【サンプルあり】美容室のカウンセリングシート項目とリピート率アップの工夫

「美容室のカウンセリングシートを見直したい」

「もっとお客様の満足度を上げてリピート率を上げたい」

 

とお悩みの方へ。美容室では初回のカウンセリングシートが定番で、スタイリストはその回答から様々な情報を得ています。

 

サービスの品質を向上したりリピート率を上げたりするための方法として、カウンセリングシートの工夫もおすすめです。

 

そこで、サロンオーナーや経営者、チーフなど10人の現役美容師の方にカウンセリングシートの項目や工夫しているポイントをお聞きしました。最後にはカウンセリングシートの項目例を一覧にまとめております。カウンセリングを強化したい方は、ぜひ参考になさってください。

美容室でよくあるお悩み「リピート率の低さ」

【サンプルあり】美容室のカウンセリングシート項目とリピート率アップの工夫

 

駅近など人気エリアになるほど競合が多く、美容室ではリピート率の低さに悩むものです。顧客のリピート率を上げるためのポイントの1つに、カウンセリングが挙げられます。

 

ご新規の方がなぜうちへ来店してくれたのか、またそのお客様がどんな悩みを持っているのかを正確に把握すれば適切な接客につながります。お客様の満足度が上がれば、結果としてリピーターの確保につながるのです。

現役美容師が回答!美容室のカウンセリングシートに記載するべき項目

美容室のカウンセリングではどのような項目を記載するべきなのでしょうか。まずは美容室のカウンセリングシートで記載しておきたい、基本的な項目からご紹介します。

基本のカウンセリング項目

ヘアサロンに来店された方に聞くべき項目として、お客様情報・髪に関すること・接客に関することは聞いておきたいものです。その具体的な質問項目について、現役美容師の方に聞いてみました。

 

お客様情報

  • ・顧客情報(氏名、生年月日、携帯、住所、メール、職業)
  • ・ご来店の動機(通りがかり、SNS、チラシ、ホームページ等)
  • ・趣味、ハマっていること

 

美容室のカウンセリング項目としてまず必要となるものが、お客様の氏名や連絡先といった顧客情報です。施術するうえで必要な情報であり、ほとんどのサロンでカウンセリングシートに記載しているでしょう。

 

そして来店の動機はなぜこのヘアサロンを選んでくれたのかを知る大事な項目ですし、会話の糸口にもなります。ヘアサロン運営で大きなヒントとなるので、記載してくれたお客様には、会話の中で積極的に聞いていきたい項目です。

 

髪に関する希望や情報

 

  • ・なりたいイメージ(今のスタイルを変えずに整えたい、イメージチェンジしたい、お任せしたい、相談したい、SNSの画像がある等)
  • ・前回までの施術内容は(例:〇月にカラー、パーマをした)
  • ・髪のお悩み(痛み、直毛、広がり、クセ等)
  • ・前回のカットは(1ヶ月以内、1~2か月前、2~3か月前等)
  • ・カラーやパーマの際、かぶれたり痒くなったりするか
  • ・普段はどんなヘアスタイルをすることが多いですか?
  • ・シャンプー、マッサージの力加減はいかがいたしますか?(優しい、普通、強めetc…)

 

仕上がりイメージや前回までの施術内容など、髪に関する情報はカウンセリングの段階でなるべく詳しく聞いておきたい項目です。カラーやパーマを希望するお客様なら、今までにかぶれたり痒くなったりした経験がないかも聞いておきましょう。

 

またシャンプーやマッサージの力加減も聞いておくのがおすすめです。お客様によって好みの力加減が違うので、カウンセリングの段階で把握できれば、よりそのお客様に寄り添った施術ができます。

 

接客についてのご希望

 

  • ・本日の時間(少し余裕がある、できるだけ早くしてほしい)
  • ・過去に行ったサロン様で、これは嫌だったという事があれば教えてください。
  • ・好きな雑誌は(non-no、MORE、with等)
  • ・ご希望のスタイリストについて(技術力がある、提案力がある、キャリアがある、話上手、男性、女性、等)
  • ・施術中の接客について(話しかけて欲しくない、話してくれて大丈夫)
  • ・施術時に美容情報、スタイリング剤、ヘアケア商品、化粧品の案内は必要ですか?

 

お客様の中には美容室の後にお出かけの予定を入れる方も多いので、本日の時間ついて聞いておくと安心です。またカウンセリングで好きな雑誌を聞くヘアサロンは多く、この回答でお客様の好きな雰囲気を把握しやすくなります。

 

接客についてはお客様の希望や好みだけでなく、過去にヘアサロンでされて嫌だったことも聞くという回答がありました。

 

たとえば「静かに過ごしたいのにずっと話しかけられて疲れた」「必要ないといったのにヘアケアアイテムを何度も勧められた」など、希望よりもお客様が嫌だったことを聞いておくことで、よりよい環境を提供できます。

その他

 

  • ・美容情報をどこで仕入れていますか?(雑誌・SNS・口コミなど)
  • ・サロンからのDMを受け取るor受け取らない、受け取る場合は都合の良い連絡方法

 

カウンセリングシートの項目に悩んだら、今回の回答結果をぜひ参考にしてみてください。

 

 

リピート率アップのためにカウンセリングシートで工夫しているポイント

【サンプルあり】美容室のカウンセリングシート項目とリピート率アップの工夫

 

多くの美容室では、リピート率アップのために独自のカウンセリング項目を記載しています。

カウンセリングシートの簡略化・共有の効率化

スタッフ全員が一目で理解・共有できるよう、なるべく簡略化する(複数回答あり)前のお店からのリピーターさんは緑、独立後の新規のお客さんは青など用紙を色分けカウンセリングシートへの回答や、施術時の会話の内容はすぐにカルテへ写す。

カウンセリングシートの工夫で最も多かった回答は、カウンセリングの簡略化でした。美容室としてはカウンセリングシートでお客様の情報をたくさん引き出したいものですが、あまり項目が多いと面倒だという印象が強まります。

 

「カウンセリングシートの後ろになるほど未記入の項目が多い」「アンケートに時間がかかる」と感じているヘアサロンは、思い切って今設定している質問項目を減らしてみるのもおすすめです。

 

また独立したヘアサロンの回答では、前のお店からのリピーター参加ご新規さんでカウンセリングシートを色分けするという回答もありました。色ならどのスタッフが見ても一目で判別がつくので、間違える心配もありません。

 

多くのサロンでは、施術が終わったらすぐカウンセリングシートの内容をカルテに移すケースが多いです。カルテに書いておけば、スタイリストが代わっても同じ質問をするリスクが回避でき、同じ品質のサービスを提供できます。

 

カウンセリングで得た回答はお客様の貴重な情報なので、なるべくシンプルかつ確実に共有できる仕組みを作った方がいいでしょう。

 

将来を見越したカウンセリング

・今だけでなく、将来どんなスタイルにしていきたいかもヒアリングして、カットのやり方を考える。
・次回予約の提案。

今回の施術だけでなく、将来を見越したカウンセリング項目を入れることでリピーターの獲得を狙うという回答もありました。数か月先のイメージを共有できれば、お客様も「次もこのサロンにしよう」と思ってくれるでしょう。

 

また施術中に次回の予約が取れれば、リピーターになったも同然です。特に休日や連休などに来店することが多いお客様なら、早めに予約を聞いておくことで、よりご希望の枠を押さえることができます。

 

来店ごとに丁寧にカウンセリングする

・初回の会話の内容を極力覚えて置き、次回来店時に再びその話題を出す・カウンセリングシートへの回答や、施術時の会話の内容はすぐにカルテへ写す・シャンプー、マッサージの力加減をその都度確認する。

会話の内容をカルテに記載しておけば、次の来店時に「前に○○とおっしゃっていましたね」と対応できます。お客様は「覚えていてくれた」と喜んでくれますし、リピーター率のアップにもつながるでしょう。

 

プライバシーに立ち入る質問は避ける

・なるべくプライバシーに関わることや、ジェンダーに関わる項目は避ける。

接客するうえで気を付けたいのが、踏み込んだ質問でお客様を不快にさせないことです。

 

たとえば年齢や家族構成、職場や宗教に関することなどを聞くのは避けた方がいいでしょう。会話の“ネタ”に困るとうっかり口から出てしまうこともあるので、注意が必要です。

 

常に進化!カウンセリングシートにまつわる項目とエピソード

【サンプルあり】美容室のカウンセリングシート項目とリピート率アップの工夫

 

最後に、現役美容師の方に聞いたカウンセリングシートにまつわるエピソードをご紹介します。

 

ジェンダーレスを意識する

・時代的に、未婚・既婚の記入を無くした・時代的に、性別を選択する場所を無くした、項目を増やした(男・女・その他など)。

「男性だから」「女性だから」という性別の枠をなくそうとするジェンダーレス化は、若い世代を中心に重視されています。

 

ヘアサロンでも、ジェンダーレスを意識した改革が行われており、結婚に関することや性別の選択欄をあえて撤去するといった工夫が行われています。ヘアサロンにおいて結婚の有無はほぼ無関係ですし、自己表現の自由という観点では不要と判断できるでしょう。

 

時代にあわせてカウンセリングシートを見直すことで、お客様も安心して回答してくれます。

シャンプーやマッサージの力加減の項目を追加

シャンプー、マッサージの力加減の項目を増やしてから、お客様の好みに合わせた施術ができるようになった。

シャンプーやマッサージはお客様の好みがあり、明確な基準がありません。お客様の中には「シャンプーが下手だから行かない」「力が強いけど言い出せない」と、モヤモヤした思いを抱えている方もいらっしゃるようです。

まとめ

美容室のカウンセリングシートについて、現役美容師の方に聞いた基本的な項目やおすすめの項目をご紹介しました。最後にカウンセリングシートに入れるといい項目をリストでご紹介します。

 

■お客様に関する情報

・氏名、生年月日、携帯、住所、メール、職業
・ご来店の動機(通りがかり、SNS、チラシ、ホームページ等)
・趣味、ハマっていること

 

■髪に関する希望や情報

・なりたいイメージ
・前回までの施術内容
・髪のお悩み
・前回のカットから経過した期間
・カラーやパーマでかぶれたことがあるか
・普段のヘアスタイル
・シャンプー、マッサージの力加減

 

■接客について

・本日の時間(余裕があるor急いでいる)
・好きな雑誌
・ご希望のスタイリスト(男性・女性、話し上手など)
・施術中の接客のご希望
・施術時に美容情報を案内して良いかどうか

 

■その他

・美容情報をどこで仕入れますか?
・サロンからのDMを受け取るor受け取らない

カウンセリングを見直したい方は、ご紹介したカウンセリング項目や工夫しているポイントのアンケート結果を活用いただければ幸いです。

JOBOONでは美容師さんに役立つコラムを掲載しているので、ぜひ参考にしてください。