美容師の失客でショックだったエピソード!原因や改善方法も紹介
美容師さんであれば、誰もが1度は経験する「失客」。失客はその理由を直接知ることができないため、美容師さんの業務の中でも改善の難しい課題の1つです。
仕事が順調でも、ふとしたとき「あれ、あのお客さん最近来られてないな……」と気づいてしまうと、不安な気持ちになってしまいます。
(20代 男性スタイリスト)
(30代 女性スタイリスト)
この記事では「美容師さんの失客」をテーマに
1.過去の忘れられない失客エピソード
2.常連・新規それぞれのよくある失脚原因
3.失客を減らすためにやるべき対策
について、現役スタイリスト20名にお話しを聞きました。
ちょうど失客で悩んでいる、今後に向けて失客対策を心得ておきたいという美容師さんは、ぜひご一読ください。
現役美容師20名に聞く、失客で大ショックを受けたエピソード
美容師にとって、業務の中でも非常に苦い経験の1つである「失客」。新規はもちろん、常連のお客様の失客には「何がいけなかったんだろう」と胸を傷める美容師さんも少なくないはずです。
まずは現役美容師さん20名にお聞きした、これまでに経験した中で大ショックを受けた「失客エピソード」をご紹介します。
新規顧客の失客エピソード
来店時、「この値段は出せないので値引きして欲しい」と交渉され、初回だからと値引きをして施術に臨んだ。しかし仕上がりを気に入っていただけず、お直しをして結局予定の1時間半オーバーに。それだけ苦労したが、結局その後の再来店は無かった。
(男性スタイリスト 30代)
新規のためカット時に髪質の見極めを誤り、思い通りのスタイルにできなかった。お客様をがっかりさせてしまった。
(女性スタイリスト 30代)
ネット予約にて「同時施術できないメニュー」が入っていたにもかかわらず、事前に無理だと伝えられていなかった。当日、来店時にそのことを伝えると「もっと早くいってほしかった」「それなら別のサロンを予約したのに」と、お客様を怒らせてしまった。
(男性スタイリスト 20代)
新規顧客の失客エピソードとしては、自分の配慮や技術不足で、お客様に満足してもらえなかったという声が多数を占めました。
互いに信頼関係ができていない状態のため、初回の施術で「お客様の理想通りの仕上がり」を再現することが、お客様からの信頼を勝ち取る上では欠かせません。
既存顧客(常連客)の失客エピソード
月に一回必ず来店いただき、(お店の)紹介もしてくださっていた常連のお客様の失客。ある日、予約の数日前にキャンセルの連絡が入り、それ以降はLINEをしても既読がつかない。理由もわからず、気に入っていただけてると思っていただけに、ショックが大きかった。
(女性スタイリスト 30代)
もともと先輩が担当していたお客様の失客。先輩の方が店を辞めるタイミングで引き継いだが、技術や信頼関係などの差が埋められず、1回対応したきり来店されなくなった。
(男性スタイリスト 20代)
退社したスタッフに自分のお客様がついて行ってしまった。お客様が離れたことにも、後輩スタッフに顧客を取られたこともショックだった。
(男性スタイリスト 30代)
ショックなのは、失客してしまった明確な理由が分からないこと。先日も4年近く通ってくれていたお客様が、急に来られなくなった。様々な原因を想像するが結局は分からないので、自分が何か良くなかったのかなど悩んでしまう。
(女性スタイリスト 20代)
自分に指名料がつくようになった途端、親子でパタリと来られなくなったこと。前任の時は指名料を払ってでも来てくださっていたので、自分には指名料に見合う価値がなかったのかと悲しくなった。
(男性スタイリスト 30代)
既存のお客様の場合、もっとも多かったのが「理由もわからず失客する場合が多く、改善方法もわからないので辛い」という意見。とくに何年も通ってくれていたような常連の方が、突然来られなくなると一際ショックも大きいでしょう。
すでにある程度の信頼関係ができているため、いかにその信用を裏切らず「ずっと利用し続けたい」と思ってもらえるかがカギを握ります。
美容師が失客する原因とは?(常連客の場合)
お客様が失客に繋がる原因を把握しておくことで、事前に失客の対策を打てたり、次回の反省に活かすことが可能です。
まずは常連のお客様(既存顧客)を失客してしまう原因について、現役スタイリストさんの声をご紹介します。
担当歴が長く、失礼な対応をしてしまったため
3年以上通っていただいているお客様だったが、担当歴が長くなり、つい接客がないがしろになってしまった。最後の接客時、自分の言葉遣いや態度に失礼な点があり、お客様が不機嫌に。そのまま予約していただけないようになった。
(男性スタイリスト 30代)
指名をいただけるようになり、関係性のできているお客様への配慮が後回しになってしまった。複数人を掛け持ちをしたことで、予定より長時間も待たせたり、アシスタントに任せきりになったりしたため。
(男性スタイリスト 40代)
年上の女性の方だったが、何度も来てくださるうちに、何の話題を振ればいいかわからなくなってしまった。施術内容や会話内容がマンネリ化し、飽きさせてしまった。
(男性スタイリスト 20代)
値上げや営業時間の短縮など、外的要因のため
店舗の方針転換により「指名料の発生」や、物価上昇に伴う「メニュー料金の値上げ」があったため。以前とサービス内容や技術は同じなので、来店していただけなくなった。
(女性スタイリスト 30代)
5年近く来てくれていたお客様を失客した。自宅ではなく、職場の近くにうちの店があったので、よく仕事終わりに来てくれていた。しかしコロナの影響でうちの店が時短になったり、向こうも出社が減ったりという事情で、いつの間にか疎遠になってしまった。
(男性スタイリスト 30代)
指名や入客が増えたことで、自分の予約が取りづらくなったため。とくに土日があけづらくなり、2連続で希望の日時をお断りしてしまい、失客してしまった。
(女性スタイリスト 20代)
その他の理由
お客様がご主人の転勤のタイミングで、遠方へ引っ越されたから。7~8年ほど担当していたので、その時は寂しかったです。
(男性スタイリスト 40代)
「友人が○○さんに切ってもらって、すごく好きな雰囲気だったから」という理由で、同じ店舗内の別のスタイリスト(店長)を指名されたことがある。
(女性スタイリスト 30代)
既存顧客の場合「いつも来てくれている」という安心感から
・接客がないがしろになってしまった
・施術や会話がマンネリ化してしまった
などが原因で、失客に繋がってしまったという見解が非常に多く集まりました。
指名して何度も通ってくれているお客様だからこそ、より丁寧で感謝のこもった対応が重要といえます。
またコロナ渦の影響もあり
・時短営業になった(お店側の都合)
・美容院そのものに行きづらくなった(お客様側の都合)
などの事情も、失客の大きな要因となっているようです。
美容師が失客する原因とは?(新規顧客の場合)
続いては、初めて来店された「新規顧客」を失客してしまう原因について見ていきましょう。
接客内容や技術に問題があったため
自分の技術力・ヒアリング不足が原因だったと思う。自分の描いていた完成像とお客様の仕上がりイメージに相違があり、やり直しにはならなかったが、お客様を不機嫌にさせてしまった。
(男性スタイリスト 20代)
可もなく不可もなくといった感じで、他店舗に比べてとくに感動するようなポイントがなかったためかと思います。
(男性スタイリスト 30代)
繁忙期に来店されたため、予約時間より30分以上待たせてしまった。接客もバタバタしてしまったので、恐らくあまり良い印象を持っていただけなかった。
(女性スタイリスト 30代)
カウンセリング不足。店が忙しかったこともあり、しっかりとヒアリングの時間を取れないままカットに臨んでしまった。結果的にお客様のイメージより短く切りすぎてしまい、がっかりさせてしまった。
(男性スタイリスト 30代)
そもそも再来店する気がないため
ホットペッパービューティーの「新規割引」を目当てにくる方は、そもそもリピーターにならない。
(男性スタイリスト 30代)
「たまたまいつもの店と予定が会わなくて」など。うちと別で、ふだん利用しているサロンがあると再来に繋がりづらい。
(女性スタイリスト 40代)
新規顧客の失客理由として、予約サービス「ホットペッパービューティー」などの「新規割引」目当てでの来店しているから、という意見が多数ありました。
ホットペッパーは国内最大規模のサロン予約サービスであるため、初回のサービスでいかにお客様を満足させ再来店に繋げるかが「集客の肝」といっても過言ではありません。
また、お客様へのヒアリング不足による「仕上がり満足度の低さ」を、失客理由にあげる方も複数みられました。初回の場合は過去の施術履歴がわからないため、今の髪の状態や会話内容から、適切に過去の履歴を予測するスキルが求められます。
美容師が失客数を減らす方法とは
「失客率を減らしたい」と悩みながらも、対策がわからないまま、モヤモヤを抱えている美容師さんは少なくないでしょう。
現役のベテラン美容師20名に、「新規顧客」「常連客」それぞれの失客を減らすために実践していることについて、教えていただきました。
新規顧客の失客を減らすため、やっていること
サロンの仕上がりを、お客様が自宅でも再現できるようなスタイルを心がけて施術します。髪型はもちろん、ドライヤーの乾かし方・アイロンの巻き方なども、その場で一からお伝えする。
(男性スタイリスト 30代)
過去のサロンでの「不満」をお聞きし、それを払拭できるような施術・接客をおこなう。
(男性スタイリスト 30代)
1度の施術でなく複数回通ってもらうことで、より理想に近いスタイルが完成することをお伝え。「次はこういったメニューをしていきましょうね」と次回以降の提案をおこなう。
(男性スタイリスト 40代)
初回の施術後にアンケートを取る。そのお客様の次回施術の際にも活かせるし、反省材料として、別のお客様に活かす上でも重要。
(女性スタイリスト 40代)
自分の施術のポイントや強みをきちんと伝え(嫌味なくいうのがコツ)、他の美容師さんとの差別化を図る。「この美容師なんかすごい」「この人に任せたい」と思ってもらえるようにする。
(男性スタイリスト 30代)
施術後、来店のお礼や経過確認のDMをこまめに送る。接触数を増やすことで、お客様との心の距離を縮める。
(男性スタイリスト 20代)
調査の結果より、新規顧客の再来店をうながすために、「他店との差別化づくり」をに力を入れている美容師さんが多いことがわかりました。
秀でた技術力や仕上がりの提案力・居心地の良い接客態度など、セルフプロデュースの上手さが、リピート率に大きく関与すると言えるでしょう。
また次回予約に特典を付ける、あるいは次回のスタイル提案をおこなうことで、お客様の「また行ってみようかな」という思いを刺激することも、再来店率をあげる上で非常に重要です。
常連客の失客を減らすため、やっていること
常に自己研鑽をおこたらず、新しい技術や知識を身に着けること。つねに高い技術力を提供することで、お客様に信頼してもらう。
(男性スタイリスト 30代)
来店時に次回予約をとっていただく。次回予約を入れていただくことで、割引適用やヘッドスパサービスを提供する。
(女性スタイリスト 30代)
定期的にご案内のDMをお送りするようにしてます。「カラー時期のアナウンス」や「新メニューの紹介」「誕生月のクーポン」など。
(女性スタイリスト 20代)
おしゃべりの好きそうなお客様だったら、とことん聞き役に徹して、気持ちよくお話ししていただくことを意識。カラー剤の放置時間なども、お話しに付きあうようにしてます。
(男性スタイリスト 20代)
お客様に飽きられてしまわない様、定期的にキャンペーンやイベントを開催する。期間限定で割引価格で商品が購入できる・いつもより良いトリートメントが使えるなど。ハロウィンなどに、コスプレイベントを企画したときもありました(笑)
(男性スタイリスト 40代)
常連の方だからこそ、接客や施術を丁寧に対応することを心がける。なるべくアシスタント任せでなく、自分が対応するようにする。いつも感謝の言葉を忘れないようにしている。
(女性スタイリスト 30代)
常連のお客様に対しては、定期的にキャンペーンやイベントを開催するなど、常にお客様に飽きさせない工夫をおこなっている店舗が多いようです。
またキャリアを問わず「最近、勉強会で知ったのですが」「先日、別のお客様にも試してみたんですが」など、常に技術の向上や最新の情報のキャッチアップに励んでいる美容師さんは、顧客からも「またこの人に任せよう」という信頼を得ることができます。
その他にも様々なテクニックはありますが、「他のサロンとは違う、安心して任せられる美容師」と思ってもらうことが、常連のお客様を繋ぎとめる上で最も重要なポイントと言えるでしょう。
まとめ
今回は「美容師さんの失客」をテーマに、その原因や対策・忘れられないエピソードなどを、美容師さんのリアルな声を参考にご紹介しました。
「失客」を完全になくすことは難しいですが、しっかりと振り返りや対策をおこなうことで、リピーターを増やしお客様との信頼関係を築くことが可能となります。
この記事が、失客に悩んでいる皆さんにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
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