【現役美容師44人に聞いた】カルテに何を書いてるの?リピーター獲得のコツもご紹介
多くの美容師さんはお客様情報を管理するためにカルテを使っています。
カルテに記載する内容は美容室によってバラバラで、サロンごとにルールがあったりリピーター獲得のために工夫したりしているようです。
そこで今回は現役美容師さん44人を対象に、カルテに関するアンケートを取ってみました。
カルテの内容やルールなど、ぜひ参考にしてください。
美容師さんの6割以上が「紙」のカルテを活用している
「カルテは紙とデジタルどちらを使っていますか?」というアンケートに対し、以下の回答をいただきました。
● 電子化している…15人(31%)
● カルテは使っていない…2人(5%)
ヘアサロンでは紙のカルテで管理している方が多いことがわかりました。
ただデジタル化が進む昨今では、デジタル化をすすめるサロンも増えているようです。
カルテを使用していない美容師さんの意見
● 「固定のお客様が多く付き合いも長いためカルテは使っていません」(40代・オーナー・美容師歴22年)
カルテを使っていない美容師さんは、上記のように元々お客様が少なかったり、固定のお客様のみだったりという理由がありました。
美容師さんはカルテにどのような内容を書いていますか?
美容師さんのカルテの内容についてアンケートを取ったところ、8つの項目に分かれました。
それぞれの項目について、実際にいただいた回答内容とともにご紹介します。
お客様の個人情報を書く
● 連絡先などの基本情報、施術内容、髪質などやご希望などです。(20代・スタイリスト・美容師歴8年)
● 個人情報、履歴などです。(30代・スタイリスト・美容師歴7年)
カルテの項目として、お名前や生年月日、連絡先といった個人情報はどの美容師さんも記入しているようです。
住所や生年月日はDMの送付に、連絡先は予約が入っているのに来店されなかった時などに使われます。
会話した内容を書く
● スタイルやトーク内容を記入します。(20代・スタイリスト・美容師歴8年)
● 前回の履歴、トーク内容、注意点などです。(30代・スタイリスト・美容師歴16年)
カルテの項目として個人情報の次に多かったのが、お客様との会話内容でした。
美容師さんは1日に何人ものお客様と会話するので、数か月前の会話内容を鮮明に覚えておくことは難しいものです。
カルテに会話内容を書いておけば、次回来店時に「○○と仰っていましたよね」と声をかけることができます。
お客様としては、「自分のことを覚えておいてくれた!」とうれしくなるものです。
髪質や髪の状態を書く
● 個人情報、髪質、施術履歴等(30代・スタイリスト・美容師歴11年)
● 顧客情報はもちろんのこと、履歴、髪質の特徴などです。(50代・オーナー・美容師歴30年)
髪質や髪の状態は、担当する美容師さん全員が把握しておく必要があります。
たとえばカラーメニューを施術する際は、髪質や髪の状態を見て、ダメージレベルに合わせたカラー剤の調合が必要です。
施術内容を書く
● 施術履歴・基本情報(住所・TEL等)・ちょっとした特徴(趣味等)などを記入しています。(40代・オーナー・美容師歴20年)
● 連絡先などの基本情報、施術内容、髪質などやご希望などです。(20代・スタイリスト・美容師歴8年)
2回目以降のご来店の場合、お客様によっては「前回と同じメニューでお願いします」という方も多いものです。
そんな時、カルテに施術内容と書いておけば美容師さんが戸惑うこともありません。
前回の来店日や施術内容を書いておけば、髪の伸び具合やダメージ状況も把握できます。
ヘアスタイルについてを書く
● ヘアスタイルや会話の内容についてです。(40代・オーナー・美容師歴25年)
● 薬剤情報、スタイル、気を付けること、好きなスタイル、会話内容、趣味などです。(30代・スタイリスト・美容師歴15年)
お客様の理想としているヘアスタイルや前回提案したヘアスタイルの情報も、カルテに記入している美容師さんが多いようです。
「ロングヘアを目指している」などヘアスタイルの情報を書き留めておくことで、より適切なケア方法など有益な情報を伝えることもできます。
カラー剤や薬剤について書く
● カット長さや仕上がり、使用薬剤などです。(30代・オーナー・美容師歴18年)
自分のサロンで使ったカラー剤・薬剤はもちろん、「〇か月前にデジタルパーマをかけました」など他サロンでの薬剤情報を聞いた時もカルテに書いておく美容師さんが多いようです。
薬剤情報は施術内容と同じくお客様の髪の情報として大変重要なので、カルテに書いて管理しておきましょう。
店頭販売やアプローチ内容の履歴を書く
● 年齢やメニュー履歴、店販履歴、癖やお悩みの話があればそちらも記入します。(30代・オーナー・美容師歴16年)
トリートメントやシャンプーといった店頭販売はどのサロンでも行っており、お客様が購入されたら履歴としてカルテに記入します。
またアプローチした内容があればお客様の反応も含めてカルテに書いておくことで、次回の接客に活かすことができます。
その他カルテに書いていること
● 薬剤情報、スタイル、気を付けること、好きなスタイル、会話内容、趣味(50代・オーナー・美容師歴34年)
カルテに記入する情報として、アレルギーの有無や趣味といった項目も回答がありました。
薬剤でアレルギー反応を起こす方もいるので、把握した時点でカルテに書いておいた方が良いでしょう。
ヘアサロンでカルテを書く時のルールやリピーター獲得のポイント
美容師さんがカルテを書く時、サロン内のルールやリピーター獲得につなげるためのポイントについてもお聞きしました。
カルテに関するルール
サロンのカルテは所属する美容師さん達で共有する目的があり、そのためサロンごとにルールを設けているケースがほとんどです。
会話した内容を記入する
● どのような会話をしたかなど、ちょっとしたことも書いておきます。(30代・オーナー・美容師歴16年)
サロン内のルールとして、会話内容をなるべく記入するようにしているケースが多いようです。
「お客様には楽しく会話して癒されてほしい」という美容師さんの気持ちが表れています。
スタッフ全員が見やすいように記入する
● 全スタッフが共有できるように、見やすく記入することです。(20代・スタイリスト・美容師歴8年)
カルテは情報を共有するためのツールなので、だれが見てもわかるよう書くことも重要ですね。
提案した内容やその反応について
● 提案して反応が良かったものや悪かったものを記入しておくと良いです。(50代・オーナー・美容師歴30年)
サロンで商品やメニューを提案することは多いですが、お客様が断っているのに毎回提案すると不快にさせてしまいます。
反応が良かった内容については次回来店時も提案するなど、カルテを活用すれば効果的なアプローチができるでしょう。
その他のルール
● 電子カルテと紙カルテの両方で管理しています。(30代・オーナー・美容師歴12年)
リピーター獲得のために意識しているポイント
美容師さんのカルテについて、リピーター獲得のために意識しているポイントもお聞きしました。
前回の会話内容を書き留めておく
● 前回お話しした内容をサラッと入れるとお客様は嬉しそうな目で会話されます。(30代・オーナー・美容師歴20年)
リピーター獲得のポイントとして、カルテに会話内容を記載するという回答が最多でした。
次に違う担当者がついても会話の糸口を掴むことができ、お客様としては「自分のことを覚えていてくれた」と満足度・信頼感もアップします。
次の来店時に向けた下準備をする
● 次はどのような色味にするかお聞きし、次回に向けて下準備をしています。(50代・オーナー・美容師歴37年)
次回の来店時に最適な提案ができるよう、カルテを活用して下準備している美容師さんもいらっしゃいます。
その他リピーター獲得のために意識していること
● 会話をせずゆっくり過ごしたい方もいるため、そういった情報も記入しています。(30代・オーナー・美容師歴11年)
お客様の中には、会話をせずゆっくり過ごしたい方もいらっしゃるものです。
細かい情報こそカルテに書いておくことで、よりきめ細やかな接客ができますね。
まとめ
美容師さんが活用しているカルテについて、その内容やポイントをご紹介しました。この記事をまとめます。
● 美容師さんは紙のカルテを活用しているケースが多い
● カルテの内容は個人情報・会話内容・施術内容・使用した薬剤などの情報を記載している
● 会話内容や前回の提案内容などをカルテに書いておくことでリピーター獲得につなげる
美容師さんはお客様に関する多くの情報をカルテで管理しています。
お客様の情報は貴重な財産であり、リピーター獲得につなげるためにも欠かせません。
カルテの書き方に悩んだら、ぜひ今回のアンケート結果を参考にしてみてくださいね。
JOBOONでは美容師さんに役立つコラムを掲載しているので、ぜひ参考にしてください。