美容師に不器用は関係ない!?現役美容師にアンケートで半数は不器用に悩んでいた
これからスタイリストを目指す方、現役の美容師さん問わず「不器用さ」に悩む方は少なくありません。
今回は「不器用さ」というテーマで現役美容師さん20名にアンケート調査を行い、不器用が起因して失敗した経験談や不器用を乗り越えるために努力したことについてまとめました。
美容師で不器用さに悩んだことがある人は 全体の50%以上
美容師だからといって必ずしも手先が器用とは限りません。実際アンケートに協力いただいた20名のうち半数を超える11名が「不器用で悩んだ経験がある」と回答しました。
不器用が理由で悔しかったエピソード
次に「不器用で悩んだ経験がある」と回答した美容師の方に不器用が原因で失敗したこと・悔しかったことについてお聞きしました。
★技術の習得スピードが遅い
・同じタイミングで何かスタートした時、必ず私だけ皆より遅かったことです。
・何回も同じテストを受けないといけなかった。一度では合格できなかったので。
・同期の中で1番レッスンの合格が遅かった。恥ずかしかった。
★思い通りの仕上がりならない
・パーマが思っていた感じと違うと、後日クレームをもらったこと。
・モデルさんのカット中にコームを耳に引っかけてしまい、不快な思いをさせてしまいました。
・希望通りのカットができず、お客様の対応中に泣きそうになった。先輩にフォローしていただいて何とかなりました。
★多すぎて語れない
・沢山ありすぎて……毎日反省しています。
・数え切れないほどある。
・今はかなりマシになりましたが、学生時代や1年目の頃は人よりできないことばかりで「自分には向いていないのでは」と悩むこともあった。
「手先が器用」なイメージがある美容師という職種ですが、調べてみると多くの美容師は自分に不器用だという自覚があり、不器用なことで失敗した経験を抱えていることがわかりました。
美容師に不器用さは関係ある?ベテラン美容師の8割が「関係ない」と回答
美容師として活躍していく上で手先の器用さはどれほど関係あるのでしょうか。
経験10年以上のスタイリストに調査したところ、全体の8割近くが「全く関係ない」「あまり関係ない」と回答しています。
以下でそれぞれの理由を見ていきましょう。
不器用さは「関係ない」と回答した理由
美容師として活躍する上で「器用さ・不器用さは関係ない」と回答した理由に、以下のような意見が集まりました。
★努力次第でカバーできる・器用な人より上手くなれるから
・ほぼ関係ない!不器用でも時間をかけて習得すれば、器用な人と同じかそれ以上になれるから。
・関係無いと思う。不器用な人ほど他人より努力して時間をかけるので、器用な人より丁寧に仕事を重ねる人が多い。結果的に成長できる。
・いいえ。努力次第で何とでもなるのを見てきている。器用な人ほど、練習を怠るのでよくないです。
★「器用さ」より大切なことが沢山あるから
・関係ないと思います。結局、技術だけじゃ無いところも沢山あるので。
・関係ない。それより周囲の仲間にちゃんと頼れることや、有難さに気づけることの方が大事。
★最終的に「不器用」な人間の方が残っている・成長している気がする
・不器用な方の方が、結果残っている様に思います。
・できない分努力を重ねた人の方が、たくさん練習と経験を積んでいるので後々伸びている気がする。
不器用さは「関係ある」と回答した理由
次に美容師として活躍する上で「器用さ・不器用さは関係ある」と回答した方の理由を見ていきましょう。
★他の美容師より習得が早い
・多少は関係ある。器用な方が、技が出来るようになるまで早い。
・関係する。同じ努力量なら器用な人と不器用な人では、スタート地点が違う。
★仕事中にミスをする機会が少ない
・器用な人の方が勘が良く、技術の失敗から来る失客は少なくなると思うため。
★デザインに応用が利く
・関係する。器用な方が多くの技術を駆使してデザインを表現できる。また求めるデザインに対して、アプローチのパターンを持つ事ができるため
美容師が不器用を乗り越えるためにしている3つのこと
過去に不器用さで悩んだ経験のある美容師に、コンプレックスを乗り越えるため普段から意識して取り組んでいることをお聞きしました。
誰より練習量をこなす
最も多かったのが「誰よりも沢山練習をする」「とにかく数をこなす」をいう意見でした。
他人より練習をこなすことで「習得できた」という実感を掴めると同時に、自身の腕に自信を持つことができます。
・不器用な分、周りと練習量は段違いだと思います。
・自分を過信しない。人以上の練習をする。
・とにかく数をこなす事が大事です。いつの間にか慣れで手が動くようになる。
・人より練習するしかない。逆に努力すれば器用さ関係なく一番うまくなれる。
すぐ質問する
不器用だからこそ、先輩や後輩関係なく自分より腕のある人に質問できる素直さが大切です。質問を重ねることで自身の悩みや思い込みを払拭し、人より早く正解や効率的な方法にたどり着くことができます。
・先輩に分かるようになるまで聞く事を意識しています。
・プライドを捨てて質問をしまくる。自分だけで悩むのと学べるスピードが違う。
・不器用な分、先輩の仕事はよく観察・質問します。話す機会が増えるので、自然と先輩との関係も近くなり仕事もやりやすくなります。
完璧を目指しすぎない
完璧な施術を目指しすぎると、不器用さんほど実践で緊張したり焦ってミスしてしまったりが考えられます。完璧にとらわれず目の前の施術に集中する、また多少思い通りにいかなくても「次への経験に繋がった」と前向きに処理すると良いでしょう。
・とにかく慌てない様に心がけています。焦ると失敗しやすいので。
・上手くやらなきゃ、と思うとお客さんの話がうまく聞けなかったり結果的にうまくいかない。自分にプレッシャーをかけすぎない。
美容師が考える、器用さ以上に大事なこと
美容師で活躍する上で「器用であること」は、あくまで数ある武器の中の1つです。10年以上の経歴を持つスタイリストに聞いた器用さ以上に美容師として大事なこと・大事なスキルについてご紹介します。
継続して努力する能力
最も多かったのは「継続力」や「忍耐」といった努力を続けていける能力が大事という意見でした。技術力はもちろん労働時間や対人スキルなど、根性が求められる場面の多い職種です。辛い練習やお客様からのクレームなどにも挫折せず、コツコツと技術を磨いていけることが大切です。
・継続して努力する能力が何より大事です。
・向上心と忍耐、継続量です。裏でコツコツ頑張りを続けられる人が強い。
・人間としての力、継続力。
お客さんへの共感力・コミュニケーション力
お客さんを満足させるために大事なのは技術力だけではありません。お客様の要望を的確に読みとり、それをうまく再現するヒアリング能力・提案力が美容師には重要です。また施術中の会話で楽しさや居心地の良さを提供できれば、自然と顧客満足度の向上や指名獲得に繋がるでしょう。
・お客様の気持ちに共感する力、説明力、ヒアリング能力。
・お客さんのことを好きになって、人柄や話に興味を持てることが大事だと思います。
・顧客が言語化しきれていない要望を、いかに汲み取って施術に活かせるか。
センス
お客さんのニュアンスから希望を読み取って再現したり、流行を押さえて施術に組み込む「センス」は美容師として欠かせない能力です。センスは日々の努力によって磨けるためSNSやセミナー、先輩の技を盗むなど自己研鑽が重要です。
・技術力は大前提で、あとはセンスの勝負です。
・すべてはセンスだと思う。
・とにかく雑誌や写真などでお洒落の完成を磨くことが大事。
【まとめ】美容師は不器用さを乗り越えて活躍できる仕事
今回は「不器用さ」というテーマで現役美容師さん20名にアンケート調査を行い、不器用で悩んだ経験や乗り越えるために努力したこと、器用さ以外で必要な能力について紹介しました。
不器用であることは、ときに美容師として不利に働く場面もあるでしょう。しかし乗り越えるための努力や他の強みを作ることで、不器用さに左右されずお客様に満足感を与えられるスタイリストになれます。
現在「不器用さ」で悩んでいる皆さんにとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。