「辞めたい」と言えない美容師さん必見!プロ20名に聞いた退職事情や辞めるときのコツを紹介
「いまのサロンを辞めたいのに、迷惑をかけそうで言い出せない」
「仕事が辛くて退職したいが、オーナーや上司が恐くて伝えられずにいる」
そんな悩みを抱えている美容師さんに向けて、この記事では「退職したいのに言い出せない美容師さんの本音」や「実際、美容師さんが経験した『退職事情』」「退職の際に実践すべきコツ」についてご紹介します。
今まさに「サロンを辞めたい」と考えている美容師さんは、ぜひ参考にしていただければと思います。
辞めたいのに言い出せない!美容師が退職を伝えられない理由とは
「今の職場を続けていくのは厳しい」と思いつつ、なかなか退職を言い出せず先延ばしにしてしまう……そんな美容師さんも多いのではないでしょうか。
実際、JOBOONで退職経験のある美容師さん21名に「職場に『退職』を伝えることに抵抗はありましたか?」とお聞きしたところ、9割以上が「はい」と回答しています。
辞めたいのに「退職」を言い出せない、美容師さんならではの理由について見ていきましょう。
1.人手が足らず辞めると言いづらい
1つ目が「人手不足」を理由に、職場に辞めたいと言い出せないパターンです。とくに中小規模で人数の少ないサロンの場合、社員一人ひとりの負担が大きいため「自分が抜けると店が回らなくなる」「他のスタッフに迷惑をかけてしまう」といった懸念がより大きくなってしまうようです。
美容師のアシスタントをしている23歳です。
ストレスが原因で体調を崩してしまい、9月末に辞めたいことを伝えましたが「人手不足なので次の人が入ってくるまで待ってほしい」と言われ、結局いまだに退職の目処が立ちません。
話し合いをしようとしても逆ギレをされるため、なかなかこれ以上自分からも言い出せずにいます。
(ヤフー知恵袋より)
2.いままで育ててもらった恩義がある
2つ目が「いままで面倒を見てくれたオーナーや先輩に申し訳ない」という気持ちから、辞めたいと言い出せないパターンです。
とくにアシスタント時代やデビューして間もないタイミングの退職は「育ててもらった分の労力を仕事で還元できていない」という思いがあり、退職を言い出しづらい美容師さんが多いようです。
またオーナーさんや他のスタッフと関係が良好な場合も「期待を裏切ってしまう」という申し訳なさから、辞めづらくなってしまうケースが見られます。
美容師をしています。私は二十歳で働き始めて、ずっと同じ職場に勤め、オーナーに辞めたいと伝えたことは今まで一度もありません。
ただ私は地元を離れ、親元を離れて暮らしています。近い将来、地元に帰りたいと思っていますが、どのタイミングでオーナーに話せばいいか本当に悩んでいます。「これからはあんな事しよう!こんな店にしよう!」という相談や、ビジョンを話してくれたりするオーナーを見ていると余計に言い出せずにいます。
また今はお店の状況的にスタイリストが少なく、産休・育休に入っている先輩もいて、お店の売上もスタッフが抜けたぶん、以前に比べて下がっている状況です。頼むぞ!と頼りにしてもらっていると、余計に言い出せません、、
自分の人生やから好きなタイミングで決めたらいいやん!とも思いますが、なかなかそう簡単に割り切ることも出来ず、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えて生活しています。
(ヤフー知恵袋より)
3.職場の空気が悪い・オーナーとの関係が悪く言い出しづらい
3つ目が「職場の空気感や、自分とオーナー・先輩との関係が悪い」ため、退職を言い出しづらいというパターンです。
ただでさえ居心地の悪い職場環境や人間関係が「退職の旨を伝えるとさらに悪化してしまうのでは?」という恐怖から、意向を伝えられずにいる美容師さんが少なくありません。
現在の店には、一年前スタイリストとして中途入社しました。オーナーと二人の店です。
(オーナーは)私がなにかミスをすると態度にすぐ出したり、カラーリングの塗り方を聞き直したりしても『はぁ?』だったり、威圧的な態度にもう我慢出来なくなりました。毎日仕事に行くのが嫌になり吐き気が起きます。
ただ、オーナーはそんな性格なので怖くて退職を言いだせません。
4.宣言から退職までの期間が絶えづらい(ギリギリまで言い出せない)
4つ目が「退職を伝えた後、気まずくなるのが恐くて言い出せない」というパターンです。
美容師業に限りませんが「退職」を伝えると、少なからずオーナーさんや他スタッフからの態度が、これまでと変わってしまうことは避けられないでしょう。
店舗のことを思うと早めに退職を伝えるべきですが「嫌われたくない」という理由から、ついつい言い出すのを先延ばしにしてしまう美容師さんも少なくないのではないでしょうか。
会社を辞めたいのですが、なんと言えばいいのでしょうか。美容室でアシスタントをしています。就職して1年4カ月くらいです。
辞めたあとは違う美容室で働こうと思っています。もう話はついていて、あとは辞めるだけなのですがなかなか 言い出せません。前にいた先輩が、辞めるとき仲間はずれや陰口があったので怖いです。
(ヤフー知恵袋より)
このように、辞めたいのに様々な理由から「退職」を言い出せず、苦しんでいる美容師さんは少なくありません。
どうやって円満に退職した?美容師20名に聞く、サロンの退職事情
続いては過去にサロンを辞めた経験のある美容師さん20名に、退職時の様子や退職をどうやって伝えたかなどの詳細を教えていただきました。
これから辞めることを検討している方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
1.退職する旨は、誰にどうやって伝えましたか?
伝える相手としては店舗責任者であるオーナーさんやディレクター、伝え方としては電話やチャットではなく「直接口頭で」という意見がほとんどでした。
2.退職するどのくらい前に、辞める旨を伝えましたか?
1ヶ月前:15%
2ヶ月前:25%
3ヶ月前:45%
半年前:5%
1年以上前:10%
調査の結果、最も多かったのが「退職する3か月前」で45%。次点で「2か月前」の25%、「1か月前」の15%となりました。
店舗の都合を考えると、少なくとも辞めたいタイミングの2~3カ月前には、退職の意思を伝えることが望ましいでしょう。中には「独立を考えていたので、迷惑をかけない様『1年後の3月に辞めるつもりです』とオーナーに伝えていた」という方もいらっしゃいました。
3.退職時、スムーズに辞めることはできましたか?また、引き留められた理由はなんでしたか?
スムーズだった:65%
スムーズにいかなかった:35%
調査の結果、サロンを辞めた美容師の約3人に1人にあたる35%が「退職交渉に難航した」ことがわかりました。
退職を引き留められた理由としては「慢性的な人手不足で、自分が抜けると店が回らなくなるから」「人手が足りないので『次の採用が決まるまで続けてほしい』といわれた」といった「人員不足」が、回答の大多数を占めました。
他にも「『これから店の将来を任せていきたい人材だから辞めないで欲しい』と言ってもらった」「まだ働いて半年のタイミングだったので『いま辞めると後悔する。せめてアシスタントを卒業するタイミングまで頑張った方がいい』と説得された」など、将来への期待やキャリア形成を理由に、引き留められるパターンもあったようです。
4.退職理由は何と伝えましたか?
調査の結果、退職理由として「ウソの理由を伝えた」方はほぼいらっしゃらず「嫌味にならない様、言葉選びを考える」「前向きな退職であることを強調する」など、”伝え方” に配慮するという意見が多く見られました。
以上、過去にサロンを辞めた経験がある美容師さんの「退職事情」でした。
美容室を辞めたい時、実践すべき4つのコツ
「今のサロンを辞めたい」にもかかわらず、職場の人手不足や上司の顔色を気にして本音を伝えられないのは本末転倒です。また辞める際は自身の長期キャリアを見据えた上で、計画的に職場へ退職の旨を伝えることが重要です。
今のサロンを辞めたい際、取り組むべき「4つの退職のコツ」についてご紹介します。
1.できれば繁忙期を避けて、早めに退職を伝える
1つ目のコツは「繁忙期を避け、早めに退職を伝える」ことです。というのも、これまで見てきたように、サロンが美容師に辞められて最も困る理由が「人手不足」だからです。
サロン数が多く差別化が難しい、また退職率の高い業界だからこそ「採用活動」に苦戦するオーナーさんは少なくありません。
サロンになるべく迷惑をかけないために、退職を決意したらなるべく早い段階で意向を伝えましょう。
また可能であれば店舗の負担を軽くするためにも、12月や3月といった繁忙期を避けて退職するのがおすすめです。
2.退職理由をネガティブに伝えない
2つ目のコツは、どれだけサロンや仕事内容に不満があったとしても「退職理由をネガティブに伝えない」ことです。
今のサロンを下げるような内容を伝えてしまうと、オーナーさんとしても良い気はしないでしょう。最悪の場合、反論されて退職を認めてもらえなかったり、退職までの関係がギクシャクしてしまったりする懸念も考えられます。
「今の職場も好きだが、自身にとってさらにプラスになるサロンへ行きたい」など、ポジティブな言い回しを意識して、不快感の無いように理由を伝えるのがポイントです。
3.バックレはNG。最後まで責任をもって就業する
3つ目のコツは「途中でバックレたりせず、最後まで責任をもって出社する」ことです。
「どうしても職場に行きたくない」からと無断欠勤をしてしまうと、後々自分が職場へ顔を出しづらくなるだけでなく、オーナーや他のスタッフにも迷惑がかかります。
また自分の中でも「あのとき中途半端に逃げ出してしまった」というコンプレックスを抱えながら、この先の人生を生きていくことになります。
“店舗に迷惑をかけないため” はもちろん自身を守るためにも、サロンワークは最後まで責任をもって勤めましょう。
4.新たな就業先の目星をつけてから退職する
4つ目のコツは「新しい就業先を見つけてから退職の旨を伝える」ことです。退職後に就職活動をおこなう場合、次の職場が決まるまでの収入は0となります。
収入のない中「はやく仕事先を見つけなければ」と焦って就職活動をおこなってしまうと、つい希望条件を妥協したり、「とりあえず入ってみよう」と軽い気持ちで就業先を決めてしまったりするため、おすすめできません。
また就職先と次の入社時期を決めてから退職の旨を伝えることで、サロン側から引き留められてもスムーズに退職しやすくなるといったメリットもあります。
どうしても直接「退職したい」と伝えられない場合は?
ここまで円満に退職するためのコツについて紹介しましたが、中には「どうしても直接、辞めたいと伝える勇気がでない」という美容師さんもいらっしゃるかもしれません。
「もう職場に顔を出すのも辛い」という状態なのであれば、企業があなたの代わりに職場へ退職の旨を伝えてくれる「退職代行サービス」を利用するのも1つの手段です。ただし「サロンとあなたとの間にわだかまりが生まれてしまう」「サロンの職員さんに迷惑をかけてしまう」といった理由から、退職代行は「どうしてもやめられない際の最終手段」と考えた方が良いでしょう。
また突然退職を口にすることに抵抗感のある方は、直接口頭で伝える前に、チャットやメールで「実は退職を考えており、ご相談したいので明日お時間をいただけませんか」と連絡しておくのもおすすめです(このとき最初から「辞めます」と言わず「ご相談したいです」と伝えるのがポイントです)。
仮に病気や身体の不具合で仕事が続けられない場合は、早めに医療機関へいき、医師の診断を仰ぐ・診断書を発行してもらうなど適切な対処を取りましょう。
まとめ
「今の職場を辞めたいのに言い出せない」という美容師さんをテーマに、その理由や退職時のコツについて解説しました。
どれだけ伝えづらくても、あなたの人生を前進させるためには、最終的に「退職」の意思を伝えなければなりません。円満な退職のためにも、オーナーさんや他のサロンスタッフなど、残る方への配慮のある「退職の伝え方」を意識して取り組みましょう。
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