「カウンセリングシートを活用する」

こちらが話しかけても返答がないようなお客様、意思の疎通が難しいお客様には、積極的にカウンセリングシートを使ったり、雑誌を見せたりして、相手の希望を汲み取るようにしてます。あと言葉にするのが苦手なお客様だったら「AとBどちらがいいですか?」と、選択制にしてあげたり。

(40代 男性)

あまり話すのが得意でない、もしくは不愛想で会話が難しいお客様であれば、無理やり会話をするのではなく、その他の手段で対処するのがおすすめです。

また無口な方への接客方法として「会話は最小限にとどめ、あとは雑誌と飲み物を取り替えるタイミングだけ気にかけるようにしています」という意見もありました。

3.態度が横暴・口の悪いお客様には「否定も同調もしない」「やり過ごす」

威圧的な態度を取ってきたり、すぐ悪口やゴシップばかりしてくるお客様もいますが、そういう方にも「普段と変わらないフラットな接客」を心がけています。相手が何を言ってきても「そうなんですね」と聞き流す。否定も特にしませんが、同意や共感はしないようにしてます。

(30代 男性)

常に高圧的で、自分に対してもアシスタントに対しても態度や口調が悪い常連のお客様がいらっしゃったんですよね。そのときはあまり他のスタッフを関わらせないようにして、僕だけが対応し、施術を出来るだけ早く終わらせるよう意識してました。

(40代 男性)

態度や言動に問題のあるお客様には、とにかくことを荒げず「お客様だから」と割り切って施術するのが一番でしょう。言動を否定するのはよくありませんが、あえて同調する必要もありません。

 

可能であれば来店の際は、事前に店長や他スタッフへ共有し「味方のいる心理的に安全な状態」で、施術に臨むのがおすすめです。

 

 

4.どうしても対応したくない場合「お客様側から離れていくよう働きかける」

毎回、支払いの度に「もう少し値引きして欲しい」「なぜこの内容でこの値段か納得できない」と料金のクレームをつけてくるお客様がいました。そのときは次回から来店されないよう、メニューの値上げなど価格改定の話をして、向こうから来たくなくなるように仕向けました。

(30代 男性)

度々、施術終わりに「思っていたイメージと違う」とクレームをつけてくる女性がいて困っていた。そのときはクレームを言われる度に「恐らくうちではお客様が納得するサービスは難しいので、サロンを変えられた方がお客様のためになると思うと伝え続け、そのうち本当に来店されなくなった。

(40代 女性)

「どうしても接客したくないけれど、出禁にはできない」そんなお客様への対処法として「客様の方から離れていくように仕向ける」という方法があります。

 

料金の値上がりを伝える、他のサロンを勧める以外にも「いつもと接客態度を変えてみる(例:失礼はないが決まずい雰囲気にする)」「ペナルティを伝える(例:次回から無断キャンセルしたら全額支払い)」など様々な打ち手があるため、ご自身がもっとも取り入れやすいものから実践してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は「現役美容師に聞く『嫌いなお客様』」をテーマに、実際にあったお客様とのエピソードや、苦手なお客様への対処方法等をご紹介しました。

 

共感できる「嫌いなお客様の特徴」はありましたか?

 

1.無理な施術を依頼してくる
2.予約時間を守らない
3.文句を言うものの、毎回指名してくる
4.無口
5.平気でドタキャンする
6.「お任せで」というものの文句を言ってくる
7.大声で怒鳴る
8.プライベートなことを大声で話す
9.連絡先を聞いてくるお客様
10.他のサロンと比べてくる

 

もちろん幅広いお客様に接客できる対応力は大切ですが、問題のあるお客様に無理をして接客し続けることは、あなたにとっても店にとっても長い目で見れば不利益かもしれません。

 

店の状況やご自身の気持ちを総合的に判断して、難しいお客様をどう対処すべきか、スタッフの方にも相談しながら最善の方法を検討していきましょう。

 

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